国会中継
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

韓国の「国会放送」とは異なります。

国会中継(こっかいちゅうけい)は、日本国会の会期期間中に随時放送する中継番組である。現在は日本放送協会 (NHK) の総合テレビラジオ第1が「国会中継」として放送するテレビ番組ラジオ番組。過去にNHK以外の民間放送局が委員会審議を中継した例もある。
NHKの中継

国会中継
ジャンル
報道番組
製作
制作NHK

放送
放送局NHK総合テレビジョン
音声形式モノラル放送
放送国・地域 日本
放送期間1953年 -
放送時間国会開会中
テンプレートを表示

国会中継
ジャンル報道番組
放送方式生放送
放送期間1952年1月23日 -
放送時間国会開会中
放送局NHKラジオ第1放送
テンプレートを表示

概要

会期冒頭の総理大臣演説や代表質問など衆議院と参議院の本会議総理大臣出席時の集中審議などの予算委員会、参議院決算委員会国家基本政策委員会合同審査会(党首討論)、重要法案の審議などが開催される場合に放送する[注 1]

NHKは内閣総理大臣指名選挙衆議院解散の模様も生中継し、これらも国会中継にあたる。内閣総理大臣指名選挙や衆議院解散の中継は、「国会中継」ではなく「NHKニュース」の特別編成として扱う。ニューススタジオのアナウンサーが番組進行役を務め、本会議場からアナウンサーの報告や、VTRやインタビューなどを交えて放送するなど構成も通常の国会中継と大きく異なる。証人喚問参考人招致なども特設ニュースとして中継する場合がある[注 2][注 3][注 4][注 5]。海外首脳の国会の演説も国会中継ではなく、特別番組として放送する。

国際放送のNHKワールド・プレミアムNHKワールド・ラジオ日本は、主に総理大臣演説など本会議場からの中継、党首討論、各国首脳の国会演説などを放送する。NHKワールド・プレミアムは、ノンスクランブルで視聴可能である。初めての国会中継は1952年1月23日でラジオ放送のみであった。テレビは1953年から放送している。

2011年9月からNHKネットラジオ らじる★らじる、2017年10月からradiko[注 6]、2020年3月からNHKプラスで、それぞれネット同時配信を開始した。

かつて、BS2は2011年3月まで開催時間の全てを、BShiは総理大臣の演説を中心とする部分を、それぞれ放送した[注 7]

EPGは番組ジャンルで「ニュース・報道」に分類し、報道番組の一種として扱う。

2018年まで、リアルタイム字幕放送[注 8]を実施していなかったが、2018年秋から所信表明演説と代表質問については字幕放送を開始した。聴覚障害者から字幕放送対象番組の拡充(主に予算委員会や党首討論)を求める声があったほか、新型コロナウイルスに伴うマスクの着用により、声が聞き取りにくいという意見があったことなどを踏まえて、2022年10月3日に開会した第210回国会から予算委員会でも字幕放送を開始した[1]
番組構成

以下はテレビの場合で、ラジオとサイマル放送されている。

中継は冒頭に本会議場あるいは委員会室の映像を背景に「国会中継」のテロップを表示し、アナウンサーが「国会中継です」のアナウンスに続けて、中継する会議名や会議場所、議長あるいは委員長を務める者の氏名などを伝える[注 9]

本会議や委員会の中継は、議長あるいは委員長が開会を告げた後、中継終了まで原則としてアナウンサーは各質問時間の冒頭で質問者[注 10]を紹介する。質疑の最中に議事の進行が止まった[注 11]場合、政治部記者とともに、会議の現在の状況について説明する。一般には「委員会室から審議の様子をお伝えしています」「委員長席の周りに各党の理事が集まって協議しています」の言葉と質問者紹介を繰り返す(本会議は首相の所信表明演説と各党の代表質問演説、代表質問に対する首相の答弁演説だけなので、止まるということはまずない)。開会後も審議開始に先立ち案件を行っているときはアナウンサーによる概要がコメントする。

中継中は画面左上に会議名と国会中継の表示が、画面右下に質問者名とその所属政党が表示するほか、質疑の場合には答弁のごとに冒頭で答弁者の肩書きと氏名を表示する。答弁者が大臣等で複数の職を兼任している場合には、質問内容によってその答弁がいずれの立場からなされるものかが考慮された上で、そのうちの一つの職を肩書きとして表示する。答弁者が参考人である場合に、その者のテロップが用意されていない場合には答弁者の氏名等は表示しない。

中継の最後は、中継した会議名や会議場所など、放送時間に余裕があれば質疑内容等の概略も伝え、最後に「国会中継を終わります」のアナウンスで中継を終了する。
放送時間

放送時間は内容により異なるが、基本的に祝日を除く平日の、午前は9時00分 - 11時54分[注 12][注 13]で、気象情報があるために午前の散会まで中継せずに打ち切る。

BS2は状況により正午を越えて放送する場合があった。午後は13時00分 - 17時00分で、大相撲中継がない場合は総合テレビやラジオ第1も最大18時00分まで延長する。中継時間に本来放送する番組は中止や延期、放送時間を短縮する。

衆参両院の予算委員会に限らず、各常任委員会・特別委員会全体、本会議はそれぞれ土曜・日曜・祝日は開催されないが、2011年大型連休の休日[注 14]は、東日本大震災の復興に関する第1次補正予算案を早期成立するために開催があり中継した。5月1日に開催された第143回天皇賞(春)中継は中止した。2020年4月29日は新型コロナウイルス関連費用が盛り込まれた2020年度第1次補正予算を4月30日までに成立させるために審議が通常より30分早い8時30分から開催されたため、変則的なスケジュールで放送した[2][3][4]

2015年9月17日は参院特別委員会で安全保障関連法案を採決したために中継した。2020年4月7日の衆参議院運営委員会も、この日発令された新型コロナウイルス緊急事態宣言の事前説明のため、特設ニュースで内包して放送した[5][6]
放送時間の変動

国会の委員会等は事前の理事会の延伸などで開始時刻が遅れたり、議論の白熱化などで終了時刻が遅れるなど不確定要素が多いため、国会中継は前後にフィラーを差し込む場合があるなど、実際の放送時間は予定とずれを生じることがある。

事前の理事会の延伸などで開始時間が遅延している場合、中継開始時刻から委員会等の模様を生中継し、アナウンサーが状況報告し、開始が大幅に遅延する場合は「質疑が始まり次第お伝えします」と伝えて質疑の開始までフィラーに切り替える。中継中に会議が暫時休憩となった場合にも同様に対応する。終了時間が延びて放送時間の範囲内で収まらない場合、総合テレビとラジオ第1[注 15]は、13時00分からの中継がない場合は13時00分から[注 16]、その時間帯に午後の国会中継が入っている場合は深夜[注 17]に放送時間の範囲に収まらなかった部分の録画・録音を放送する。その録画・録音放送も、少数会派の質疑についてはなされないことがしばしばである。少数意見を軽視するこのNHKの対応にたいしては批判も多い。

放送時間の範囲に収まらなかった中継の録画・録音を放送する場合、冒頭に国会議事堂の外観の静止画を背景に「国会中継録画」のテロップを出し、アナウンサーが「国会中継です。この時間は(日時・会議名)のうち、中継でお伝えできなかった質疑の模様を録画と録音でお伝えします」とアナウンスし、放送開始時に質問者の所属政党と氏名を伝える。放送の最後は国会議事堂の外観の静止画を背景に「国会中継/終」のテロップを出し、「この時間は(日時・会議名)のうち、中継でお伝えできなかった質疑の模様を録画と録音でお伝えしました。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:49 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef