嘘喰い
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嘘喰い
ジャンル
青年漫画
ギャンブル
バトルアクション
サスペンス
漫画
作者迫稔雄
出版社集英社
掲載誌週刊ヤングジャンプ
レーベルヤングジャンプ・コミックス
発表期間2006年24号 - 2018年3・4合併号
巻数全49巻
話数全539話
漫画:嘘喰いと賭郎立会人
作者迫稔雄
出版社集英社
掲載誌週刊ヤングジャンプ
レーベルヤングジャンプコミックス
発表期間2021年45号 - 2021年52号
巻数全1巻
話数全8話
その他連載時タイトル:
『嘘喰い -立会人 夜行妃古壱-』
OVA
監督富沢和雄
発売日2012年10月19日
その他単行本26巻限定版に付属。
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『嘘喰い』(うそぐい)は、迫稔雄による日本漫画作品。2006年24号から2018年3・4合併号まで『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて連載された。2022年7月時点でシリーズ累計発行部数は1000万部を突破している[1]。一部エピソードのOVA化も行われている。

2016年5月には連載10周年を記念して、実写映画化が発表された[2]。2022年の公開を記念して、2021年にはスピンオフ漫画『嘘喰い -立会人 夜行妃古壱-』(うそぐい たちあいにん やこうひこいち)が『週刊ヤングジャンプ』にて連載され、2022年に『嘘喰いと賭郎立会人』(うそぐいとかけろうたちあいにん)のタイトルで単行本が刊行された。
概要

「嘘喰い」の異名を持つ天才ギャンブラー・斑目貘を中心に、絶大な権力を持つ秘密組織「賭郎」(かけろう)の下でギャンブルやゲームを行い、個性的な登場キャラクターたちが生死を賭けた頭脳戦を繰り広げる。

いわゆるギャンブル漫画であるが、頭脳戦だけではなく、暴力や権力にも重点が置かれているのが特徴であり、高度な駆け引きや心理戦のほかに、迫力のある戦闘シーンも多く、格闘漫画(アクション漫画)としての一面もある。
あらすじ

多重債務者でパチンコ屋に入り浸る冴えない青年・梶隆臣はパチスロの演出がわからずに戸惑っていた同世代の青年・斑目貘にアドバイスする。それによって大勝ちできたという貘は恩返しとして梶の債務整理や返済を手伝い、その過程の中で梶は貘が凄腕のギャンブラーであると知る。さらに梶は命すら対価にするギャンブルや、それを成立させるために立会人を派遣する中立の秘密組織「賭郎」(かけろう)の存在を知らされる。そして、貘の正体はかつて賭郎で「嘘喰い」と呼ばれ、恐れられた天才ギャンブラーであり、かつ、賭郎の長・お屋形様の座を奪い取る大勝負「屋形越え」に敗れ、すべてを失った男であった。貘は梶を相棒として、力を取り戻し、再び「屋形越え」に挑むべく、行動を起こす。
賭郎への復帰

貘と梶は不動産王の老人・九重の誘いで、彼が主催する廃ビル脱出ギャンブルに参加することを決める。しかし、それはギャンブルとは名ばかりの九重側が一方的な殺人を楽しむための代物であった。賭郎会員であった九重の依頼を受けて、ベテラン立会人の夜行妃古壱が派遣され、彼は貘が嘘喰いであることに気づくと、賞金1000万円の他に賭郎会員権を賭けることを認める。ゲームが始まると貘は巧みに九重側を騙し、彼の手下たちを仕留めていく。切り札のロデムことマルコも破られ、九重はビルの所有権といった全財産を奪われて完敗する。こうして貘は賭郎会員権と、自らの暴となるマルコを手に入れることに成功するが、自分ではなく梶を会員にする(廃ビル脱出ゲーム編)。

