国防分析研究所
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国防分析研究所
IDAロゴ
IDA本部庁舎(右側の小さい建物)
正式名称Institute for Defense Analyses
日本語名称国防分析研究所
略称IDA
所在地 アメリカ合衆国
バージニア州アレクサンドリア

活動領域安全保障
設立年月日1956年
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国防分析研究所(こくぼうぶんせきけんきゅうじょ、: Institute for Defense Analyses、IDA イーダ)とは、システム分析センター(Systems and Analyses Center. SAC)、科学技術政策研究所(Science and Technology Policy Institute, STPI)および通信コンピューティング・センター(Center for Communications and Computing, C&C)の3つの連邦政府出資研究開発センター(英語版)(Federally funded research and development center, FFRDC)を運営し、特に科学的および技術的専門知識を必要とする安全保障問題に対処して、アメリカ合衆国政府を支援する非営利型法人である。研究所の本部は、バージニア州アレクサンドリアに所在する。
歴史

IDAの誕生に不可欠な2つの方針[1]は、第二次世界大戦によって生まれた。一つは、複数の軍種を一つの調整された省庁に統合するというもの、もう一つは、科学および科学者と安全保障との関係強化を実現するというものであった。一つ目の方針は、ハリー・トルーマン大統領が1947年と1949年の国家安全保障法に署名し、国防総省を創設することにより実行に移された(1947年、陸軍省と海軍省が統合され、旧国防省が設立された。1949年、それを母体として、現在の国防総省が設立された[2]。)。

一方、二つ目の方針については1948年、初代国防長官府長官であるジェームズ・フォレスタルが兵器システム評価グループ(Weapons Systems Evaluation Group, WSEG)を設立し[3]、創設間もない国防長官府に技術的な専門知識と分析手法を継続的に提供して軍の統合を実現させるとともに、次の事項を実施して国防長官府および統合参謀本部を支援させた。

兵器システムの評価に必要な科学的および技術的ならびに軍事的な専門知識の提供

科学的分析およびオペレーションリサーチに関する先端技術の適用

公平かつ大局的見地に立った問題の解決

ドワイト・アイゼンハワー政権の初期の段階において、WSEGに対する要求は、少人数の軍人や軍属で構成されるスタッフの能力を超えるようになり、組織改革が求められるようになった。いくつかの選択肢が検討されたのち、1955年、国防長官および統合参謀本部議長は、当時マサチューセッツ工科大学の学長であったジェームズ・R・キリアン・ジュニア(英語版)に民間の非営利の研究機関の設立を支援するように依頼した。大学コンソーシアムの後援を得たその機関は、高度な資格を有する科学者を集め、WSEGによる国家の最重要国防問題への対処を支援した。1956年4月、この機関は、IDAという非営利組織として法人化された[4]。1958年、IDAは、国防長官の要求により新たに創設された高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency, ARPA)(のちの国防高等研究計画局, Defense Advanced Research Projects Agency, DARPA)を支援するための部局を設置した。まもなく、この部局の役割は、国防次官補(研究及び技術担当)のすべての事務局に対する科学的および技術的な研究支援へと拡大された[5]

1956年当時、IDAは、5つの大学(カリフォルニア工科大学ケースウエスタンリザーブ大学、マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学およびチューレーン大学)により監督されていたが、1964年には7つの大学(カリフォルニア大学シカゴ大学コロンビア大学イリノイ大学ミシガン大学ペンシルバニア大学およびプリンストン大学)を加えた12の大学へと拡大された[6]。大学によるIDAの監督は、プリンストン大学、コロンビア大学などでのベトナム戦争に対するデモの余波を受け、1968年に終了した[7]

その後、IDA最大の研究所であり、コスト分析、コンピューター・ソフトウェアおよびエンジニアリング、戦略および戦力評価、ならびに実用試験を行う研究分析センター(Studies and Analyses Center)(現在のシステム分析センター, Systems and Analyses Center)の監督の下に各部局が創設されるようになった。1990年代の初めには、シミュレーション・センター(Simulation Center)が創設され、高度な分散シミュレーションが研究されるようになった。また、近年では、統合先進戦闘プログラム(Joint Advanced Warfighting Program)が創設され、新たな運用構想が開拓されている[8]

IDAによるアメリカ国家安全保障局への支援は、1959年に開始された。これは、ニュージャージー州プリンストンへの通信研究センター(Center for Communications Research)の設立に際して要求されたものであった。1984年および1989年の国家安全保障局からの追加要求により、メリーランド州ブーイにコンピューター科学センター(Center for Computing Sciences)が、さらにカリフォルニア州ラホヤに2箇所目の通信研究センターがそれぞれ設立された。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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