地上基幹放送
[Wikipedia|▼Menu]

この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

基幹放送(きかんほうそう)は、放送の種別の一つである。

引用の促音の表記は原文と同一。「協会」とは日本放送協会の、「学園」とは放送大学学園の略。目次

1 定義

2 概要

3 種別

3.1 衛星基幹放送

3.2 移動受信用地上基幹放送

3.3 地上基幹放送

3.4 区分

3.5 放送対象地域

3.6 放送系

3.7 放送区域

3.8 マスメディア集中排除原則

3.9 外資規制


4 適用除外

5 脚注

5.1 注釈

5.2 出典


6 関連項目

7 外部リンク

定義

放送法第2条第2号に「電波法の規定により放送をする無線局に専ら又は優先的に割り当てられるものとされた周波数電波を使用する放送」と定義している。関連する定義として、

衛星基幹放送」が同条第13号に「人工衛星放送局を用いて行われる基幹放送」

移動受信用地上基幹放送」が同条第14号に「自動車その他の陸上を移動するものに設置して使用し、又は携帯して使用するための受信設備により受信されることを目的とする基幹放送であつて、衛星基幹放送以外のもの」

地上基幹放送」が同条第15号に「基幹放送であつて、衛星基幹放送及び移動受信用地上基幹放送以外のもの」

とある。これらは、2011年(平成23年)6月30日に施行[1]された改正放送法に定義されたものである。
概要

定義にみるとおり、無線通信による放送の内、放送専用又は優先的に使用される周波数の電波により実施されるもののことである。改正前の放送法においては、「放送」が「公衆によつて直接受信されることを目的とする無線通信の送信」と定義されていた[2]が、この内の一般衛星放送以外のものに相当する。

原則として基幹放送では、放送局を保有するハード事業者とコンテンツを持つ(が放送局の免許を持たない)ソフト事業者を分離している。これは、基幹放送に参入する機会を多くすることを意図している。一方、従前からある地上波による放送、すなわち地上基幹放送では自ら地上基幹放送局を開設して参入することもできる。いわゆるハードとソフトの一致である。
種別
衛星基幹放送

放送衛星および東経110度通信衛星を使用する放送で、従前の特別衛星放送が相当する。後述の#放送対象地域による区分からみると全国放送をするものとされる。
移動受信用地上基幹放送

放送法改正前は移動受信用放送と呼ばれていたもので、改正時点では認定を受けていた事業者があったのみで実施されていなかった。地上アナログテレビ放送停波後のVHFを使用して携帯端末を対象に、民間事業者(協会または学園以外の事業者)が表のように実施するもの[3]としている。

周波数帯種別放送対象地域
VHF-High帯マルチメディア放送全国放送
テレビジョン放送
VHF-Low帯マルチメディア放送広域放送県域放送

地上基幹放送

従前から地上波により実施されていたラジオ放送とテレビジョン放送が相当する。自ら地上基幹放送局の免許を取得し地上基幹放送をする事業者は特定地上基幹放送事業者といい、すべてこの事業者により実施されている[4]

中波からUHFまで様々な周波数が用いられるので、その電波伝搬特性により放送対象地域も全世界から一市区町村を対象とするものまで様々のものがある。
区分

放送法第91条第2項により、総務大臣基幹放送普及計画に「協会の放送、学園の放送又はその他の放送の区分、国内放送国際放送中継国際放送協会国際衛星放送又は内外放送の区分、中波放送超短波放送、テレビジョン放送その他の放送の種類による区分その他の総務省令で定める基幹放送の区分」ごとに放送対象地域を定めるものとしている。この区分は、放送法施行規則別表第5号にある。

1.国内放送等の基幹放送の区分(1) 国内放送(2) 国際放送(3) 中継国際放送(4) 協会国際衛星放送(5) 内外放送

2.地上基幹放送等の基幹放送の区分(1) 地上基幹放送(2) 衛星基幹放送(3) 移動受信用地上基幹放送

3.送信の方式による基幹放送の区分(1) デジタル放送(2) デジタル放送以外の放送

4.料金による基幹放送の区分(1) 有料放送(2) 有料放送以外の放送

5.放送の種類による基幹放送の区分(1) 中波放送(2) 短波放送(3) 超短波放送(4) テレビジョン放送  ア 高精細度テレビジョン放送を含むテレビジョン放送  イ 標準テレビジョン放送(5) マルチメディア放送(6) 多重放送  ア 超短波音声多重放送  イ 超短波文字多重放送(7) データ放送

6.放送事業者による基幹放送の区分(1) 協会の放送(2) 学園の放送(3) (1)及び(2)以外の放送

7.放送番組による基幹放送の区分(1) 総合放送(2) 教育放送(3) 大学教育放送(4) 外国語放送(5) 難視聴解消を目的とする放送(6) 特定標準テレビジョン放送(7) その他の放送

8.放送対象地域による基幹放送の区分(1) 全国放送(2) 広域放送(3) 県域放送(4) コミュニティ放送(5) その他の放送

9.その他の基幹放送の区分(1) 受信障害対策中継放送(2) 臨時目的放送(3) 試験放送(4) 衛星試験放送

これらの区分は様々な組合せが考えられるが、電波の物理的性質から実現できないもの、需要が見込めず参入する事業者の無いものもある。
放送対象地域

放送法第91条第2項第2号に「総務省令で定める基幹放送の区分ごとの同一の放送番組の基幹放送を同時に受信できることが相当と認められる一定の区域」と規定している。これに基づき放送法施行規則別表第5号に#区分第8号のように区分しており、この区分毎に基幹放送普及計画で区域が規定され、具体的な周波数は告示基幹放送用周波数使用計画による。

詳細は放送対象地域を参照。
放送系

放送法第91条第2項第3号に「同一の放送番組の放送を同時に行うことのできる基幹放送局の総体」と規定し、基幹放送普及計画にその数(衛星基幹放送及び移動受信用地上基幹放送に係る放送対象地域にあつては、放送系により放送をすることのできる放送番組の数)の目標を定めるとしている。これは、放送対象地域ごとに、地上基幹放送については基幹放送事業者の数を、衛星基幹放送及び移動受信用地上基幹放送については認定基幹放送事業者の数の目標を定めることとなる。つまり、基幹放送事業に参入できる事業者数を規定するものである。
放送区域


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:27 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef