国鉄24系客車
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国鉄24系客車
24系25形客車 急行「銀河」
基本情報
運用者日本国有鉄道
北海道旅客鉄道
東日本旅客鉄道
西日本旅客鉄道
九州旅客鉄道
製造年1973年 - 1980年・1989年
製造数597両(新製車 536両 改造車 61両)
主要諸元
軌間1,067 mm
最高速度110 km/h
全長21,300 mm
全幅2,900 mm
全高4,090 mm
車体普通鋼
台車TR217C
制動装置CL形自動ブレーキ
第15回(1975年ローレル賞受賞車両※受賞車両は24系25形
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14系・24系の多くの車両に使用されているTR217C形台車

国鉄24系客車(こくてつ24けいきゃくしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)が設計・製造した客車である。

初期の24形と25形ではB寝台車両の設備内容が異なるが、集中電源方式を採用して設計・製造された共通の基本構造をもつ同一系列であるため、本項でまとめて記す。
概要

1973年(昭和48年)から14系客車に代わる寝台特急列車(いわゆるブルートレイン)の車両として増備が開始され、老朽化した20系の置き換えおよび接客設備の向上を目的として1980年(昭和55年)まで増備された。

車両の外観や設備、台車、CL形自動ブレーキなどの仕様は概ね14系(寝台車)に基づきながら[1]、徹底した火災対策を施し、従来の20系と同様に独立した電源車から客車へサービス電源を給電する「集中電源方式」を採用した。これを受けて車体の編成全体の通電容量を考慮して、編成の海側・山側両方に電源用三相交流補助回路の引通しを設けた。

このため14系や12系といった分散電源方式の客車とは混結できないが、末期には放送用ジャンパのみを引き通し、電源系統としてはそれぞれの系列の中で完結させるという方法で併結運用を可能とし、急行「はまなす」や「さくら」「はやぶさ」や「あかつき」「なは」などでの混結が見られた[2][注 1][注 2]
開発の経緯

国鉄は1971年(昭和46年)に、客車のサービス電源を床下のディーゼルエンジン駆動の発電機でまかなう「分散電源方式」を採用した14系客車を開発し増備していた[3]

しかし、1972年(昭和47年)に発生した北陸トンネル火災事故を機に、火元となりうるディーゼルエンジンを客室の床下に置いた分散電源方式は、防火安全対策上において問題があり、14系14形の製造は中止され[注 3][4]、代替として開発されたのが本形式である。
車両概説

本項では落成時の仕様について述べる。
24系

1973年(昭和48年)に製造された初期形の呼称。A寝台車B寝台車食堂車は、14系の設計をほぼ踏襲しているが、外観上誘導員用の手すりがドア部分を除き車体側面中央寄りに移り、長さが短縮されている点が異なる。車内設備や冷房装置(AU76形、15000 kcal/h×2台)は基本的には14系と同等ではあるものの、寝台の枠をFRPからアルミに変更するなど難燃化が徹底している[注 4]。翌1974年に製造を24系25形へ移行したため、本グループの発注は1回だけで打ち切られ、製造両数は118両に留まった。

なお、新たに登場した25形との区別のため、便宜的に「24系24形」と呼称されるようになった(レトロニム)。ただしこの経緯により、それ以降で単に「24系」と呼ばれる場合でも、当項の24形のみを示していることもある。

A寝台車は14系のA寝台車と同様の開放形プルマン式である。B寝台車は当初3段式寝台であったが、1982年12月から1983年7月にかけ上段寝台を撤去、中段寝台を跳ね上げ位置で固定し、新たに上段寝台とする方法で全車が25形と同様の2段式に改造[注 5]されている[5][6]

新製配置は大阪鉄道管理局向日町運転所(後の京都総合運転所、現・吹田総合車両所京都支所)で、「あかつき」や「彗星」に使用されていた。1975年3月のダイヤ改正で、一部を残し東京南鉄道管理局品川客車区(後の品川運転所、現・東京総合車両センター田町センター)に転属し、「はやぶさ」「富士」「出雲」で使用されたが、翌1976年10月のダイヤ改正で盛岡鉄道管理局青森運転所(後の青森車両センター、現・盛岡車両センター青森派出所)への再転属で「ゆうづる」「日本海」に使用、さらに1980年10月のダイヤ改正に際して青森所属車の一部が秋田鉄道管理局秋田運転区(現・秋田総合車両センター南秋田センター)へ転属し、20系を使用する最後の寝台特急だった「「あけぼの」を置き換えた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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