四輪駆動
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四輪駆動(よんりんくどう)とは、自動車などの駆動方法の一種である。4つある車輪すべてに駆動力を伝えて駆動輪として用いる方法のこと。

二輪駆動六輪駆動などと対になる言葉である。
呼称このようなタイヤを5つ以上持つ車の場合、「4WD」と「AWD」では意味が全く異なるフェラーリ・FFは前輪駆動ではなく四輪駆動である

四輪駆動の自動車は日本語では四輪駆動車(よんりんくどうしゃ)、略称して四駆(よんく)と称される。英語ではfour-wheel driveの略で4WD、またはall-wheel drive(総輪駆動、全輪駆動とも) の略でAWD、特に欧州では四輪のうち四輪とも駆動輪という意味で4x4( four-by-four、フォーバイフォー)とも呼ばれる。2本の軸についたタイヤで駆動するため、特にトラックの場合は「二軸駆動」と呼ぶこともある。

一般的なタイヤを4つ備えた自動車を語る場合「4WD」と「AWD」は同義と捉えて問題ないが、5輪以上を装備するトラックなどの自動車では異義語となる。例えば6輪の自動車の場合は「4WD」は欧州流の表記で6x4、「AWD」は6x6とそれぞれ表される。アメリカ国内にかつて「Four Wheel Drive(英語版)」社が存在し、商標登録されていたことから、海外では「4WD」は避けられる傾向にある。

古い四輪駆動関連の用語で「FWD」「FF」という単語が出てくることがあるが、前者は上述した「Four Wheel Drive」社、後者は「Ferguson Formula」(ファーガソン・リサーチ(英語版)社の四輪駆動システム)の略であり、前輪駆動とは一切関係がない。

また古い資料では「Four driven wheels」という表記も見られる[1]

「四駆」「4x4」「4WD」などの語は、日本や欧州では現代でいうクロスカントリー車やSUVといったカテゴリを指す俗称として定着していた時期がある。この場合は4WDは車種の区別、AWDは駆動メカニズムの区別となり、言葉としては比較できない全く違う概念となる。ただし、この時期に乗用車型の4WD車の製造・販売を開始した富士重工(現・株式会社SUBARU)は、逆にこの車種の製造は行っていない(一時期、いすゞ・ビッグホーンのOEM販売をしていたのみ)が、同社の4WD車は車体側面や後方に大きく「4WD」の文字を掲示していた。
概要

自動車に四輪駆動を採用する目的は大きく分けて2つある。

立往生の発生しやすい雪道や泥濘地などの悪路を走破するため。

ハイパワーエンジンの強大なトルクをより路面に伝えるため。
近代的な四輪駆動車の先駆けとなったジープ (Bantam BRC40)

一般的な乗用車や商用車、軍用車、土木・建築用機械、農業用トラクターなどは前者の理由である。特に日本は世界有数の豪雪地域に人口の密な地域が存在し、雪質も湿っていて重いため、他国に比べて四輪駆動の需要が大きい。そのため日本の自動車メーカーは四輪駆動を、セダン、およびミニバン小型車軽乗用車など広く設定し、積雪地(寒冷地)向けの需要を満たしている[注釈 1]。一方、海外では降雪量の多い地域に主要都市は少なく、雪質は乾燥してサラサラしている上、平坦な道の移動が多い。また北欧ではスパイクタイヤが認可されており、四輪駆動車の需要は日本に比べ限定的である[2]

四輪駆動を採用する2つ目の理由、スポーツ性を重視した高出力な車種に搭載される場合も近年増えてきている。アウディクワトロで世に問い、他のメーカーが追従し、現在の日産・GT-Rランボルギーニの各モデルなどに至る発想である。後述の「SPYKER」はこのスポーツ性を重視した最初の四輪駆動自動車の一つである。

エンジン搭載位置は他の駆動レイアウト同様ほとんどがフロントエンジンで、前車軸がエンジン重心よりも後ろにあるものも多い[注釈 2]
センターデフの有無による特性の違い

車体が旋回する際、外側と内側のタイヤに回転差が発生するが、一般的な自動車はデファレンシャルギア(デフ、差動装置)を備えており、エンジン出力を2つの異なった回転速度に振り分け、駆動輪がスリップを起こすことを防いでいる。二輪駆動車は左右一対の駆動輪のためにデフを1つ備えているが、四輪駆動車では前輪の一対および後輪の一対のために少なくとも2つ必要になる。前後輪間で車体が折れて操舵する建機などを除けば、さらに前輪と後輪の間でも内輪差が生じるため、エンジン出力が前後のデフに向かう前に、前後輪の回転差を吸収するための機構が必要となる。

