国別のライドシェア会社の合法性
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国別のライドシェア会社の合法性(くにべつのライドシェアかいしゃのごうほうせい、英語:Legality of ridesharing companies by country)とは、国別のライドシェア企業に対する法的な対応となり、多くの政府や団体、コミュニティがライドシェア会社を管理するための法や規制を確立している。一部の国や地域では営利目的のライドシェア事業は完全に違法である[1]。規制には、運転手の身辺調査[2]、運賃[3]、運転手の人数[4]、免許などの要件が含まれる[5]

タクシーの業界団体は、ライドシェアリング会社は自分たちのビジネスを奪う違法なタクシー事業であると主張している[6][7]。反面、ライドシェア企業に有利な法規制の緩和を政府に求める声もある[8]

ライドシェアリング会社は、オレゴン州の一部、ブルガリアデンマークハンガリードイツなどの国では、法的規制のために禁止されているか、自主的に撤退した。UberPopレベルのサービスは、イタリアフランスオランダフィンランドでは禁止されている[1][9]
国別の合法性
オーストラリア
ドライバーに対するGST支払い義務

2015年5月、オーストラリア国税庁(ATO)は、ライドシェアリング会社を通じて収入を得るドライバーは、オーストラリアのACN(Australian Company Number;企業番号)を取得し[10]物品サービス税(Goods and Services Tax, GST)を支払うために登録する必要があるとする指令を発表した。これを受けUberはオーストラリア連邦裁判所に提訴し、オーストラリア国税庁による公示は「Uberのドライバーパートナーを不当にターゲットにしている」と主張した[11][12]。2017年2月、裁判官はオーストラリア国税庁に有利な判決を下し、ドライバーにGSTの登録、徴収、納付を義務付けた[13]。ATOの判決は75,000豪ドル以上の収益を計上した事業者にのみGSTの徴収と納付を義務付けているが、オーストラリアの他の小規模企業に適用されている基準を覆すものである[14]
オーストラリア首都特別地域

オーストラリア首都特別地域では2015年9月にライドシェアが合法化された。同時に、タクシーやハイヤーの料金が引き下げられ、ライドシェア事業者との競争が可能になった。タクシーは引き続き、タクシー乗り場での業務やハイヤーの排他的権利を有する[15]
ニューサウスウェールズ州

2014年4月30日、ニューサウスウェールズ州交通省は、ライドシェア会社のサービスは、適切に認定されたドライバーによってライセンスを持つタクシーまたはハイヤーで提供される必要があることを明確にした[5]。2014年12月には、ニューサウスウェールズ州政府は4月にUberのシドニーオフィスに対し予告なしの強制捜査を行う[16]

2015年8月には、ニューサウスウェールズ州政府がUberの規制を検討するためのタスクフォースを設立[17][18]。2015年12月17日から、タクシーとライドシェアを利用した乗客は、5年間1回の利用毎に1ドルの課金を行い、タクシーライセンス保有者向けの2億5,000万ドルの補償基金を設立するための資金に充てられている[19]。これはライドシェア業界の成長に伴う業界への財政的影響を緩和することを目的としている。
ノーザンテリトリー

ノーザンテリトリーではで2018年1月にライドシェアは合法化され、タクシー、ミニバス、プライベートハイヤー、などと共に全ての利用に対し1ドルの課金が課せられた[20]
クイーンズランド州

2014年11月中旬、クイーンズランド州タクシーカウンシル(TCQ)は、Uberに対する抗議活動を開始。Uberはこれらの主張に対し釈明を行っている[21]

2016年9月5日、クイーンズランド州でライドシェアは合法化された[22][23]
サウスオーストラリア州

サウスオーストラリア州では2015年1月に開始されたレビューを受け、2016年7月1日、サウスオーストラリア州で合法化された。改革パッケージ案の一環として、タクシー業界関係者に対して補償が確立された結果、都市部では乗車課金制度が導入され、その資金が補償に充てられた。タクシーは引き続き待機場所での運行や路上の利用に対する排他的な権利を有している[24]
タスマニア

タスマニア州では2016年12月に合法化された[25][26]
ビクトリア州

2014年5月6日、ビクトリア州タクシーサービス委員会(TSC)はUberのドライバーに対して1,723豪ドルの罰金を科した[27]。州の役人は、州の交通法を見直すとも述べ、このドライバーに科せられた罰金に関しUberは肩代わりすることを発表した[28]

2015年12月4日、Uberのドライバーがライセンスや登録なしでハイヤー車両を運転したとして有罪判決を受けた。この事件はUberのドライバーに対して提起された12件の訴訟うちの一件目となるものであった[29][30]。しかし、2016年5月18日に控訴し判決が覆された結果、ビクトリア州では実質的にUberは合法化された[31]

2016年8月25日、ビクトリア州政府はライドシェアを合法化する計画を発表。2018年からタクシーライセンスは廃止され、州内すべてのタクシーおよびライドブッキングサービスに対し、8年間にわたる1豪ドルの課金制度が導入され、この資金でライセンス所有者に対し補償が行われる制度である[32][33][34]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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