大阪府咲洲庁舎
Osaka Prefectural Government Sakishima Building
大阪府咲洲庁舎(おおさかふさきしまちょうしゃ)は、大阪市住之江区南港北(咲洲)にある高さ256.0m、地上55階・地下3階建ての超高層ビル。愛称は「さきしまコスモタワー」。
旧名称は、大阪ワールドトレードセンタービルディング。略称は「WTC」。そのため「WTCタワー」とも呼ばれた。平成22年度予算が議決後、2010年6月1日に大阪府に譲渡され、現在の名称となった[1]。
概要経緯については、下記の#株式会社大阪ワールドトレードセンタービルディングも参照。
世界各地にあるワールド・トレード・センター(世界貿易センター)ビルディングの一つとして、大阪市港湾局が中心となって1988年(昭和63年)に策定した「テクノポート大阪」計画[2]に基づき、第三セクター方式で建設された。
総事業費は1,193億円。高さは256.0mで、完成時は横浜ランドマークタワーに次いで2位、西日本では最も高いビルだったが2023年末現在、日本では麻布台ヒルズ森JPタワー(東京都港区、約330m[3])、あべのハルカス(大阪市阿倍野区、300.0m)、横浜ランドマークタワー(横浜市西区、296.3m)、虎ノ門ヒルズ ステーションタワー(東京都港区、約266m[4])、りんくうゲートタワービル(大阪府泉佐野市、256.1m)に次ぐ日本第6位である。着工時には地上252mで計画されていたが、同時期に大阪府が建設したりんくうゲートタワービルの高さが256mであったことなどから、高さを4m増やしてりんくうゲートタワービルと同じ256mとした[5]。しかしりんくうゲートタワービルの高さが厳密には256.1mとなったことから、僅差での6位となっている。
咲洲コスモスクエア地区に建設されたこの超高層建築は、大阪湾岸を象徴するランドマークであるとして1996年度・第16回大阪都市景観建築賞(大阪まちなみ賞)の大阪市長賞を受賞した[6]。
毎年秋頃に、高さ4mのところにあるビルの2階から, 高さ214mのところにある52階まで、高低差210mの1,176段の階段を駆け上る、大幸工業株式会社スペシャルチャレンジ「THE RISE 256」が開催されている[注 1]。
建物概要
所在地:大阪府大阪市住之江区南港北一丁目14番16号
竣工:1995年3月
主用途:事務所、商業施設
建築主:株式会社大阪ワールドトレードセンタービルディング
設計者:日建設計、マンシーニ・ダッフィ・アソシエイツ
施工者:大林組、鹿島建設、三井建設、ターナー・コンストラクション・カンパニー、鴻池組、錢高組、東急建設、奥村組、西松建設、五洋建設、日本国土開発による共同企業体 (JV)
敷地面積:20,000m2
建築面積:11,000m2
延べ床面積:149,296m2
高さ:256.0m
階数:地上55階[注 2]、地下3階
エレベーター数:32基(東芝製12基、三菱製6基、日立製12基、オーチス製2基)
第1バンクと第4バンクは東芝製、第2バンクは三菱製、第3バンクと52階行展望エレベーター2基、駐車場用2基、フェスパ用、高層厨房用(46-50階)は日立製、非常用2基はオーチス製である。2020年7月からエレベーターの改修工事が実施され、中層バンクの三菱製を皮切りに順次更新される。2024年2月現在、非常用・中層バンク・高層バンク・駐車場用・展望用の28号機が更新済み、27号機が更新中。
低層バンク(1 - 6号機・東芝製、さきしまコスモタワーホテル開業後はホテル専用EVとなる)
1階・2階・(6階)・7階 - 17階
中層バンク(7 - 12号機・三菱電機製、さきしまコスモタワーホテル開業後は、ホテルロビー直通兼オフィス用バンクに見えても17階が旅館業法上不停止扱い)
1階・2階・6階・(17階)・18階 - 28階
高層バンク(13 - 18号機・日立製)
1階・2階・6階・28階 - 39階
超高層バンク(19 - 24号機・東芝製、1階から展望台の出口階である51階までは540m/minで37秒で結ぶ[注 3]。上記の4バンクは各6基ずつ設置)
1階・2階・6階・39階 - 51階(その内の福祉型を含めた2基は地下1階、もう2基は52階まで通じているが、平常時は不停止)
駐車場用(29 - 30号機・日立製)
地下3階 - 1階 ※更新後は1階乗場にも現在階を示すインジケータが搭載され、各階でもインジケータが更新された。但し、地下1階は公用車専用フロアとなる。
展望台直通シースルー用(27 - 28号機・日立製)
1階(入口乗車用)・52階(入口降車用)※3・45-47・51階は不停止、今現在は上り専用運転になっている。27号機がまち側、28号機が海側。
フェスパ用(31号機・日立製)
1階 - 3階
高層厨房用(32号機・日立製)
46階 - 50階 ※前室の中にあり、扉を開けると乗場がある。場所は25号機非常エレベーターそばの前室。インジケータは16セグメント式。EV機械室は46階の真下45階にある。
非常用(25 - 26号機・オーチス製)
地下3階 - 地下1階・1階 - 53階(42階は欠番)※25号機は低層バンク側、26号機は超高層バンク側にある。
建物の縦横比は1:3.31(横:縦)である。当ビルからはATC、ハイアットリージェンシー大阪、インテックス大阪等と連絡通路が結ばれている。また、1階には「大阪南港コスモタワー内郵便局」が設置されていた(2015年3月閉局)。建物北側の住友商事が所有する空地では、夏季を中心に「WTCオープンエアスタジアム」として、a-nationなどのライブイベントが行われることがある。
展望台展望台
最上階の55階には、カフェなどが併設された有料の展望台(2022年3月時点で大人800円、中小人500円、幼児無料)がある。この展望台は地上252mに位置し、一般向けの展望台としては東京スカイツリーの第2展望台 (451.2m)、あべのハルカスの60F展望台(287.6m)、横浜ランドマークタワーの展望台 (273m) に次いで日本で4番目に高く、東京タワーの特別展望台 (223m) や同じ大阪市内に存在する梅田スカイビル (173m) よりも高い。