その機構の代表例がセンターデフである。また現代では前輪駆動をベースとする四輪駆動車については、電子制御を用いたカップリング機構によってセンターデフの機能を代替する場合も増えている。現代の四輪駆動の乗用車のほとんどは、このいずれかを装備している。これらは1つの出力を4つの異なった回転速度に振り分けている。

ただしこれらの機構は設計が複雑化しやすいことに加え、常に動力とトランスファーを直結させているため、燃費が悪化しやすい。そのため燃費・経済性を重視する商用車や、メカニカルな雰囲気を重視した趣味性の強いクロスカントリー系のSUVなどは、手動スイッチでトランスファーへの直結・切り離しをすることで二輪駆動と四輪駆動の切り替えを行い、センターデフなどを省く「パートタイム式」が多い。

パートタイム式では、舗装路で四輪駆動として走行する場合、旋回時に前後輪の内輪差によってどちらかが強制的にスリップを起こすため、ブレーキが掛かったような現象に見舞われ、マニュアルトランスミッション車では低速時にエンストすることもある。これは「タイトコーナーブレーキング現象」と呼ばれる。また低速で小回りなどをした場合は小刻みにスリップが発生するため、車体全体が不快な振動に見舞われることがある。これらは故障の原因となりうるため、雪上や深い砂利道のような摩擦の低い路面以外では四輪駆動とするのは実質的に不可能である。
一般的な長所・短所

二輪駆動と比べた場合の長所と短所について述べる。
長所

最大の長所は
トラクションである。具体的には牽引力(英語版)が大きく向上する。特に駆動力がタイヤのグリップ力(路面との摩擦力)を上回り、空転が発生しやすい路面では、各タイヤのトレッドにかかる駆動力を分散させることができる。このため悪路でのスタックからの脱出や安定した走行が容易となる。このとき路面を深掘りして荒らしたりする必要がないのも美点となる。また舗装路上で二輪駆動ならタイヤが空転しそうなほどの高出力エンジンでも、タイヤの性能が許す限り地面に力を伝えることが可能となる。

エンジンブレーキによる制動力も四輪に分散されるため、ホイールロック(タイヤ滑走)までの限界が高く、ロックからの回復も早い。

前輪駆動と比較した場合、リアの駆動系の重さの分だけ荷重が前に偏りすぎず、前輪タイヤの負担も軽減される。

後輪駆動と比較した場合、総じて直進安定性に優れる。

トルクベクタリング式(後述)の場合、前輪駆動と比較してコーナーリングの性能と質感に優れる。

短所

駆動系が追加される分、構造の複雑さと重量の増加に由来するデメリットが多い。

製造のコストが高くなるため、二輪駆動モデルに比べて車両価格もその分高くなる。

重量と
抵抗が増えるため燃費が悪化する。燃費の悪化具合と重量の増加具合では、エコカー減税や重量税など税制面で不利となることもある。

ブレーキングでの制動性能は二輪駆動と比較して同等以下で、重量が重い分制動距離が延びやすい。

デフを内蔵するライブアクスルでは、ばね下重量も増加し、路面追従性や乗り心地にデメリットを生じやすい。

ドライブシャフトギアの追加は騒音面で不利となる。

デフオイルの交換は前後2箇所で必要となる。

設計の自由度が下がる。例えば小型車では、室内容積や駆動系のスペースを納める都合上、サスペンションを変えなければならない場合もある。

歴史

最初の四輪駆動車は、1805年にアメリカメリーランド州のオリバー・エバンスが製作した浚渫船(しゅんせつせん)だとされている。浚渫船を製造した工場から陸路を輸送するために、船に車輪が取り付けられ、蒸気機関の動力をベルトで前後輪に伝えることで走行した。それ以降も蒸気機関を使用した四輪駆動車は製造された。1824年イギリスロンドンでウィリアム・ヘンリー・ジェームズによって作られた蒸気自動車は、四輪それぞれにシリンダーを持ち、デフを用いずに各輪の回転差を吸収するようになっていた。

電気モーターを使用した四輪駆動車も1900年ごろ作られている。フェルディナント・ポルシェが開発した「ローナーポルシェ」は、インホイールモーターと呼ばれる、各輪のハブに駆動用モーターを内蔵する方式で四輪駆動としていた[注釈 3][3]ガソリンエンジンを用いた初の四輪駆動車SPYKER

