国鉄50系客車
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国鉄50系客車
50系客車で組成された列車
基本情報
運用者日本国有鉄道
北海道旅客鉄道
東日本旅客鉄道
西日本旅客鉄道
四国旅客鉄道
九州旅客鉄道
東急電鉄
伊豆急行
製造所新潟鐵工所富士重工業[1]
種車スハ43・オハ46・スハフ42・オハフ45・スハネ16[注 1][2]
製造年1977年 - 1982年[3]
製造数953 両[3]
主要諸元
軌間1,067 mm
最高速度95 km/h[4]
車両定員112 名(オハ50[6]・オハ51[7]
92 名(オハフ50[8]・オハフ51[9]
荷重荷物13 t(マニ50)[4]
荷物4 t・郵便4 t(スユニ50)[4]
自重27.3 t(オハ50)[4]
27.6 t(オハフ50)[4]
28.2 t(オハ51)[4]
29.8 t(オハフ51)[4]
28.6 t(マニ50)[4]
31.5 t(スユニ50)[4]
全長20,000 mm[4]
車体長19,500 mm[5]
全幅2,893 mm[4]
車体幅2,800 mm[5]
全高3,895 mm(オハ・オハフ)[4]
3,865 mm(マニ・スユニ)[4]
車体高3,650 mm[10]
床面高さ1,240 mm[5]
車体鋼製[10]
台車TR230(オハ50・オハフ50・マニ50)[4]
TR230A(オハ51・オハフ51)[4]
TR47B(スユニ50)[4]
固定軸距2,000 mm(オハ・オハフ・マニ)[11]
2,450 mm(スユニ)[2]
台車中心間距離14,000 mm[4]
制動装置CL自動空気ブレーキ[12]
手ブレーキ(オハフ・マニ・スユニ)[4]
第19回(1979年ローレル賞受賞車両
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50系51形客車で組成された列車

50系客車(50けいきゃくしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)が主に地方都市圏の通勤・通学時間帯の普通列車に使用する目的で1977年昭和52年)より設計・製造された一般形客車の系列である(区分の経緯については#車両区分を参照)。

本州以南用の50形と、北海道用の51形があるが、基本的な設計コンセプトは同一であるため本項ではこの両形式、さらに同一の車体構造を有する荷物車マニ50形と郵便・荷物合造車スユニ50形についても併せて解説を行う。
概要

1970年代前半(昭和40年代)まで、地方都市圏(特に交流電化線区や非電化幹線)の旅客輸送には1920年代から1960年代にかけて製造された鋼製客車が多数使用されていた。これらの車両は優等列車電車化気動車化および12系客車の登場によって転用されたもので、10系以前の客車は登場後しばらくは程度の良い車両が優等列車に使用され[13]、後継車両の増備や置換えで捻出された中堅車や経年車は普通列車にも使用されるようになっていた[注 2]

昭和30年頃の時点で当時の国鉄は「加減速性能・表定速度・利便性能および運用効率において客車列車は電車や気動車と比較して大きく劣っており、いずれ廃れる輸送方式になる」ことが判明しており、その後実施された動力近代化計画はそれに基づいて、旅客列車については寝台列車などー部を除いて電車もしくは気動車に置き換えて座席客車を淘汰する方針だったことから、普通列車用の客車の製造については極めて消極的であった[注 3]。しかし製造後20年から40年以上を経て老朽化・陳腐化が進行し、保守上の問題と乗客からの不評を顕在化させていた。このため一部の鉄道管理局では、室内の両端、あるいはすべての座席をロングシートに改造し、つり革を設置することで収容定員の増加が図られていたが、狭いデッキや出入口はそのままであり、乗降の遅滞から列車遅延の原因となっていた。また自動扉をもたないこれらの客車は、走行中でも客用扉を開閉できるため乗客や荷物が転落する危険があり、保安上の問題となっていた。上記の問題を解決するために、新形車両の導入が求められていた。

輸送改善に際しては、当時行われていた荷物・郵便輸送への配慮[注 4]と、貨物輸送量の減少で機関車に余剰が発生していたこと、さらに組合側が客車列車の継続を要望(余剰人員の発生する電車/気動車化には反対していた)していたことから、動力近代化計画には矛盾するもののやむなく新形式客車を開発する方針が採られた[15]。完全に旧態依然を通り越して時代錯誤のような座席客車の新規製造[注 5]ではあるが、動力装置が不要になるため、1両当たりの製造コストが気動車や電車よりも格段に安くなる[注 6][注 7]ことから、地方部の通勤・通学時間帯に多く運行されていた比較的長編成の客車普通列車の置換え用として、余剰化した電気機関車ディーゼル機関車を有効活用[注 8]することによって、輸送力増強やサービス改善を低いイニシャルコストで行う[注 9]ために製造された車両群が本系列である[16][17]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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