貘は梶の会員権を利用して別の会員との勝負の手配を賭郎に依頼し、現在無敗中の国際的なテロリスト・佐田国一輝との勝負が決まる。賭郎が所有する富士山麓の廃坑を舞台に、敗者は首を吊られて死ぬババ抜き「ハングマン」勝負となる。その裏では首都圏に対するミサイル攻撃によるテロを計画していた佐田国であったが、その背後にはさらにお屋形様や国際的な犯罪組織アイデアルなど様々な勢力の思惑が交差していた。貘は佐田国のトリックを見破って劇的な勝利を収め、テロも防ぐ。佐田国の会員権を手に入れて正式に賭郎に復帰した貘は、同時にかつての自分の専属立会人で、元零號の伽羅も仲間に引き入れる(廃坑のテロリスト編)。
Lファイル争奪戦

貘と梶は、雪井出薫が主催する元手はいらずに大金を得られるという、卓上ゲーム「ラビリンス」を基にした「0円ギャンブル」に参加する。しかし、その正体は警察が、賭郎を利用して自分たちが隠蔽した迷宮入り事件の濡れ衣を着せるというものであった。負けた梶は奥多摩廃屋猟奇殺人事件の罪を擦り付けられ、伽羅や彼の元雇い主・カールと共に警察の捜査から逃亡する。一方、貘は雪井出のトリックを見破って完勝し、かつての「屋形越え」によって生じていた命の取立ての可能性を無くすことにも成功する。この事態を収拾するため、ギャンブルを管理するキャリア警察官僚の天真征一は貘に追加の勝負を持ち掛け、立会人・門倉は、警察庁地下の迷宮を使ったゲームを考案する。アクシデントが発生しつつも、これに勝利した貘は、天真が管理していた警察が隠蔽した事件の詳細が記されたLファイルを手に入れる(迷宮のミノタウロス編)。

一方、梶は自分の力で問題を解決しようとし、殺人事件の真犯人が羽山郁斗であることを突き止める。羽山を騙して無罪の証拠を手に入れようとする梶の策は失敗してしまうものの、羽山が主催するファラリスの雄牛を使った秒のカウントゲームに勝てば、証拠をもらえることになる。焼き殺される恐怖の中で梶は土壇場で羽山のトリックを見破り、自分の力のみで逆転勝ちする(雄牛の子宮編)。
「屋形越え」の条件集め

貘は、Lファイルの情報を使って人気テレビ番組「KY宣言」の司会、緒島ケンタを脅し、番組を乗っ取る。ファイルに記された犯罪者たちを密かにゲストとして集め、彼らが暴露を防ぐために争うマキャベリスト・ゲームを実施する。隠蔽に関わった賭郎も番組の妨害に挑もうとするが、結局、すべては貘の思惑通りに進み、ゲームを利用して「屋形越え」に必要な500億円も手に入れる(KY宣言編)。

しかし、貘の狙いは「屋形越え」に必要な「搦手」も集めることであり、旧電波塔であった帝国タワーをジャックし、「KY宣言」の放送を基にLファイルに記された権力者たちを脅す。同時に貘は「屋形越え」の「専属立会人が零號であること」の条件も満たすために自身の専属立会人となった妃古壱に、零號を目指すように発破をかける。密かに「屋形越え」の権利の横取りを企んでいた鞍馬蘭子も介入し、貘は彼女の部下の捨隈と「血の教誨師ドティの部屋」で戦うこととなる。しかし、捨隈の正体は賭郎の乗っ取りを企むアイデアルの工作員であり、ボスの側近であるクレイグも現れる。賭郎と警察機構や密葬課、妃古壱の號奪戦、様々な勢力の思惑が同時展開され、最終的に貘は勝利する。しかし、アイデアルはゲームの影で貘の500億円を奪い取り、彼の「屋形越え」は先の話になってしまう(業の櫓編)。
行方不明のお屋形様

