国立小樽海上技術学校(こくりつおたるかいじょうぎじゅつがっこう、英: National Otaru Maritime Polytechnical School)は、北海道小樽市にあった独立行政法人海技教育機構の学校。中学卒業者を対象に船員の育成を目的としていた。旧称の小樽海員学校と呼ばれることも多い。校内では海校とも言われていた。内航海運を担う船員を育成することを目的とする4つの海上技術学校のうち最古のものである。海上技術学校はほかに国立館山海上技術学校(千葉県)、国立唐津海上技術学校(佐賀県)、国立口之津海上技術学校(長崎県)がある[1]。
中学卒業者を対象にした修業年数3年の教育課程を持ち、卒業すると文部科学大臣より高等学校卒業と同等の資格が与えられる[2]。また、卒業後には4級海技士(航海、機関)の乗船履歴短縮と筆記試験が免除される(卒業後、半年間の乗船実習科に進むと乗船履歴が免除される)。
なお、高等学校相当の当校は建物の老朽化の問題があり廃止が検討されたが、2021年4月に開校した短期大学相当の国立小樽海上技術短期大学校に転換することになった[3](校地も2022年移転予定[4])。
沿革
1939年(昭和14年)9月、逓信省所管の小樽海員養成所として小樽市潮見台に創設。1年制で、航海科と機関科の2科がおかれた。
1941年(昭和16年)12月、逓信省の外局として設立された海務院に移管。
1943年(昭和18年)11月、運輸通信省の所管となる。
1945年(昭和20年)5月、運輸省の所管となる。
1952年(昭和27年)8月、小樽海員学校と改称、航海科を甲板科と改称。
1969年(昭和44年)4月、本科(甲板科、機関科)を廃止し2年制の高等科を設置。
1974年(昭和49年)12月、高等科を卒業後、海技大学校の通信教育(普通科A課程)を卒業することで、高等学校卒業と同等の資格が認定されることとなる。
1976年(昭和51年)10月、小樽市桜3丁目に移転。
1986年(昭和61年)4月、高等科を廃し、修業年限3年の本科を設置する。同年7月、本科卒業者は高等学校卒業と同等の資格が認定されることとなる。
2001年(平成13年)1月、国土交通省の所管となる。
2001年(平成13年)4月、独立行政法人海員学校に移行し、国立小樽海上技術学校に改名。
2006年(平成18年)4月、独立行政法人海技教育機構の所管となる。
2019年(令和元年)4月、国立小樽海上技術短期大学校に転換しての存続が決定[3]。本年度から高校相当の当校の生徒募集を停止する。
2022年(令和4年)2月、短期大学校開設に併せて小樽市緑3丁目(旧小樽商業高等学校)に移転[5]。
2022年(令和4年)9月、在学生の全課程修了により閉校[6]。
基礎データ
所在地
〒047-0156 北海道小樽市桜3-21-1
北緯43度10分37秒 東経141度2分54秒 / 北緯43.17694度 東経141.04833度 / 43.17694; 141.04833
積丹半島の南東部に位置する。
交通
JR北海道 函館本線 朝里駅 徒歩25分
JR北海道函館本線 小樽築港駅 徒歩30分
北海道中央バス(おたもい営業所、真栄営業所)海上技術学校下バス停徒歩10分