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『国立水俣病総合研究センター』(こくりつみなまたびょうそうごうけんきゅうせんたー)とは、四大公害病の1つに数えられる、水俣病の研究の推進に役立つように総合的医学研究を実施して、患者の医療の向上を図ることを目的として設置された施設である。環境省環境調査研修所の所属機関。所在地は熊本県水俣市浜。 所長 望月 靖(もちづき やすし)の下に1課・4部が形成され、そこからさらに2つの係、13の研究室が設けられている。 過去10年間の研究業績
組織
総務課
庶務係
経理係
国際・総合研究部
国際情報室
国際係
情報係
社会科学室
自然科学室
臨床部 - メチル水銀中毒の臨床医学的問題の解明やそれらに関する国際的問題の解決などの医学的研究や臨床業務をこなす。
総合臨床室
理学診療科室
診断技術室
検査室
薬剤室
基礎研究部
病理室
生化学室
生理室
疫学研究部
調査室
リンク評価室
各部長
国際・総合研究部(兼)疫学研究部長:坂本峰至(さかもとみねし)専門は環境疫学、毒性神経行動学基礎研究部長:佐々木眞敬(ささきまさのり)研究分野は生殖発生毒性※各部にそれぞれ数名の研究員が所属している※
沿革1973年5月:三木武夫環境庁長官が本センターの設立の旨を水俣市で発表1978年10月:「国立水俣病研究センター」が2部1課(臨床部、基礎研究部、総務課)で発足1979年4月:疫学研究部が新設1980年:SPF実験棟完成1996年:世界保健機関(WHO)協力センター開所式、中大動物実験棟完成1988年:アイソトープ実験棟完成1996年:リサーチ・リソース・バンク棟完成、「国立水俣病総合研究センター」に改組、国際・総合研究部が新設1997年:国際研究協力棟完成2000年:廃液処理棟館完成2001年:水俣病情報センターを開館、国際水銀会議2001事務局2003年:環境調査研修所に組織統合2005年:共同研究実習棟完成2006年:水俣病公式発見50年により、記念事業の実行委員会に参加、介護予防等在宅支援モデル事業開始2007年:「出水リハビリテーションセンター」開所
施設
管理研究棟
リハビリ棟
臨床棟
リサーチ・リソース・バンク棟:水俣病に関する過去のメチル水銀中毒実験や水俣病発生地の熊本県、新潟県の部検資料を保存して、研究者に研究資料として提供する。
動物実験棟:SPF(特殊病原菌非汚染)動物実験棟、中大動物実験棟、小動物実験棟の三棟で構成されている。
アイソトープ実験棟:放射線同位元素(RI)という多方面の分野で用いられるもので、有用な研究手法となっている。
特殊廃液処理棟:水銀を筆頭に有害重金属を含む実験廃液の無毒化処理を行う。
国際研究協力棟:水銀汚染の国際的調査・研究のために、海外からの研究者に研究所や宿泊所を提供する。
共同研究実験棟:環境中における水銀の動態研究を行う。その中でも特に、水と土壌、大気中における水銀の動態が焦点となっている。
研究内容
国際・総合研究部
国際・情報室
世界各国からの研究者を招いて、水銀分析技術・モニタリング技術・臨床診断技術等を共同で実施する。その共同研究に加え、研究者同士で意見交換の場ともなる国際会議も頻度を多くして開催しており、水俣では「NIMDフォーラム」を7度実施している。また海外でも「国際ワークショップ」をタンザニア、ブラジルにて実施している。2001年の国際水銀会議においては中心的立場ですすめた。情報係としては、同じく2001年に「水俣病情報センター」を開設し、「水俣病関連資料総合調査事業」、展示室開設、ホームページ整備などの取り組みを行っている。
社会科学室
2000年に「水俣病の悲劇を繰り返さないために=水俣病の経験から学ぶもの(橋本道夫編)」に水俣病の歴史的問題点を整理、考察したものを記載して刊行した。現在では、特に地域社会にスポットをあて、関係者からのコメントや写真、情報収集から、差別・偏見・対立などの地域現状を調査し地域復興に取り組む。加えて、年々高齢化の進む水俣病患者、特に小児性患者の生活状況把握を重視して地域の医療福祉事業の向上のために研究を重ねている。
自然科学室
水銀動態調査の展開を中心として、水俣地域だけでなく、西日本各地の内湾の生物調査も7箇所に渡り実施してきた。そこから水銀濃度に関して、低下は見られるものの、未だに他地域と比べて高い度数を示すことがわかった。