現お屋形様こと切間創一は定期的な記憶喪失の発作という持病を抱えており、先の業の櫓編の終わりにおいて発症し、行方不明となっていた。創一は表向きの肩書きである蜂名直器を知る、防衛省職員の大船と再会し、彼が捜査中の防衛省機密漏洩事件を手助けすることを決める。手掛かりとなる城道から密輸船の船長レーシィの存在を知った2人は彼の船へと乗り込む。一方、梶もまた敏腕記者の横井に巻き込まれ、彼を手助けする形でレーシィの船へとやってきていた。大船や梶らを捕らえたレーシィは、船の出航と事件の証拠を賭けて、自身が得意とする大型画面でのバトルシップゲームで大船と戦う。梶や蜂名の支援で強烈な巻き返しをはかるも、結果として敗北する大船であったが、レーシィを狼狽させ、梶らと共に船から脱出することに成功し、蜂名の工作で密輸船も沈没する(バトルシップ編)。

不意のお屋形様の記憶喪失に備えて賭郎では、創一が、ある古本屋で絵本『はちの王子さま』を注文し受け取るという仕組みがあった。それを思い出した創一は古本屋に赴くが、そこでかつて会った青年・貘のことを思い出す。かつて同様に記憶喪失に陥った創一は、絵本を注文しようとするが、貘との勝負に負けて絵本を奪われたことがあった。そこで創一は貘に付きまとうようになり、貘は彼をハルと呼び始めた。当時の貘は最初の「屋形越え」に挑む条件を揃えている最中であり、自分がお屋形様と知らないハルもそれを手助けする。ハルは貘に並び立ちたいと思い、有名な賭郎会員の梟との勝負を貘の代理という形で勝手に受け、敗北した。しかし、立会人の栄羽が身代わりに命を落とすことで助かり、ハルは記憶を取り戻す。そして、貘の屋形越えに、お屋形様として立ちふさがり完勝したが、興醒めだとして命の取り立ては保留した(過去編)。
屋形越えの権利を賭けた戦い

古本屋にて蜂名こと記憶を失った創一は貘と再会する。その後、記憶を取り戻した創一に、アイデアルの首領ビンセント・ラロが連絡してくる。そこで創一は彼を呼びだし、貘・創一・ラロの三人が一堂に会する。立会人・弥鱈の下で、貘とラロの屋形越えの権利を賭けた「卍(ばん)勝負」が決定し、場所は孤島で現実に再現されているMMORPG「プロトポロス」、呼べる仲間は4人、期間は12月31日までの24日間とし、勝利条件は最後の日に最高位の「皇帝(カイザー)」になることと決まる。貘は仲間の一人に創一を指名し、彼はこれを受け、ゲームではハルと名乗る。

貘は梶・マルコ・伽羅の協力を得ながら、プロトポロスのゲームや各立会人が企画したギャンブルで勝ち、ラロの仲間たちを敗退させていく。そして、期間中盤においてゲームのルールを利用してラロが必ず敗北する事態に追い込むも、ラロもまた島外から武装した仲間たちを呼び寄せ、プロトポロスという場自体を歪め、逆転を目指す。勝負は最後のエア・ポーカー勝負で決まることとなり、貘は創一と協力し、ラロと梟のチームに勝利し、屋形越えに挑む権利を手に入れる。また、この勝負によって創一は自分の身体能力をコントロールする術を身に着け、「完璧」になったとして、貘の挑戦を真っ向から受ける決意をする(プロトポロス編)。
屋形越え

屋形越えを行うにあたって、その立会人は一人のみとされ、屋形越えの立会人を決めるハンカチ集め勝負が行われることとなる。立会人らはそれぞれの思惑や動機を腹に抱え、戦い合う。號奪戦からの連戦で負傷中の妃古壱は、圧倒的に不利な状態ながら、門倉を利用した賭けに勝ち、屋形越えの立会人となることが決まる(ハンカチ集め編)。

1月1日、運営者やプレーヤーたちは去った島内において、貘と創一は妃古壱が創案した究極の読み合い、ハンカチ落としをベースにした臨死ゲームで雌雄を決することになる。互いが己の総力を使って、読み合い、騙し合いを繰り出す中で、屋形越えが1月1日になることなど、実は最初からすべてを仕組んでいた貘が勝つ(ハンカチ落とし編)。
ヴィゾームとの戦い

