国際連合総会決議(こくさいれんごうそうかいけつぎ)は、国際連合総会で採択される決議である。 総会の各構成国は、1個の投票権を有しており(国連憲章18条1)、重要問題を除き、決議は、出席しかつ投票する構成国の過半数によって行われる(同3)。次の重要問題については、出席しかつ投票する構成国の3分の2の多数によって行われる(同2)。 投票は、記録による投票、挙手、または1国ずつを口頭で直接確認する点呼方式によって行われる[1]。 総会決議には、加盟国政府に対する法的拘束力はない。しかし、重要な国際問題に対する世界の世論の重みや国際社会の道徳的な権威を持っている[2]。 総会決議には、決議番号が与えられ、これにA/RES/-という記号を付けて国連文書として特定される(Aは総会 (General Assembly)、RESは決議 (Resolution) を表す)。1946年から1975年までは、この期間を通じてひと続きの番号が付されており、その後に会期の番号をローマ数字で括弧に囲んで表示する。例えば、第3回通常会期(1948年9月開会)に採択された世界人権宣言は、第1回通常会期からの通し番号217号のA項で採択された決議であり、A/RES/217A (III) と特定される。特別会期 (Special session) の決議はA/RES/3201 (S-VI)のように、緊急特別総会 (Emergency special session) の決議はA/RES/2252 (ES-V) のように表示し、いずれも通常会期と併せてひと続きの通し番号が付されている[3]。 第31回通常会期(1976年)以降は、会期ごとに決議番号が付され、会期の番号をアラビア数字で表示する扱いとなった。例えば、第44回通常会期における第25号決議はA/RES/44/25、第13回特別会期における第2号決議はA/RES/S-13/2、第8回緊急特別会期における第2号決議はA/RES/ES-8/2のように表示する[3]。 会期採択日決議番号内容
表決
国際の平和及び安全の維持に関する勧告
安全保障理事会の非常任理事国の選挙
経済社会理事会の理事国の選挙
国連憲章86条1cによる信託統治理事会の理事国の選挙
新加盟国の国連への加盟の承認
加盟国としての権利及び特権の停止
加盟国の除名
信託統治制度の運用に関する問題
予算問題
法的効力
決議番号
主要な総会決議
21947年11月21日177 (II)
同年11月29日181 (II)パレスチナ分割決議
31948年12月10日217 (III) A世界人権宣言
同年12月9日260 (III) Aジェノサイド条約の採択
1949年5月11日273 (III)イスラエルの国連加盟承認
41949年11月21日289 (IV) A-C旧イタリア植民地の処分(リビア独立勧告)
51950年11月3日377 (V) A-C平和のための結集決議
61952年2月1日505 (VI)
緊急特別11956年11月4日-7日998, 1000, 1001 (ES-I)第一次国際連合緊急軍の派遣
151960年12月14日1514 (XV)植民地独立付与宣言
171962年1761 (XVII)