固体燃料ロケット
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日本初の人工衛星を打ち上げた全段固体式のラムダ4Sロケット固体燃料ロケットの模式図

固体燃料ロケット(こたいねんりょうロケット)は、固体燃料酸化剤を混錬してロケット本体(モーターケース)に充填した固体燃料を使用するロケットである。単に固体ロケットとも呼ばれる。単純なものは主に、モーターケース、ノズル、推進薬、点火装置(イグナイター)で構成される。

液体燃料ロケットとは異なり、使用時にはポンプなどの機械部品で燃料を燃焼室に移送することなくロケット内部の燃料へそのまま点火する。

構造的にはロケット花火を例にすると想像するのに丁度いい。ケースが外側の紙ケース、ノズルが紙ケース下部、推進薬が火薬、点火装置が導火線である。実際ロケット花火も固体燃料ロケットの一種である。
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誘導方法を持たないものも含めれば、歴史は古く、10世紀ごろに中国で作られた火槍火箭(「かせん」と読む。「箭」は「」の意味)がある。これは黒色火薬を燃料とした無誘導弾であり、現代のロケット花火のようなものである。また火薬の調合技術も未発達であり、信頼性は高いとは言えなかった。ただ当時は武器が自らの力で飛翔するということ自体が画期的であり、見たことのない人に対しては、その異様な姿は心理戦に有利であった。モンゴル軍と戦う際も用いられたようである。また、元寇の際も他の火薬兵器と共にモンゴル軍により使用された。火箭についての情報は書物にも残されている[1]

なお現代の中国語では「火箭」と言うとロケットのことである。

その後、龍勢として15世紀以降、各地に伝わり、現在でもロケット祭りとして世界各地で伝承される。18世紀には第二次マイソール戦争などで使用され、19世紀には1804年にウィリアム・コングリーヴが設計開発を行ったコングリーヴ・ロケットやヘールのロケットが開発され、実戦で使用された。

第二次世界大戦時にはRATO(ロケット補助推進離陸)のために各国で開発され、日本でも航空母艦上からの天山流星の短距離発艦を目的として開発されたが、実戦では使用されなかった。

その後シングルベース火薬ダブルベース火薬ができると、ロケット弾や、日本海軍特攻兵器である桜花などの推進薬にも使われた。しかし本格的に大気圏外を飛翔するロケットの推進薬として使用されるようになったのは第二次世界大戦後のことである。

その頃は、ソビエト連邦R-7アメリカ合衆国レッドストーンに見られるように、ロケット(弾道ミサイル)といえば、おおむね液体燃料ロケットが主流であったが、重量対出力比に優れる反面、長期保存や即応性に問題があり、前もって打ち上げ計画を立てる人工衛星打ち上げ用ロケットなどはともかく、万が一に備える必要のある弾道ミサイルとしての使用には欠点があり、その解消の為、開発が進み、弾道ミサイルやロケットなどに使用する為の大型化へとつながっていった。また、小型の対空ミサイル対地ミサイルは、即応性や、部品点数により小型化が困難な液体燃料ロケットでは困難であったため、固体燃料が使われており、この状況は現在でも変わらない。

日本では早くから糸川英夫が率いる東京大学生産技術研究所を源流とする宇宙科学研究所が先駆的な役割を果たしペンシルロケットカッパロケットラムダロケットミューロケット等を開発し、1970年に全段固体ロケットであるL-4Sロケットによって日本初の人工衛星おおすみを打ち上げ、1985年にはM-3SIIロケットによる世界で初めてとなる全段固体燃料ロケットによる人工惑星さきがけを誕生させた。


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