国鉄189系電車
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西日本旅客鉄道(JR西日本)が485系・489系を改造して導入した183系電車については「JR西日本183系電車」をご覧ください。

国鉄183系電車
国鉄189系電車
183系0番台で運行される「しおさい」
(2000年9月28日 物井駅 - 佐倉駅間)
基本情報
運用者日本国有鉄道
東日本旅客鉄道
製造所日本車輌製造
川崎重工業
東急車輛製造(183系のみ)
近畿車輛(183系のみ)
製造年183系:1972年 - 1982年
189系:1975年 - 1979年
製造数183系:353両
189系:155両
運用終了183系:2015年
189系:2019年3月28日
主要諸元
編成6M2T(8両編成)
6M3T(9両編成)
軌間1,067 mm
電気方式直流1,500 V(架空電車線方式
最高運転速度120km/h
編成長185,500mm(9両編成)
全長先頭車: 21,000mm
中間車: 20,500mm
全幅2,946mm
全高クハ183形0番台:3,945mm
クハ183形1000番台・クハ189形:3,991mm
中間車:3,475mm
車体普通鋼
台車DT32・TR69系インダイレクトマウント方式空気ばね台車
主電動機MT54形直流直巻電動機
主電動機出力120kW
駆動方式中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比1:3.50(22:77)
制御方式抵抗制御・直並列組合せ・弱め界磁
制御装置CS15系制御器
制動装置発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ・勾配抑速ブレーキ
保安装置ATC-5(クハ183形0番台・1500番台)
ATC-6(クハ183-1525・1528)
ATS-S
ATS-SN
ATS-P
第16回(1973年ブルーリボン賞受賞車両※受賞車両は183系0番台
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国鉄183系電車(こくてつ183けいでんしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)が設計し、1972年より導入した直流特急形電車である。本項では、本系列をベースにEF63形電気機関車との協調運転装置を搭載した189系電車、計画のみに終わった187系電車についても記述する。
183系0番台[ソースを編集]
概要[ソースを編集]

1972年7月15日総武快速線東京 - 錦糸町間開業ならびに房総東線(現在:外房線蘇我 - 安房鴨川間電化完成により総武本線・房総東線・房総西線(現在:内房線)で運転されていた急行列車の一部を特急列車に格上げするために導入された。地下区間となる総武快速線に対応させることから、当時の運輸省通達「電車の火災事故対策について(鉄運第81号)」で定められたA-A基準を採用。さらに波動輸送への対応も考慮して製造されたグループである。

1972年にMM'ユニット(モハ183形・モハ182形)33組66両・クハ183形22両・サロ183形11両の99両が新規開設となった幕張電車区(現在:幕張車両センター)に配置された[注 1]。1973年 - 1975年に継続して増備され、最終的には9両編成(6M3T)19本と1973年11月に内房線で発生した衝突脱線事故による廃車代替[注 2] 1両のMM'ユニット57組114両・クハ183形39両・サロ183形19両総計172両が、日本車輌製造東急車輛製造近畿車輛川崎重工業で製造された。

第16回(1973年)鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。
構造[ソースを編集]

同時期に製造されていた485系を基本としたが、以下に解説する部分で本系列独自の構造を持つ。
車体[ソースを編集]

屋根高さは485系と同じ3,475 mmであるが以下の相違点がある。

波動輸送対応で冬期の山岳線区での運用を考慮し耐寒耐雪構造を採用し、狭小断面トンネルが存在する中央本線高尾以西への入線対応から運転席上の前灯が省略された。

運転が予定される線区に客車向けの低いプラットホームがないことから、181系と同様にドアステップは設けず床面高さを1,235 mmから1,200 mmに、床面からの窓框高さを855 mmから800 mmへと下げた。

制御車のクハ183形はクハネ581形・クハネ583形・クハ481形200番台・クハ381形0番台と同様な貫通扉を設置した。

当初は内房・外房特急の総武快速線内併結運転が計画されたため、地下区間での緊急時脱出の観点からの設置である。近郊形・急行形と同様のデザイン採用案もあったが、581・583系の実績ならびに特急形という点を考慮した結果である[1][2][注 3]


間合い運用で普通列車としての運用を考慮したため、普通車の客用扉は1車両あたり片側2か所とした。

車内設備[ソースを編集]

定員はモハ183形が68名。クハ183形が58名。サロ183形が48名。従来の特急形車両の基本を踏襲しながら以下に示す機構が新規採用された。

普通車の座席は従来の回転クロスシートからR51系簡易リクライニングシートに変更された。

冷房装置は、従来のAU12形からモハ183形はAU71A形集中式冷房装置1基、その他の車両はAU13E形分散式冷房装置5基を搭載した。

トイレ普通車グリーン車とも和式のみ[注 4] であり、地下線内での定期運行が前提となることから循環式汚物処理装置を全車に装備した[注 5]

側面行先表示器は485系と同様に自動巻取式方向幕が搭載されているが、当初投入された房総地区は季節によって輸送旅客数が大幅に異なるため[注 6]、閑散期には他地域の波動輸送への充当も考慮され70コマ対応のものが搭載された。

使用を計画する列車が短距離主体であったため、食堂車およびビュッフェ車は当初から計画されていない。代替としてサロ183形に車内販売準備室と車販コーナーを設置した。

台車・機器[ソースを編集]

信越本線での運用も考慮され新造時から横軽対策が施工されるなど、東日本地区の直流電化区間全般での使用も視野に入れた、汎用性の高い設計が採用された。

台車はダイヤフラム式空気ばねならびにウイングばね式軸箱支持のDT32E形を電動車に、TR69E形を付随車に採用した。基礎ブレーキはDT32E形が片押し式の踏面式で、TR69E形は1軸当たり2枚装備するディスク方式である。

MM'ユニットは、奇数形式のモハ183形に中央本線や上越線などの勾配線区での運用に対してノッチ戻し制御ならびに勾配抑速ブレーキを装備したCS15系制御装置を搭載。


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