地中海連合
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地中海連合Union for the Mediterranean

地中海連合加盟国.mw-parser-output .legend{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}.mw-parser-output .legend-color{display:inline-block;min-width:1.5em;height:1.5em;margin:1px 0;text-align:center;border:1px solid black;background-color:transparent;color:black}.mw-parser-output .legend-text{}  欧州連合加盟国[注釈 1]  欧州連合非加盟国  停止国  オブザーバー
設立2008年7月13日
本部スペイン、バルセロナ
所在地地中海
会員数42ヵ国

 アイルランド

 アルジェリア

 アルバニア

 イスラエル

 イタリア

 エジプト

 エストニア

 オーストリア

 オランダ

 キプロス

 ギリシャ

 クロアチア

 シリア (自己停止)

 スウェーデン

 スペイン

 スロバキア

 スロベニア

 チェコ

 チュニジア

 デンマーク

 ドイツ

 トルコ

 パレスチナ

 ハンガリー

 フィンランド

 フランス

 ブルガリア

 ベルギー

 ボスニア・ヘルツェゴビナ

 ポーランド

 ポルトガル

 マルタ

 モナコ

 モーリタニア

 モロッコ

 モンテネグロ

 ヨルダン

 ラトビア

 リトアニア

 ルクセンブルク

 ルーマニア

 レバノン
オブザーバー

 リビア

公用語アラビア語英語フランス語
事務総長ナーサル・カメル(英語版)
ウェブサイトufmsecretariat.org
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地中海連合(ちちゅうかいれんごう、Union pour la Mediterranee)[1]は、欧州連合 (EU) の加盟国地中海沿岸国の42ヵ国による政府間組織である。2008年7月13日フランス大統領ニコラ・サルコジにより設立された[2][3]。もともと地中海連合はサルコジがトルコのEU加盟に反対していた一方で、トルコを加えた新たな地域統合の構想の枠組みとして提唱していたものであったが[4]、2008年3月に構想段階での規模が縮小されたことで、トルコのEU加盟の代替案という考え方は破棄された。トルコは2008年に地中海連合をEU加盟の代替としないという保証を求め、そのうえで地中海連合に参加することを受け入れた。
歴史ニコラ・サルコジは大統領選挙活動中に地中海連合創設構想を提唱した。
提唱

地中海連合構想はもともとサルコジの大統領選挙中に主張されたものである[5][6][7]。この大統領選挙でサルコジが勝利したことを受けて地中海連合構想は具体化されていった[8][9]。地中海連合の対象となる見込みの地域にはイスラム世界が含まれているが、サルコジは地中海連合がイスラエルと近隣のアラブ諸国との和平を促す役割を果たすと考えている。今後地中海連合の中心的な機関の中心は、2008年のフランスのEU議長国の任期末までに設置されることが見込まれている[10]。2007年10月23日にサルコジは地中海沿岸諸国の首脳に対して、2008年6月にフランスで「厳格な平等の原則に基づく政治的・経済的・文化的な統合体設立の基礎を構築する」首脳会議を開くことを伝えた[11]
批判

ところがこの時点で細部がまだ画定していなかったことから批判が集まった。それに加えて地中海連合と、既存の欧州・地中海パートナーシップ(バルセロナ・プロセス)との関係について、地中海連合の設立によりEUの地中海政策の効率が低下し、また南欧諸国が不評のEUの地中海政策から離れ、地中海連合に関心を集中させることになるのではないかという主張もなされるようになった。また世論が形成されないなかでEU・地中海連合間での経済政策や人権問題政策での競合についても争点となった。さらにEUの警察・刑事司法協力 (PJCC) との重複も問題とされた[12]
規模の縮小

2008年に入り、サルコジはEU域内や欧州委員会に広がった反対論を受けて地中海連合構想の規模を縮小させた[13]。同年2月末にヨーロッパ担当相ジャン=ピエール・ジュイエはこの地域における既存のEU機構と政策を完遂し、充実させるために「地中海の連合 (Union mediterraneenne)」は断念し、「地中海のための連合体 (Union pour la Mediterranee)」を目指すと述べた[1]。その後のドイツ連邦首相アンゲラ・メルケルとの会談で、地中海沿岸諸国に限らず、既存のバルセロナ・プロセスに基づいて地中海連合を設立することで合意した。またトルコも地中海連合をEU加盟の代替案としないという言質をフランスから得たことを受けて、地中海連合への参加に同意した。これらを受けて地中海連合は2008年7月13日に発足する運びとなった[3]
機構と目的

地中海連合はEUよりも緩やかな連合体である。サルコジは地中海沿岸の市民にEUと「同じことを同じ目標と同じ手段で行う」ことを求めたにもかかわらず、サルコジは地中海連合はEUモデルに基づくものではないとも述べている[11]。しかし2008年に構想の縮小が進められると、欧州投資銀行にならった地中海投資銀行など多くの案が撤回され[8]、かわりにより実務的な案に焦点が当てられるようになった[14]

当初の案では、参加国はEUの理事会をモデルとした、議長国を輪番制とする常設の理事会を設置し、エネルギー安全保障カウンターテロリズム移民貿易を扱う場とすることになっていた。またフランスは自らが持つ原子力エネルギー技術を北アフリカに提供し、その引き換えに天然ガスを手に入れようと考えていた。


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