国鉄オシウ40形貨車
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国鉄シキ60形貨車

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基本情報
車種大物車
運用者鉄道省
運輸通信省
運輸省
日本国有鉄道
所有者鉄道省
運輸通信省
運輸省
日本国有鉄道
製造所田中車輛
製造年5
種車オシウ40形
改造年1928年(昭和3年)
改造数3両
消滅1972年(昭和47年)
主要諸元
車体色
軌間1,067 mm
全長18,540 mm
全幅2,300 mm
全高1,564 mm
荷重50 t
自重39.3 t
換算両数 積車7.0
換算両数 空車4.0
台車TR16
台車中心間距離12,000 mm
最高速度65 km/h→75 km/h
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国鉄シキ60形貨車(こくてつシキ60がたかしゃ)は、1923年(大正11年)から1944年(昭和19年)にかけて8両が製造された50トン積み低床式大物車である。低床式のほかに、梁を交換することで平床式・落し込み式としても使用することができる車両であった。当初は明治44年称号規程によるオシウ40形として、オシウ40 - オシウ42の番号が与えられており、1928年(昭和3年)に称号規程改正によりシキ60形のシキ60 - シキ62となった。その後シキ63 - シキ67の5両が追加で製造された。

大正時代に製造されたシキ60 - シキ62の3両は、鉄道省浜松工場が製造した。戦時中の特大貨物輸送急増に対応して田中車輛で1944年(昭和19年)7月 - 8月にシキ63 - シキ67の5両が追加新造された。

日本の貨車として、初めて複式ボギー台車を採用していた。後にTR16形として類別される菱枠台車を2台装備した枕枠を、荷受梁の前後にそれぞれ1台ずつ備える、全部で4台車8軸の車両で、当時としてはかなり大きな貨車であった。全長は18,540 mm(車体長17,600mm)で、このうち荷受梁の部分の長さが12,600 mm、低床部の長さが4,100 mm、低床部のレール面上高さが764 mmであった。空気ブレーキは装備されておらず、側ブレーキのみを装備していた。

枕枠の長さは5,600 mmあった。枕枠の部分は、それだけを分離した形で貨車として利用できるようになっており、荷受梁の部分に形式番号が書かれているほかに、枕枠にも形式番号が「シキ60甲」「シキ61乙」のように甲乙を付けて書き込まれていた。また、枕枠には回転枕木の装備ができるようになっており、車体中央側にも連結器を装備可能になっていた。枕枠のみで利用しているときは30 トン積み平床式大物車の扱いで、回転枕木を利用して曲線通過時の変位を吸収しながら、2台の間に長い貨物を渡しかけて輸送することができた。

また、落し込み式の梁も用意されていた。これは1936年(昭和11年)に鉄道省が自営の信濃川発電所を建設するに際して、変圧器の輸送用に大宮工場で製作したものである。全長は19,174 mm(車体長18,234mm)で、中央に全長4,450 mm、幅1,700 mmの穴が開けられており、この部分に貨物と落し込んで輸送するものであった。信濃川発電所への輸送に使用された後は、一般の貨物輸送用にも転用された。

この他に、陸軍省所有の専用の荷受梁が用意されていた。これは、本形式2両を使用して要塞砲を輸送するためのもので、低床式の荷受梁の中央に心皿を仮設し、その上に2両に渡しかけるように専用荷受梁を搭載することで、都合8台車16軸の大物車として使用できるようになっていた。このときは荷重100 トンであるが、専用荷受梁が20 トンあるので実際の荷重は80 トンであった。

荷受梁を取り外す、あるいは復元する作業は、苗穂・大宮・名古屋吹田鷹取小倉の各工場でのみ行えることになっていた。特に落し込み式梁への交換作業は大宮のみに限定されていた。

1966年度(昭和41年度)から1972年度(昭和47年度)にかけて順次廃車となった。
参考文献

吉岡心平『大物車のすべて 上』(初版)
ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY 91〉、2007年3月1日。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4-7770-5195-3。 

吉岡心平『大物車のすべて 中』(初版)ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY 92〉、2007年4月1日。ISBN 978-4-7770-5196-0。 

吉岡心平『大物車のすべて 下』(初版)ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY 93〉、2007年5月1日。ISBN 978-4-7770-5200-4。 

貨車技術発達史編纂委員会 編『日本の貨車 -技術発達史-』(初版)日本鉄道車輌工業会、2009年4月30日。 

外部リンク

『特種貨物取扱の実際』 (国立国会図書館デジタルコレクション)写真、形式図


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