四元数
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四元数の単位の乗積表×1ijk
11ijk
ii−1k−j
jj−k−1i
kkj−i−1

数学における四元数(しげんすう、: quaternion)とは、複素数を拡張した体系であり、虚数単位 i, j, k を用いてa + bi + cj + dk

と表せる数のことである。ここで、a, b, c, d は実数であり、虚数単位 i, j, k は以下の関係を満たす。 i 2 = j 2 = k 2 = i j k = − 1 {\displaystyle i^{2}=j^{2}=k^{2}=ijk=-1}

このとき 1, i, j, k は実数体上線型独立である。

四元数は純粋数学のみならず応用数学、特に3Dグラフィクスコンピュータビジョンにおいて三次元での回転の計算(英語版)でも用いられる。これはオイラー角回転行列あるいはそれらに代わる道具などとともに、必要に応じて利用される。

四元数についての最初の記述は、1843年アイルランドの数学者ウィリアム・ローワン・ハミルトンによってなされ[1][2]3次元空間の力学に応用された。

四元数の特徴は、積について非可換であることである。ハミルトンは、四元数を三次元空間内の二つの有向直線の商として定義した[3]。これは二つのベクトルの商と言っても同じである[4]。四元数をスカラーと三次元のベクトルとの和として表すこともできる。

なお、虚数単位i,j,kについても非可換であることが知られている。

現代数学の観点からは、四元数全体からなる集合は、実数上の4次元結合的ノルム多元体であり、またそれゆえに非可換整域となる。歴史的には四元数の体系は、最初に発見された非可換多元体である[5]。四元数全体の成すこの代数は、ハミルトンに因んで H(あるいは黒板太文字で ℍ)と書かれる。またこの代数を、クリフォード代数 C?0,2⁡(R) ? C?03,0⁡(R) として定義することもできる。

この代数 H は解析学において特別な位置を占めている。というのも、フロベニウスの定理に従えば H は実数全体 ? を真の部分環として含む有限次元可除環の2種類しかないうちの一つ(もう一つは複素数全体 ?)だからである。

従って、単位四元数は三次元球面 S3 上の群構造を選んだものとして考えることができて、群 Spin⁡(3) を与える。これは 2次特殊ユニタリ群 SU⁡(2) に同型、あるいはまた SO⁡(3)(英語版)の普遍被覆に同型である。四元数数の単位の積を四次元空間の 90° 回転として視覚的に表現したもの。ij = k, ji = −k, ij = −ji
歴史ダブリンのブルーム橋にある四元数を記念する盾(.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯53度22分23秒 西経6度18分00秒 / 北緯53.37299度 西経6.30008度 / 53.37299; -6.30008)。碑文には.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}Here as he walked by
on the 16th of October 1843
William Rowan Hamilton
in a flash of genius discovered
the fundamental formula for
quaternion multiplication
i2 = j2 = k2 = ijk = −1
& cut it on a stone of this bridge(1843年の10月16日、ここを通りかかったウィリアム・ローワン・ハミルトンは、天才の閃きを以って四元数の乗法の基本公式(略)を思いつき、この橋の石にそれを刻んだ)とある。

四元数の成す代数系は、1843年ウィリアム・ローワン・ハミルトンによって導入された[6]。これにはオイラーの四平方恒等式(1748年)やオリンデ・ロドリゲス(英語版)の四つの径数を用いた一般の回転のパラメータ付け(英語版)(1840年)などを含む重要な先駆的研究があったが、何れもその四径数回転を代数として扱ったものではなかった[7][8]ガウスもまた1819年に四元数を発見していたのだが、そのことが公表されるのは1900年になってからのことである[9]

ハミルトンは複素数座標平面におけるとして解釈できることを知っていて、三次元空間の点に対して同じことができる方法を探していた。空間の点はそれらの座標としての数の三つ組によって表すことができ、ハミルトンはそれらの三つ組に対して加法や減法をどのようにすべきかはずっと前から分かっていたのだが、乗法と除法をどう定めるかという問題については長く行き詰ったままであった。ハミルトンは、空間における二点の座標の商をどのように計算すべきかを形にすることができなかったのである。

四元数についての大きな転換点がついに訪れたのは、1843年10月16日の月曜日、ダブリンにおいてハミルトンが理事会の長を務めることになるアイルランド王立アカデミー(英語版)への道すがら、妻とともにロイヤル運河(英語版)の引き船道に沿って歩いているときであった。四元数の背景となる概念が頭の中で形になり、答えが明らかになったとき、ハミルトンは衝動を抑えられずに、四元数の基本公式 i 2 = j 2 = k 2 = i j k = − 1 {\displaystyle i^{2}=j^{2}=k^{2}=ijk=-1}

を、渡っていたブルーム橋(英語版)の石に刻みつけた。

次の日ハミルトンは、友人でフェロー数学者であったジョン・グレイヴスへ宛てて、彼の発見へと至る一連の道筋をしたためた書簡を記している。この書簡は後に London, Edinburgh, and Dublin Philosophical Magazine and Journal of Science, vol. xxv (1844), pp.489-95.[10]で公表されている。この中でハミルトンは、

原文邦訳
And here there dawned on me the notion that we must admit, in some sense, a fourth dimension of space for the purpose of calculating with triples ... An electric circuit seemed to close, and a spark flashed forth.そしてここで、三つ組を計算するという目的のために、空間の四番目の次元を我々はある意味で認めねばならないのだという考えが、私に光をもたらしたのだ… 電気回路が閉じて(つながり)、目の前に火花が散ったかのようだった。

と述べている。ハミルトンは、これらの乗法規則を備えた四つ組を quaternion と呼び、残りの人生の大半をその研究と教育にささげた。ハミルトンによる取り扱い(英語版)は、四元数の代数的性質を強調する現代的なアプローチよりも幾何学的なものである。ハミルトンは "quaternionists" の学校を設立し、数々の本で四元数の普及を図った。最後にして最長の本が Elements of Quaternions(『四元数原論』)で800 ページにも及ぶ(出版されたのは彼の死後少ししてからである)。

ハミルトンの死後も弟子のテイトが四元数の振興を続けた。同時に、ダブリンでは四元数が試験の必須題目になっていた。物理学と幾何学の主題においては、今日ではベクトルを用いて記述するような空間の運動エネルギーマクスウェルの方程式などが、まったく四元数の言葉で記述されていた。四元数やほかの超複素数系を専ら研究するプロの研究機関である四元数学会(英語版)さえ存在した。

1880年代の半ばごろから、ギブスヘヴィサイドヘルムホルツらの創始したベクトル解析によって四元数は取って代わられるようになる。


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