ガソリンエンジンを使用した四輪駆動車は、1902年オランダのスパイカー兄弟によって作られた「SPYKER」が最初である。この車は、前進3速・後進1速のトランスミッションと、2速のトランスファーおよびセンターデフを介し、四輪を駆動する設計で、現代のフルタイム式四輪駆動車と基本が同じという画期的なものであった。

1903年には、ダイムラーの子会社であるオーストリア・ダイムラー社で、四輪駆動装甲車が開発された。この車は装甲と37 mm機関砲を装備した砲塔を持ち、前進4速・後進1速のトランスミッションとトランスファーを介して四輪を駆動した。またダイムラー本体でも、ドイツの植民地だったナミビアの駐在員のベルンハルト・デルンブルクの生活の足のために、1907年に四輪操舵の四輪駆動車「デルンブルク・ワーゲン」を開発。ダイムラー・ベンツとなった後、1926年からトラックや軍用に4×4や6×4、6×6、8×8などの駆動システムを開発して技術を洗練させていった。これが現在のGクラスウニモグにも繋がっている[4]ダイムラーのデルンブルグ・ワーゲン

アメリカでは1905年にトライフォード・モーターカンパニーが製造したのが最初だが、大量生産に成功したのはフォー・ホイール・ドライブ(FWD)社であった。同社の3トンの「モデルB」は、第一次世界大戦中はジェフリー・モーター・カンパニー(ランブラー自動車の当時の社名)は四輪駆動トラックの設計・製造するクワッド・トラック(Quad Truckまたはジェフリー・クワッド、ナッシュ・クワッド)と共に、欧州で戦う連合軍に提供され、ジョン・パーシング指揮の下、重量級軍用用途に用いられた。四輪駆動に四輪ブレーキ・四輪操舵まで兼ね備えたナッシュ・クワッドは15年に渡って4万台以上が製造された。

なおフォード・モデルTにおいても1910年代以降に四輪駆動キットが販売され、四輪駆動化された車輌があったが、これは、走破性向上のためというよりも、もっぱら駆動輪である後輪にしか働かないエンジンブレーキを前輪にも作用させるためであった。九五式小型乗用車

日本においては1935年頃、前年に帝国陸軍が依頼し日本内燃機が開発した九五式小型乗用車(くろがね四起)が登場した。九五式小型乗用車はアメリカ軍ジープに先駆けて開発・量産された日本初の実用四輪駆動車であり、1936年から1944年まで計4,775台が生産され、日中戦争ノモンハン事件太平洋戦争などで偵察・伝令・輸送用に幅広く使用された。

1941年、アメリカにジープが登場した。ドイツ軍キューベルワーゲン(二輪駆動車。1940年頃登場)に相当する軍用車両として、アメリカ陸軍の仕様に対し各社の試作の中からバンタム(英語版)社の案が採用されたものだった。バンタム社は当然自社での生産を望んだが、実際には生産設備の規模や品質からほとんどがウィリス(英語版)社とフォード社に発注され製造された。ジープは戦場の悪路を走破するための自動車として有益であることが第二次世界大戦で実証され、大量生産を経て連合軍に供給され世界各地を走破した。ジープの活躍はそのため世界各地で注目を呼んだ。日本でも陸軍が南方戦線で鹵獲したバンタム・ジープを日本に持ち帰り、「ボディは似せないこと」という注文付きで製作するようトヨタ自動車に依頼したが、まもなく敗戦となった。この戦争自体は不幸なものだったが、結果的には四輪駆動に必要なデファレンシャルギアや等速ジョイントの技術を大きく進歩させることとなった。フォード・F-150

戦後は軍用で磨かれた四輪駆動システムを民間のトラックや市販車市場に流用する動きが活発になった。特に米国ではジープが躍進し、GMとフォードもピックアップトラックやSUVなどでこれに追随。現在まで続くシボレー・ブレイザーフォード・ブロンコ、Fシリーズなどが生まれた。

カイザー・ジープ社は、ジープの四輪駆動技術をステーションワゴンに搭載したジープ・ワゴニアや、そのV8エンジン版となるスーパーワゴニアを発売した。その後もジープは親会社を転々と変え続けながら、米国のアウトドアブームに乗ってAMC・イーグルジープ・チェロキーといった四輪駆動車のヒット作品たちを世に送り出すことになる。


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