営団06系電車
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営団地下鉄06系電車
営団06系電車
(2006年6月5日 向ヶ丘遊園駅
基本情報
運用者帝都高速度交通営団
東京地下鉄
製造所川崎重工業車両カンパニー
製造年1992年
製造数1編成10両
運用開始1993年3月18日
廃車2015年
投入先千代田線
主要諸元
編成10両編成
軌間1,067 mm(狭軌
電気方式直流 1,500 V架空電車線方式
最高運転速度80 km/h(千代田線内)
90 km/h(常磐緩行線内)
100 km/h(小田急線内)
設計最高速度110 km/h
起動加速度3.3 km/h/s
減速度(常用)3.7 km/h/s
減速度(非常)4.7 km/h/s
編成定員1,494人(座席 520人)
車両定員先頭車:138人(座席 46人)
中間車:152人(座席 54人)
車いすスペース付中間車:153人(座席 52人)
自重21.8 - 32.4 t
編成重量271.1 t
全長先頭車 20,070 mm
中間車 20,000 mm
全幅2,800 mm
全高4,080 mm
4,140 mm(パンタグラフ付き車両)
車体アルミニウム合金
台車モノリンク式ボルスタレス台車
SS135形・SS035形
主電動機かご形三相誘導電動機
主電動機出力定格出力 205 kW × 4基
駆動方式WNドライブ
歯車比109:14 (7.79)
編成出力3,280 kW
制御方式IGBT素子VVVFインバータ制御
制動装置ATC連動電気指令式空気ブレーキ回生ブレーキ併用)
保安装置新CS-ATC(ATC-10型)
OM-ATS
D-ATS-P
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営団06系電車(えいだん06けいでんしゃ)は、帝都高速度交通営団(営団)が設計・製造した通勤形電車である[1]2004年(平成16年)4月の営団民営化にともない、東京地下鉄(東京メトロ)に継承された。
概要

1993年平成5年)3月のダイヤ改正で実施された千代田線輸送力増強の際、営団受け持ちの車両運用が1本増加することになった[2]。ただし、6000系は量産車の登場から約20年が経過していたため、同系列の増備ではなく新設計の車両を製造することとなった[3]

設計にあたっては「Gentle & Mild」をメインテーマとし、列車に関わる全ての人と環境にやさしくあるよう設計した[1]。人とは「乗客、乗務員、検修員、製造作業員」を、環境とは「車内居住環境(音・光・空調など)、社会環境(振動・騒音・リサイクル)」のことを表している[1]。これは、21世紀を目指した車両は「人と環境に心を配り、おだやかで上品であること」を必要としたためである 。このメインテーマを元にして、外観・内装・機器などを一貫した設計を実施した[3]

同時期に落成した東京メトロ東西線の07系とは基本設計を共通としている。この頃は営団各線で旧世代系列の車両交代が盛んだったため、本系列と類似の仕様を搭載した0x系シリーズの新車が他の営団線にも大量に製造・投入された。製造費用は14億1,063万6,000円である[4]
車両概説
車体

外観デザインは「おだやかで、上品な中にやさしさを持ち、長くお客様に親しまれること」をデザインコンセプトにした[3]。車体はアルミニウム合金製で、01系以来となる大形押出形材を組み合わせた工法で製作されている[1]。外観には千代田線のラインカラーである「グリーン」に、白とパープルの細いラインを組み合わせ、「おだやかで落ちついた感じ」をイメージさせた[3]

前面は約14度の後退角を付け、全体的に丸みを帯びた形状とし、フロントガラスは側面にまで周りこませた曲面ガラスとした[3]。車両側面では屋根を高くし、いわゆる張り上げ屋根タイプとした[3]。先頭車前面下部には排障器(スカート)を装着する[3]。また、地下鉄線内におけるプラグドア式非常口と非常階段が設けられている。

全長を20m程度に収めて、さらに運転室を従来車よりも広く確保するために、車内の座席定員配置を6000系の「3・7・7・7・3」ではなく「4・6・7・6・4」とした[3]。そのため、先頭車では4人がけ座席に相当する部分が運転室のスペースとなり、先頭車では全長は20m より7cm だけ長くなった[3]。後年に車両間転落防止幌が設置された。丸みを帯びた先頭形状LED式種別行先案内板

前面と側面の行先表示器はLED式である。さらに小田急線内における優等列車での使用のために通過標識灯を設置していたが、1998年(平成10年)4月に同線での使用が停止された。

冷房装置集中式とし、外観では端部にFRP製のカバーを取り付け、丸みを帯びた形状とした。装置は日立製作所製の外気導入形インバータ制御方式(FTUR300-206形)で、能力は48.84 kW (42,000 kcal/h) である[3]。インバータ制御方式とすることで、きめ細かな温度制御や省エネルギー効果を高めている[1][注 1]。空調運転モードは「冷房」・「暖房」・「除湿」・「全自動」・「送風」があり、全自動では内蔵のカレンダー機能や車内外の気温に応じて、冷房・暖房・除湿から自動選択されるものである[1]。車内の冷房風道はラインフローファン方式を採用し、補助送風機(ラインデリア)は先頭車に9台、中間車に10台を設置している。
内装

内装は千代田線沿線の日暮里千代田赤坂神宮前といった歴史ある格式高い街のイメージから日本庭園をイメージさせる和風のデザインとした[3]。デザインコンセプトは07系では「上品で活気あふれる雰囲気」を目指したが、本系列では「おだやかで落ち着いた雰囲気」をめざした[3]

化粧板和紙をイメージした香色[6]のものとし、落ち着いた雰囲気を目指した(「香遊」[6]柄)。床敷物は日本庭園の「そよ風に鳴る松の葉音」イメージした「松籟(しょうらい)」柄[6]と称するもので、外側を浅紫色の砂目模様、中央部は「松葉」を浅紫色と利休鼠色で表現した[3][6]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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