この項目では、日本の国立競技場の建て替えについて説明しています。その他の用法については「国立競技場 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
国立競技場の建て替え(こくりつきょうぎじょうのたてかえ)では、日本の陸上競技場である国立競技場の建て替えを巡る経緯を記す。以下、建て替え前の国立競技場を「旧国立競技場」あるいは「旧国立」、建て替え後の国立競技場を「新国立競技場」あるいは「新国立」とする。 2008年5月29日に文部科学省は需要の変化や著しい老朽化に対応するため、サッカー専用競技場化などの大規模改修も視野に入れて施設としてのあり方を見直す有識者らを集めた調査研究協力者会議を発足させた。2009年に東京都が開催都市として立候補した2016年夏季オリンピックにおいて、東京オリンピック構想で国立霞ヶ丘競技場はサッカー会場としてのみ使用される計画となっていた。陸上競技などを開催するメインスタジアムは、晴海に建設されるオリンピックスタジアムが予定されていた[1]。だが、2009年10月2日に行われたIOC総会の投票で東京は落選したため、専用球技場への改修は白紙となった。 2011年に東京都が2020年夏季オリンピックへの立候補を表明し、2012年、東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会は、国立霞ヶ丘競技場を8万人収容のスタジアムに改築し、開閉会式、陸上競技、サッカー決勝戦、ラグビーの会場とする開催基本計画を正式に発表した。 2012年に開かれた国際コンペでザハ・ハディドによる特徴的なデザインが選ばれ、2015年7月8日、有識者会議の第6回にて、見積もりの2倍にふくらんだ総工費2520億円の計画を承認、同年10月の着工が決まった[2]。しかし、同月17日、安倍晋三首相が「現在の計画を白紙に戻し、ゼロベースで計画を見直す」ことと、予定していたラグビーW杯(2019年9月)の新国立での開催断念を表明。再コンペを実施し、計2案(A・B)の応募があり、12月22日、大成建設・梓設計・隈研吾のチームによるA案(総整備費約1490億円)に「優先交渉権者」が決定された[3]。 2008年(平成20年)5月29日、文部科学省は、国立霞ヶ丘陸上競技場の施設老朽化などを理由に、球技場への転換も含めた「調査研究協力者会議」を設置した[4][5]。当時すでに行われていた2016年夏季オリンピックの東京招致活動では、晴海埠頭(東京都中央区)に新たに東京オリンピックスタジアム[6] を建設してメイン会場とし、旧国立はサッカーのみの会場に用いる計画としていた。 2009年2月19日に日本ラグビーフットボール協会の森喜朗会長は国立霞ヶ丘の改修に言及し、「2016年の東京オリンピック招致に成功した場合には国立霞ヶ丘競技場をラグビーやサッカーの専用球技場として改修したい」と述べた[7]。しかし、このときの招致活動は、2009年(平成21年)10月の第121次IOC総会でリオデジャネイロオリンピックの開催が決定したため終了した。また、文部科学省による調査も終了した[8]。 2011年(平成23年)7月16日、東京都(都知事は前回に続き石原慎太郎)は、2020年夏季オリンピックの開催地として立候補することを発表した。2020年夏季オリンピックの招致活動では「既存施設の活用」をテーマとして、旧国立をメイン会場とする計画を立案した。しかし、旧国立競技場をメイン会場として利用するためには、「施設の老朽化対策」「国際大会を開催誘致できる規格への改修(スタンド増設も)」などの実施が求められた。文部科学省(スポーツ・青少年局が担当部署[9])と日本スポーツ振興センター(JSC)は協議を重ね、必要な調査を行うことを決めた。この調査のため、2012年度(平成24年度)の予算に1億円の改修調査費を計上した[10]。中川正春文科相も誘致のポイントと語った[11]。
概要
経緯「明治神宮外苑#再開発計画」も参照
改修の検討