新しいお屋形様となった貘は、先の戦いで手に入れたラロの全財産から、彼も所属していたヴィゾームという国際的な犯罪シンジケートの存在を知る。そこで貘はシンバなど、ヴィゾームの幹部たちを順番にギャンブルで倒していくが、その最中にヴィゾーム創始者で貘とよく似た容姿のゴーネンに敗れ、直後の心臓発作で倒れる。

蘇生措置により、実は生きていた創一は、貘の後を継ぎ、再びお屋形様として立ち上がってヴィゾームに挑む決意をする。こうして、創一は、貘をも倒したゴーネンの前に立つ。

一方、その裏では生きていた貘が梶やマルコと共に何かを企てていた。不明瞭な貘の指示に梶をその意図を聞くが、貘がプランAと回答したところで物語は終わる。



登場人物

声の項はVOMIC版 / OAD版 / パチンコ版の声優。相違しない場合は省略。演の項は実写映画版の俳優。また、廃坑のテロリスト編は廃坑編、迷宮のミノタウロス編は迷宮編と略す。
主要人物
斑目 貘(まだらめ ばく)
声 -
森川智之 / 勝杏里[3] / 宮健一[4] / 演 - 横浜流星[5]主人公。凄腕のギャンブラー。通称「嘘喰い(うそぐい)」。B型。かつて15歳で「賭郎」の会員となり、他の会員たちを蹂躙した天才ギャンブラーの青年。後述する屋形越えの失敗によって長らく姿を消していた。虚弱体質でこそあるが、並外れた頭脳と観察力を持ち、駆け引きも一流。セカンドディールなどのイカサマ技術、声帯模写といった技も持つ。その上で、最初から圧倒するのではなく、あえて相手のイカサマやブラフ、嘘に乗った上でそれを利用しての完全勝利を求める癖がある。一見すると、相手の術中にハマって窮地に陥っているように見えても、実のところすべて見抜いていたり、自身の大仕掛けを行うためのブラフであり、「相手のブラフ(嘘)を全て喰い尽す」ことから「嘘喰い」と呼ばれるようになった。勝利後の相手に言い放つ「あんた、嘘つきだね」が決め台詞。物語開始の数年前となる2001年4月9日に屋形越えに挑んで失敗した過去を持つ。屋形越えの敗北者は即時命の取り立てがルールのところ、勝負内容に興醒めした創一によって執行を保留された状態となり、姿を消していた。本編開始後、梶を相棒として再び裏社会に現れ、再度の屋形越えに挑むべく行動を始める。廃ビル脱出ゲームで賭郎会員権とロデムを得る、廃坑編で正式に賭郎に復帰し伽羅を味方につける、迷宮編で屋形越えの過去を失効させると同時に搦手となるLファイルを手に入れるなど、出来事自体を通して盤石の準備を重ねていき、後にはそれらすべて偶然ではなく、貘の計画の内であったかのように描写される。かつての屋形越えの失敗すらもハルこと記憶喪失中の創一との出会いでわざとやったかのようになっており、警察がLファイルを作るきっかけすらも貘の働きかけがあった。唯一の誤算がアイデアルの介入であり、特に伽羅の死につながったことなど、エア・ポーカーの最後ではラロに激しい怒りを見せている。「かり梅」(カリカリ梅)が大好物でよく持参し、勝負中にも食べている。後に伽羅は、貘がカリ梅を食べるのは、自分の仕掛けがうまくいったと確信した時と指摘している。また、ゲーム『プーヤン』の大ファンでしばしば言及する。読み切り版では銀髪オールバックの風貌、一人称が「私」、喫煙者という特徴の持ち主となっている。また、誰にも気づかれずにモノをスリできるという特技を持つ。
梶 隆臣(かじ たかおみ)
