土星の衛星
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土星探査機カッシーニが撮影した、多くの衛星と共に写った土星の画像。画像内には左からディオネエンケラドゥスエピメテウスプロメテウスミマスレアヤヌステティス、そしてタイタンが写っている。

本項では、土星の衛星(どせいのえいせい)について述べる。土星の周囲を公転している衛星は、大きさが数十mしかない非常に小さなものから、太陽系惑星で最も小さい水星よりも大きなタイタンまで非常に多種多様であり、2023年5月27日時点で土星の周囲には軌道が確定している衛星が146個(存在が不確実な3個を含めると149個)知られており[1][2][3]、これからの観測でさらにその数は増加していくと考えられる。2019年10月に新たに20個の衛星が発見されたことにより、それから3年間以上は木星の衛星の数を上回り土星が太陽系内で最も多くの衛星を持つ惑星であった[4]。その後の新たな木星の衛星の発見により、一時的に太陽系の惑星の中では木星に次いで再び2番目に総数が多い状態になっていたが、2023年5月初旬からの一連の発見報告で新たに63個の衛星が確認されたことで[5]、再び太陽系で最も衛星が多い惑星かつ既知の衛星の総数が3桁となっている唯一の惑星となった[1]

この数には、小さな天体が密集した土星の環の中に存在する何千個ものムーンレット(小衛星)や、望遠鏡による観測で短期間だけ観測された、数百個もの数 kmサイズの衛星である可能性のある天体は含まれていない[6][7][8][9]。土星の衛星のうち7個は、回転楕円体に形状が落ち着くのに十分な大きさを有しているが、静水圧平衡の状態にあると考えられているのは1個または2個のみである(確実とみられるのがタイタンで、レアも可能性がある)。土星の衛星の中でも特に注目に値するのは、太陽系の衛星の中で木星ガニメデに次いで2番目に大きく、窒素が豊富に含まれた地球のような大気や網状に広がる乾いた、および液体炭化水素で構成されたが表面に存在しているタイタンや[10]、厚い氷で覆われながら南極地域から間欠泉が噴出しているエンケラドゥス[11]、表面が全体的に黒色と白色になっている対照的な半球を持つイアペトゥスが挙げられる。

土星の衛星のうち24個は、土星の赤道面に対してそれほど傾いておらず、土星の自転方向に対して順行する軌道を公転している規則衛星である。これらには、先述の7個の主要な衛星に加えて、大きな衛星と軌道を共有しているトロヤ衛星が4個、互いに軌道を共有している衛星が2個、および土星の環のF環の羊飼い衛星として機能している衛星が2個含まれている。また、規則衛星のうち2個は土星の環の間隙内を公転している。比較的大きいハイペリオンはタイタンとの軌道共鳴の状態にある。その他の規則衛星は、A環の外縁近くやG環の内部、および主要な衛星であるミマスとエンケラドゥスの間を公転している。規則衛星には伝統的に、ティーターン(巨神族)またはローマ神話サートゥルヌスに関連するその他の人物に因んで命名されている。

残る122個は、平均直径が 2 ? 213 km の範囲にある不規則衛星である。その軌道は規則衛星と比べて土星から遥かに遠く、かつ土星の赤道面からの軌道傾斜角が大きくなっており、土星の自転方向に対して順行するものと逆行するものが混在している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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