この記事には参考文献や外部リンクの一覧が含まれていますが、脚注による参照が不十分であるため、情報源が依然不明確です。適切な位置に脚注を追加して、記事の信頼性向上にご協力ください。(2016年9月)
国鉄ワム60000形貨車
ワム60000形、ワム66172
2009年9月17日、三笠鉄道記念館
基本情報
車種有蓋車
運用者日本国有鉄道
東日本旅客鉄道
九州旅客鉄道
所有者日本国有鉄道
東日本旅客鉄道
九州旅客鉄道
製造年1961年(昭和36年)
製造数8,580両
消滅2001年(平成13年)
主要諸元
車体色黒
軌間1,067 mm
全長7,860 mm
全幅2,885 mm
全高3,700 mm
荷重15 t
実容積38.1 m3
自重9.8 t
換算両数 積車2.0
換算両数 空車1.0
走り装置二段リンク式
車輪径860 mm
軸距3,900 mm
最高速度75 km/h
テンプレートを表示
国鉄ワム60000形貨車(こくてつワム60000がたかしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)が1961年(昭和36年)から製作した 15 t 積の貨車(有蓋車)である。本形式を改造した事業用車ヤ400形についても本稿にて記述する。 輸送体系近代化を企図して先に製作された汎用の二軸有蓋車ワム70000形の設計を基に、設計の合理化と機械荷役への適合とを重視した設計変更がなされた車両である。1963年(昭和38年)までに8,580両(ワム60000 - ワム68579)が製作された。 ワム70000形に代わって「車扱急行列車」の専属運用に用いられたほか、汎用用途の有蓋車としてワラ1形が開発されるまで製作された。国鉄の各線区で広汎に用いられ、私鉄発注の同一設計車も存在した。1984年2月1日国鉄ダイヤ改正の貨物輸送体系転換で汎用的な運用は停止され、1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化では事業用車代用として8両のみが東日本旅客鉄道(JR東日本)九州旅客鉄道(JR九州)の2社に承継された。これらの車両も、2001年(平成13年)までに全車が除籍されている。 積載荷重 15 t の二軸有蓋車で、先に量産されたワム70000形の設計方針を踏襲しつつ、組立工法や台枠構造など各部に合理化を企図した対応がなされる。 車体はワム70000形と同様に外部構造を全鋼製とし、妻面と側扉にはプレス加工鋼板を用いる。ブロック組立を採用したこともワム70000形と同様であるが、本形式は最終工程の部材接合をも溶接で施工し、ワム70000形で残存していたリベット接合を廃した。側扉の開口部幅は 400 mm 増の 2,700 mm に拡大してフォークリフトなど荷役機械の使用に配慮し、側扉上部の「鴨居」部分には雨樋が新設された。床板は在来の有蓋車と同様の50 mm 厚の木板、室内の内張りは 20 mm 厚の木板である。 軽量化と製作価格低減に留意し、各部材には自動車用鋼板など汎用規格の鋼材を多用する。妻板も共用化の観点からワム80000形(2代)のものを流用したが、1961年(昭和36年)後半からの車両(ワム61300 - )では専用品の妻板部材に変更されている。本形式はワム80000形(2代)より車体幅が狭いため、初期の車両(ワム60000 - ワム61299)では幅の広い妻板と側面との接合部に段差が生じ、側面が凹んだ形態[注釈 1]となった。床面積は 15.9 m2、内容積は 38.1 m3 で、ワム70000形と同一の積載空間を確保しつつ自重を僅かに軽減 (9.7 t) した。 屋根はワム70000形の角屋根から丸屋根に変更された。これは断熱性能確保のため、屋根板と室内天井板の間に空気層となる間隙を設けるための措置で、屋根を支える垂木は屋根板の内側に移された。 台枠はワム70000形までの「長土台」「長土台受」で車体を支持した構造を廃し、パレット荷役対応試作車ワム80000形(初代[注釈 2]、後のワム89000形)で試みられた台枠構造を改良のうえで採用した。従来、荷重と引張力のみを負担していた側枠を車幅いっぱいの外側に移し、車体支持をも受け持つ構造に変更したもので、在来の二軸有蓋車と異なり側面から側梁は見えない。車軸を保持する軸箱守は台枠に「軸箱守受」と称する部材を新設して接合され、ばね吊受は横梁に移設された。
概要
仕様・構造