声 - 神原大地 / 演 - 佐野勇斗[6]もう一人の主人公。貘の相棒。23歳。多重債務者で闇金や消費者金融に追われていた青年。ひょんなことから貘と出会い、以後彼と行動を共にする。頭脳や度胸、身体能力もいたって普通の青年で、重度のお人好し。そのため、作中の異様なギャンブルを行うには頼りなさを見せるが、貘の傍らで修羅場を乗り越えていくと共に成長し、特にかつての梶を知る者からは驚嘆されるようになっていく。ただし、物語初期のまだ頼りないと見なされていた時でも、無意識に行ったことが貘の大きな助けになっていることが多く、貘から「キモ冴えている」と評される。物語初期においては異常なゲームや出来事に巻き込まれる普通の人間として描かれ、貘の足を引っ張るようなことも多く、貘をよく知る者からは「なぜ梶を相棒としているのか」と言われる。しかし、梶の意図しない行動が結果として貘の手助けとなることがあり、特に廃坑編では梶の行動が相手のトリックを見破る手助けとなった上に劇的な逆転の演出にもつながる。迷宮編のように失敗することも多いが、貘の相棒となるべく自分から動くこともあり、やがて雄牛の子宮編やバトルシップ編では貘の手助けが無い状態から、相手のトリックを見破った上でそれを逆用して勝つという活躍を見せ、KY宣言編の行動は、後に横井やフロイドから高く評価される。プロトポロス編でも門倉など過去の彼を知る者からはその成長を非常に驚かれ、エア・ポーカーでは貘や立会人を含めた誰よりも最初に数字の秘密に気づいたかのような描写もあった。カールからは擬態の才能があると評され、非常事態には抜群の演技力を見せたり、間紙からはその本質は中立の人間も味方につけてしまう魅力にあるとされている。一方で、命を懸けた勝負でも非情に徹しきれず「矛盾遊戯」ではその甘さを利用されるという欠点があり、また後述の過去から自分より他者を優先する危うい側面がある。幼少時から母親を筆頭とした周囲の大人達から虐待同然の扱いを受けており、そのために「自分から他人に喜ばれる行為」をすることで見捨てられない様に生きてきた。そのため、時としてそれらが強迫観念となって突き動かされてしまう事がある。また、彼が多重債務者だったのも母の借金を押し付けられていたのが理由であり、理不尽な目にあっていても、それを受けいれてしまっていた。
マルコ / ロデム
演 - 野村祐希[7]貘の「暴」。通称「廃ビルの悪魔」。純真無垢な体躯の良い長身の青年。解離性同一性障害を持ち、注射をトリガーとして凶悪な人格・ロデムが目覚める。常人離れした身体能力を持ち、他を圧倒する高い「暴」を持つ。その一方で、精神年齢が低く幼い子供のような言動を取り、社会経験の無さや知識不足で周りを困らせたり、窮地に陥ることがよくある。背伸びして口調を作っており、語尾を間投助詞「○○よ」で結ぶことが多い。後述する廃ビル脱出編で完勝した貘によって彼と行動を共にするようになり、彼の「暴」として活躍する。生まれはどこか日本国外の戦地であり、傭兵時代の九重が現地の集落を襲って攫った被検体の一人。幼少時から薬物投与などによる肉体改造や精神改造を受け続けた結果、殺人を好む人格・ロデムを宿す。それ以降、温和なマルコは用無しとされ、ロデムが信頼する息子かつ殺人兵器として九重に持て囃されていた。「廃ビルの悪魔」として九重を狙う鞍馬組を返り討ちにしたり、廃ビル脱出ゲームにおける最大の切り札として数多の人間を殺害してきたが、マルコとしての本心ではなく、ゲームに勝利した貘によって九重から解放される。精神年齢が幼いがゆえの正義感を持ち、貘を信頼して行動する。類稀な戦闘能力を持ちながらも、優しいがゆえに非情に徹せず、相手を殺す気がないという点において格下相手に遅れを取ってしまうこともある。危機時には「ロデム」の覚醒によって状況を逆転させることもあるが、マルコ自身としてはロデムに頼ることをよく思っていない。
伽羅(きゃら)
