圧縮バット
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野球用木製バット

バット (bat) とは、野球打者投手の投球を打つために用いられる棒状の用具のことである。
目次

1 バットの形状

2 バットの材質

2.1 木製バット

2.2 金属バット

2.3 その他


3 バットの種類

3.1 試合用

3.2 練習用

3.3 サイン用(サインバット)


4 規則

4.1 公認野球規則

4.1.1 形状

4.1.2 材質

4.1.3 色


4.2 オリンピック

4.3 日本のプロ野球

4.4 日本の高校野球

4.5 日本の社会人野球


5 トピック

5.1 色

5.2 形状

5.3 材質

5.4 重量

5.5 その他


6 野球以外での使用及びその法規制

7 脚註

8 関連項目

9 外部リンク

バットの形状

バットの形状は先端のボールが当たる部分(ヘッド)が太くなっており、手で握る部分(グリップ)は細く、さらに手元のグリップの端にグリップエンドと呼ばれる直径の太い部分が付いている。また、バットのグリップ側にはテープを巻くなどの滑り止め加工が施され、ヘッドの部分にはメーカー名などの刻印がされている。

一般成人男性向けに市販されているものは、多くは長さ83cm?85cm程度。また重さは硬式用なら900g前後である。
バットの材質

バットの材質には金属超々ジュラルミンなどのアルミ合金)、炭素繊維強化プラスチック(俗に「カーボン」と呼ばれる)、などがある。
木製バット

特に木製バットを使用する際には、ボールがバットに当たる際にヘッドの刻印部分が上もしくは下を向くように持たなければならない。これは木目に対して平行に力が加わるようにして、折れにくくするためである。

木製バットの材料には、アッシュ材や、ハードメイプル、ヒッコリーなどが使用されている。長らくメジャーリーグでは硬い(反発力の強い)ホワイト・アッシュが使われ、近年ではハードメイプルも多く使われているが、ヒッコリーは重いためあまり使われなくなっている。一方、日本のプロ野球では「材質が柔らかく、振ったときにしなりが出る」としてヤチダモアオダモといったタモ系の木材がよく使われ、特に良質なバット材として北海道産のアオダモが好まれている。

松井秀喜イチローピート・ローズなどのバットを作った久保田五十一[1]による作り方は次の通り:7cm角の角材を3-4ヶ月間自然乾燥した後、40時間真空乾燥する。機械で荒削り後、職人が30分程度手仕上げする[2][3]

メジャーリーグへ日本人野手が移籍することが多くなった2000年代からは、ボールの材質や気候が違うことから日本人選手もホワイトアッシュなどを使用し始め、その堅さなどから日本球界でもアオダモ以外の材質バットを好む選手が増えてきている。アオダモはバットとして使えるものは樹齢80 - 90年とされており、近年では良質材の確保が困難なため、プロ野手でも使用を断念せざるを得ない状況となっている[4]。そのため、豊田泰光ら野球関係者が行政やバット生産関係者と「アオダモ資源育成の会」を立ち上げ積極的な植樹活動を行っている。また、折れたバットを靴べらなどの別の品物を作る材料に用いるリサイクル活動も展開されており、日本プロ野球で試合中に折れたバットは、職人の手により5 - 6本の箸に再生されている[5]日本野球機構では、日本シリーズオールスターゲームなどの特別試合の試合前に、選手によるアオダモの植樹活動が行われている。

木製バットの場合、バットの含水率は7 - 10%程度が理想と言われている。日本のように夏季の湿度が高い環境では、バットを裸のまま放置すると空気中の水分を吸い込んでしまい、含水率が理想の状態よりも高い値(最大で12 - 13%程度)になってしまう。含水率が高くなると当然ながらバットの重量が重くなり選手の感覚を狂わせる上、バットにボールが当たった際の反発力にも影響が出る。一方で冬季にエアコンのそばにバットを放置した場合など、バットが乾燥して逆に含水率が低くなり、事実上使えなくなるほど折れやすくなることもある[6]。これらの要因から、近年プロ野球選手の間では、シリカゲル入りのジュラルミンケースにバットを入れて持ち運ぶことでバットの含水率を一定に保つことが一般的となっている[7]
金属バット

アルミニウム亜鉛を加えた合金などの金属パイプを成形・焼入れして作られる中空のバットである[8][9][10]。一般には、木製バットと比べ、ジャストミートできる「芯」が広く、強い打球を打てるとされる[11]。耐久性も木製バットを上回るため、予算の乏しいアマチュアで使用が認められることがある。アメリカのリトルリーグでは、事故防止などのために打撃性能を木製バットと同等程度に制限している[12]

金属バットは、芝浦工大学長も務めた大本修平成24年度野球殿堂入り)が、1960年代に米国メーカーよりも先に考案したと言われている。大本は通商産業省による金属バットの安全基準作りにも関わった。金属バットで硬球を長期間打ち続けると、打球音の影響で聴力が低下することが指摘されている[12]。練習場周辺に対する騒音の問題もあり、日本の高校野球では1991年以降バット内部に音響放射を低減させる作用を持つ防音・防振材が貼り付け又は充填されるようになった[11]
その他

接合バットは竹の合板を軸として打球部分にメイプルなどの木材を貼り合わせている。ラミバットとよばれる。

竹バットや接合バットは、金属バットより「芯」が狭い、「芯」を外した時には衝撃がくる、1本の木材から作られたものより丈夫であり安価である、ということからアマチュア野球の練習用バットとして使われている。

ミズノなどから軟式野球用に外側がゴム(エーテル系発泡ポリウレタン)のものも販売されている。これらは軟式ボールの変形をおさえ、反発係数を高めることで飛距離を増すというものである。
バットの種類
試合用

硬式球を打つための硬式用バットと、軟式球を打つための軟式バットがある。打者のタイプによって重心の位置が異なっており、長打を狙う選手はグリップが細く、ヘッドが太い先端に重心があるバット(トップバランス)、短打を確実に狙う選手にはグリップが太く、ヘッドが細いバット(カウンターバランス)が好まれる。プロ野球選手の場合には特注されることが多く、実際に使われているものに似せたバットが、その選手名を冠して「○○モデル」として市販されている。
練習用

練習用として、投手の投球を打つことを目的としないバットがある。ノックの打球を確実に打つため、細く軽量に作られたノックバット、スイングの矯正などに用いられる長尺バットなどがある。


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