喜劇 駅前茶釜
「呑福寺」のモデルとなった茂林寺
監督久松静児
脚本長瀬喜伴
製作佐藤一郎、金原文雄
『喜劇 駅前茶釜』(きげき えきまえちゃがま)は、1963年7月13日に東宝系で公開された日本映画。カラー。東宝スコープ。東京映画作品。95分。
キャッチコピーは「狸が捲き起こす笑いの渦巻! 茶釜をめぐる化かし合い大型喜劇」。 『駅前シリーズ』第6作。本作は『文福茶釜』からヒントを得、駅前の「呑福寺」(のんふくじ)という寺に伝わる「呑福茶釜」という茶釜を巡っての内容となっている。その駅は劇中では「呑福寺前駅」となっていたが、これは恐らく「呑福寺」のモデルとなった「茂林寺」の近くにある茂林寺前駅(東武伊勢崎線)と思われる。 話の筋の一つに「狸」があるためか、徳之助(森繁久彌)の夢のシーンでは、中尾ミエが狸御殿で歌を披露する場面が有り、あたかも大映などで公開された『狸御殿』を思わせる。また三木のり平演じる狸が人間に化ける場面は、往年ののり平主演作『孫悟空』(監督:山本嘉次郎)を連想させる。 前作での王貞治に引き続き、本作ではプロレスラーのジャイアント馬場がゲスト出演したが、王のような本人役ではなく、町人の役である。 『喜劇 駅前団地』以来シリーズを5作監督した久松静児は、本作でシリーズを離れ、次作『喜劇 駅前女将』からは佐伯幸三が担当する。 『日本一の色男』
概要
脚本:長瀬喜伴
監督:久松静児
撮影:黒田徳三
録音:原島俊男
整音:西尾昇
照明:今泉千仭
美術:小野千滋
音楽:広瀬健次郎
編集:広瀬千鶴
助監督:松本あきら
現像:東京現像所
振付:水木歌澄
踊り:水木くれない会
製作担当者:大久保欣四郎
出演者
森田徳之助:森繁久彌
日孫和尚:伴淳三郎
三室勘次:フランキー堺
おけいさま:淡島千景
お藤:淡路恵子
芸者・染太郎:池内淳子
寺の娘・さつき:若林映子
床屋の娘・みどり:横山道代
扇屋の女中・みつ:小桜京子
「狸」:三木のり平
石山五郎:有島一郎
中山ミエ:中尾ミエ
三林巡査:加東大介
大原庄平:ジャイアント馬場
花山久蔵:石田茂樹
床屋の親父・宗助:渡辺篤
「菊の間」の女将・金太郎:沢村貞子
扇屋の女将・おたま:秋好光果
小坊主日通:羽柴久
ヘアピンの三五郎:山茶花究
神主:左卜全
青山太郎:立原博
バスガール:古池みか
芸者A:岩倉高子
芸者B:村松恵子
八百屋の幸ちゃん:加藤春哉
狸屋の旦那:織田政雄
勘次の助手:熊吉立岡
同時上映
脚本:笠原良三/監督:古澤憲吾/主演:植木等
『日本一』シリーズの第1作。
脚注^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)200頁