元賭郎の零號立会人(当時の貘の専属立会人)。カールのボディーガード。後に貘らと行動を共にする。作中屈指の戦闘能力を持ち、常に凶暴な雰囲気を醸し出す屈強な大男。元立会人として頭脳も優秀。後述の理由から今は賭郎に命を狙われる身であるものの、その伝説的な強さから現役の立会人から敬意されている面もある。廃鉱編で貘の敵側として登場するものの、その後、誘いを受けて貘らと行動を共にするようになる。普段も粗暴な言動だが、信頼している人間には意外なほど面倒見が良い。元は香港の暗黒街出身で子供の時から同地のマフィアなどを相手に喧嘩に明け暮れていた(この頃の三鷹と面識がある)。その後、能輪美年に立会人としてスカウトされて「伽羅」と名付けられ、瞬く間に頂点である零號を獲得するに至る。また、貘の専属立会人として彼の数々の勝負の立会いにも関わり、魅入られる。屋形越えにも立ち会ったが、貘の敗北と共に自らも賭郎も抜けることを決意する。「生きて抜けることは不可能」の賭郎の掟によって公には命を狙われる身となっている。廃坑編においてカールのボディーガードとして登場し、都心へのミサイル攻撃を阻もうとするマルコとレオの2人を相手にする。手練れの2人を同時に相手をしてなお圧倒する力を見せるが、レオの窮余の策とマルコの爆発力に上回られ、負傷して計画は阻まれる。その後、貘の誘いに乗って再び協力することになった後は、アイデアルの粛清から逃れるカールを連れて潜伏生活を送る。雄牛の子宮編で滑骨を殺害したためにジョンリョに命を狙われることとなり、以降は貘ら一行から離脱して独自行動を取っていた。プロトポロス編において貘の協力者に指名されて再登場し、アウトロー派の取りまとめを依頼される。そこで、同じくラロの協力者として招聘されたジョンリョと戦うこととなり、重傷を負うも何とか勝利する。しかし、その傷が元で間もなく命を落とす。その死体は、卍勝負の間ずっと放置され、屋形越えの立会人を決める立会人らの戦いの最終盤において重要な要素となる。
カール・ベルモンド
声 - 藤吉浩二 / なし国際的な武器商人。アイデアルの協力者で、後に貘らと行動を共にする。カールした口髭が特徴の胡散臭い中年の小男。「エクセレント」が口癖。廃鉱編で登場し、当初はアイデアルの協力者であったが、佐田国のテロ計画の失敗によりアイデアルに狙われる身となってしまったため、ボディーガードの伽羅のツテで貘らと行動を共にするようになる。国際的な武器商人らしい、演技力や頭の回転の早さを持ち、善悪を冷徹に見るリアリストだが、本性は臆病でやや善人な面もある。死の商人であると同時に憐れな子供に同情し施しを与える程度の人間味を持ち、しかし、自分の売った武器がその子供を殺す可能性などの矛盾を、己の哲学の中に半ば無理矢理封じ込めて生きてきた。廃坑編においてアイデアルの思惑から佐田国のテロ計画に協力する(佐田国の人工視覚もカールが提供したもの)。佐田国が敗北しても冷静に計画を遂行しようとするが、マルコとレオに阻まれ、結局は計画に失敗する。そのため、アイデアルの粛清を恐れて引き続き伽羅をボディーガードに戦々恐々の潜伏生活を送る。その中でLファイル絡みで警察に追われる身となった梶に親近感をわかせ、彼を手助けするため共に羽山邸に赴くなどし、業の櫓編ではLファイルをブラフに使って世論を煽るなど裏方に徹する。業の櫓編で重傷を負ったため、プロトポロスには未参加で以降の登場頻度は減る。
切間 創一(きるま そういち)
演 - 櫻井海音[8]賭郎21代お屋形様(当代)。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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