国鉄201系電車
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国鉄201系電車
関西本線を走行する201系
(2023年11月 大和小泉駅 - 郡山駅
基本情報
運用者日本国有鉄道
東日本旅客鉄道
西日本旅客鉄道
製造所東急車輛製造日本車輌製造川崎重工業近畿車輛日立製作所
製造年1979年 - 1985年
製造数1,018両
運用開始1979年8月20日(試作車)[1]
1981年8月20日(量産車)[2]
運用終了2024年度予定
主要諸元
編成最小4両編成・最大10両編成
軌間1,067 mm(狭軌
電気方式直流1,500 V(架空電車線方式
最高運転速度100 km/h
設計最高速度110 km/h
起動加速度2.3 km/h/s (2M2T・4M4T)
2.5 km/h/s (6M4T)
2.8 km/h/s (4M2T)
減速度(常用)3.5 km/h/s
減速度(非常)5.0 km/h/s
編成定員560名(4連固定)
848名(6連固定)
992名(7連固定)
1,424名(10連固定)
全長20,000 mm
車体長19,500 mm
全幅2,800 mm
全高4,140 mm
車体普通鋼
台車円筒案内式インダイレクトマウント空気ばね台車
DT46(B)形・TR231(A)形
主電動機直流直巻電動機 MT60形
主電動機出力150 kW
駆動方式中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比1:5.6=15:84
定格速度52.1 km/h
制御方式サイリスタチョッパ制御
弱め界磁制御
制御装置CH1/HS36・CS53・CS53A
制動装置回生制動併用電磁直通ブレーキ
保安装置ATS-SATS-SNATS-SWATS-BATS-P
EBTE装置(JR西日本所属車一部)
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国鉄201系電車(こくてつ201けいでんしゃ)は、1979年昭和54年)に試作車が登場し、1981年(昭和56年)に量産が開始された日本国有鉄道(国鉄)の直流通勤形電車である。

1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化JR発足)後は、東日本旅客鉄道(JR東日本)に794両が、西日本旅客鉄道(JR西日本)に224両が継承された。
概要

国鉄として初の電機子チョッパ制御サイリスタチョッパ制御)を採用し、電力回生ブレーキを装備した「省エネ電車」として設計・製造された[3]。制御方式のみならず内外装に新機軸が多数導入され、103系に代わる次世代標準型通勤形電車として大きな話題を呼んだ。

1981年から量産が開始され、中央線快速中央・総武緩行線京阪神緩行線の3線区に合計1,018両(試作車10両含む)が投入された[4]。しかし、当時の国鉄の財政事情では電機子チョッパ制御器のコストの高さが課題となり、1985年からは旧来の抵抗制御をベースとした界磁添加励磁制御方式を採用し、ボルスタレス台車と軽量ステンレス車体によって大幅な軽量化とコストダウンを実現した205系に移行した[5]

1982年(昭和57年)時点における本系列の価格は、103系モハ103形が1両あたり9,859万円なのに対し、モハ201形1両は約1.5倍となる1億4,085万円であった[6]。なお、コストダウンが図られた軽装車(後述)でも1億3,697万円と、大幅な価格低減には至らなかった[6]

派生系列として、東京メトロ千代田線直通用の地下鉄乗り入れ仕様アルミ合金製車体を備える203系がある。この他、福岡市交通局1000系電車は本系列を基本仕様としつつ車体の材料をセミステンレスとした車輌で、落成時の主要機器類と台車は本系列と同じ製品を搭載している。
導入の経緯

1960年代後半から、抵抗制御に代わるより省エネルギー・省メンテナンスな主回路制御方式として、チョッパ制御方式が注目された[7]。1960年代より電車にも使用可能な大容量の半導体素子が開発されたこと、1973年(昭和48年)のオイルショックを契機に省エネルギーの機運が高まったことも、この動きを後押しした[8]

日本においては営団地下鉄帝都高速度交通営団)が電機子チョッパ制御を早期に研究しており、1969年に6000系試作車が登場した[8]。営業運転は1970年に阪神電気鉄道7001・7101形(力行のみ)が先行したが、翌1971年の営団6000系量産車より回生ブレーキ付き電機子チョッパ車が導入された[9][8]。国鉄も1967年以降、101系や103系を用いてチョッパ制御試験を開始した[7]

1970年代後半になると101系の一部は車齢20年を超え、車体の腐食、機器の絶縁劣化など、保守、補修に人手と金がかかるようになり[10]、101系の老朽化も進行してきたことから、新形式電車の機運も高まった[7]。そして1979年に試作車5両編成2本の10両が製造されることとなった。
構造

特記のない記述は量産車のものを記す。
車体

車体材質は鋼製とし、基本的な構造は従来の通勤電車を踏襲したが、新系列であることをアピールすべく前面形状は刷新された[11]

試作車1編成5両の製造を担当した東急車輛製造の提案[12]により、591系の平妻側運転台の形状をアレンジした左右非対称型のデザインが採用された。前面の上半分の開口部にジンカート処理と呼ばれる特殊な防錆皮膜処理を行った黒い鋼製パネルをはめ込んだ「ブラックフェイス」となっている[11]。正面ブラックフェイス上部に前照灯2灯、左側に運行番号表示器、右側には行先表示器が設置された[13]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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