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車軸懸架(しゃじくけんか)とは、自動車のサスペンション(懸架装置)形式のひとつで、左右の車輪が車軸でつながっているものである。これに対するものは独立懸架である[1]。リジッドアクスル(rigid axle)や固定車軸式等とも呼ばれる[1]。使用するばねにより、リーフスプリング式とコイルスプリング式に大別される。 独立懸架式が左右のサスペンションが個別に往復動することが可能であるのに対し、車軸懸架式では左右の車輪が車軸でつながっているため、互いの影響を受ける。また、アクスルハウジング自体が重く、ばね下重量が大きくなりがちである[1]。しかし、起伏の多い地形では片側の車輪が押し上げられると反対側は強制的に押し下げられるので悪路での接地性能が良く、車体底面を打ちにくくなる利点がある。 古くは古代の原始的な荷車に始まり、ばねを備えた近世・近代の馬車にも一貫して用いられてきた手法で、かつてはほとんどの自動車のサスペンションが前後ともに車軸懸架方式であったが、路面追従性や乗り心地において独立懸架に劣り、乗用車の前輪ではほぼ廃れている[2]。しかし構造が単純かつ堅牢(頑丈)で悪路に強いため、20世紀後半以降、21世紀現在でも主にトラックや大型車両、悪路走行を狙ったスポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)に採用されている。また特に経費と空間に制約がある小型車や軽自動車のリアサスペンションもかつてはこの方式が主流であったが、小型乗用車の前輪駆動が一般化した1980年代以降はトーションビーム式が主流に移行している。 同じ方式でも見方によって呼び方は変わり、メーカーによって定義は様々である。例えばコイルスプリング車軸式もトーションビーム式もトレーリングアームを持っているので、どちらもトレーリングアーム式でもある。トーションビーム式にはむしろトレーリングアーム式独立懸架に近く、フォルクスワーゲンは実際にそう定義している。
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