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火山噴火
噴火(ふんか、英: eruption)とは、火山からマグマや火山灰などが比較的急速[1]に地表や水中に噴き出すことである。
火山活動(かざんかつどう、英: volcanic activity)の一つで、マグマの性質によって、規模や様式に様々なものがある。
気象庁では、火口から固形物が水平あるいは垂直距離でおよそ100 - 300mの範囲を越したものを「噴火」として記録することになっている[2]。
アラスカのリダウト山の大噴火
噴火は、様々な条件下で種々の様式をとる。 火山学者は、これを、代表的なタイプに分類し、命名している。 [3][4][5]様式名英名イメージ激しさ噴煙頂部の高さ時間スケール主な噴出物主な形成される地形[注 1]主な岩石[注 2]備考
噴火様式
噴火様式一覧
水蒸気噴火phreatic eruption爆発的10km以下程度数時間?1日水蒸気・水・火口周辺の固形物マール-火山活動によって熱せられた地下水や水蒸気が、地表の固形物を吹き飛ばして急激に放出され、本質物を含まないイベントを水蒸気噴火・或いは水蒸気爆発という。しばしば火口噴出型のラハールを伴う。
マグマ水蒸気噴火phreatomagmatic eruption爆発的数km?10km以上数時間?数日水蒸気・火口周辺の固形物・火山豆石・ベースサージマール・タフリング玄武岩?流紋岩火山活動によって熱せられた地下水や水蒸気が、地表の固形物を吹き飛ばして急激に放出され、本質物をある程度含むイベントをマグマ水蒸気噴火・或いはマグマ水蒸気爆発という。ウルトラブルカノ式噴火(英: Ultravulcanian)、スルツェイ式噴火(英: a Surtseyan)とも呼ばれ、特に大規模なものは水蒸気プリニー式噴火(英: Phreatoplinian)と呼ばれる。
ハワイ式噴火a Hawaiian非爆発的-?数十年溶岩流スパター丘・溶岩流玄武岩苦鉄質マグマ
溶岩ドームlava dome非爆発的-?数年溶岩ドーム・火砕流溶岩ドーム流紋岩・デイサイト珪長質マグマがゆっくりと噴出・火口上に蓄積しドーム状に成長したもの。しばしば一部或いは全部が崩壊してblock-and-ash flowタイプの火砕流が発生する。頂部が平坦なものは溶岩平頂丘と言われる。
ストロンボリ式噴火a Strombolian爆発的
非爆発的数十?数百m
数千m以下数秒
断続的スパター
スコリア・溶岩流スコリア丘玄武岩
安山岩狭義では、苦鉄質マグマの火山で赤熱溶岩片が火口から瞬間的かつ周期的に放出にされ、火山灰はほとんど伴わない噴火を指す。広義では、噴煙の高さが1000m程度以下でスコリアや溶岩流を主体としてスコリア丘を形成するような噴火を指す。
ブルカノ式噴火a Vulcanian爆発的10km以下数秒?数分火山砕屑物火砕丘・降下火砕物安山岩噴煙を形成するよう爆発的な噴火が瞬間的に、一定の間隔で発生する。
準プリニー式噴火Subplinian爆発的10km以下数時間?数日火山砕屑物火砕丘・降下火砕物安山岩・デイサイト連続的で爆発的な噴火が数時間?数日継続する噴火。噴煙は成層圏には達せず、プリニー式噴火と比べると噴出率は低い。ベスビオ式火山(英: a Vesuvian)とも呼ばれる。
プリニー式噴火Plinian爆発的10km以上数時間?数日火山砕屑物降下火砕物・火砕流台地流紋岩・デイサイト連続的で噴煙が成層圏に到達するような爆発的な噴火が数時間?数日継続する噴火。しばしば噴煙柱崩壊型の火砕流が発生する。プリニー式の中でも特に大規模(噴出率が高い)なものは、超プリニー式噴火(英: ultraplinian)、破局噴火(英: super-eruption)などともいわれる。
マグマ噴火マグマ(本質物質)が直接地表に噴出する噴火をマグマ噴火という。
ハワイ式噴火
キラウエア山、マウナ・ケア山など、ハワイ島の火山でよくみられる噴火様式。流動性が高く、揮発性成分が少ないマグマが起こす噴火。爆発は起こらず、大量の溶岩が高速で流出する。
ストロンボリ式噴火
イタリアのストロンボリ火山でよくみられる噴火様式。ハワイ式噴火より少し流動性の低いマグマが、間欠的に小爆発を繰り返し、スコリアや火山弾を放出する。液体状の溶岩流も見られる。
ブルカノ式噴火
ストロンボリ火山に近いブルカノ火山でよくみられる噴火様式。流動性が低い粘性が高い安山岩質マグマの場合に多く、近年における桜島や浅間山の噴火に相当。爆発に伴って、火山灰、火山礫、火山岩塊を大量に噴出する。溶岩流は、半ば固化した塊状溶岩(ブロックラバー)となって、流動速度は遅い。ブルカノという名称は、英語の Volcano(火山)の語源となった。ちなみに、日本の火山はこの噴火が最も多い。
プレー式噴火(プリリー式噴火)
成長中の溶岩ドームがプリニー式噴火など爆発的な噴火によって破壊され、block-and-ash flowタイプの火砕流が発生する噴火。ムラピ山(2006年)、セント・ヘレンズ山(1980年)など。語源となったプレー山(1902年)はプリニー式噴火。
プリニー式噴火
ローマ時代のポンペイ、ヘルクラネウムなどを埋めたことで有名な、79年のヴェスヴィオ火山の噴火の様式。この噴火を詳細に観察し、後世に記録を残したプリニウスにちなんで、プリニー式と命名された。