和歌山水力電気株式会社種類株式会社
略称和水
本社所在地 日本
和歌山県和歌山市岡山丁9番地
設立1905年(明治38年)5月25日[1]
解散1922年(大正11年)7月1日[2]
(京阪電気鉄道と合併し解散)
業種電気・軌道
事業内容電気供給事業・電気軌道事業
代表者社長 島村安次郎
和歌山水力電気株式会社(わかやますいりょくでんき かぶしきがいしゃ)は、明治後期から大正にかけて和歌山県和歌山市に存在した日本の電力会社である。
1905年(明治38年)に設立。1897年(明治30年)に開業した県内最初の電気事業者和歌山電灯株式会社(和歌山電燈、わかやまでんとう)から事業を引き継ぎ和歌山市を中心として電気供給事業を経営したほか、1909年(明治42年)より路面電車も兼営した。
1922年(大正11年)に大阪府の電鉄会社京阪電気鉄道に合併され解散した。和歌山水力電気の事業のうち、発電所や供給区域はその後の再編を経て関西電力へと継承。一方は軌道線は南海電鉄に渡り和歌山軌道線となったが1971年(昭和46年)に全廃されており現存しない。 1888年(明治21年)、神戸市に神戸電灯が開業し、関西地方においても電気事業の歴史が始まった。和歌山県内においては1890年(明治23年)9月に、和歌山紡績(後の和歌山紡織で大和紡績の前身)が大阪電灯(大阪市・1889年開業)から借用した発電機をもって夜間作業の照明として工場に電灯を取り付けたのが、県内電灯利用の端緒となった[4]。ただし一般家庭に対する電気事業の起業はやや後のことであった[4]。 和歌山市内においては、垂井清右衛門らにより1894年(明治27年)ごろから電気事業の起業が企画されるようになった[4]。そして2年後の1896年(明治29年)3月の設立許可を経て同年5月「和歌山電灯(電燈)株式会社」の創業総会開催に至る[5]。こうして設立された和歌山電灯の資本金は5万2500円[6]。社長には市内の質商垂井清右衛門が就任し、取締役・監査役にも市内の有力商人4名が就いた[6]。 開業は設立翌年の1897年(明治30年)6月29日であった[7]。電源は石炭火力発電を採用しており、和歌山市畑屋敷松ヶ枝町の本社敷地内に発電所を設置[5]。アメリカのゼネラル・エレクトリック (GE) から輸入した60キロワット交流発電機2台を据え付け[6]、発電所から市内へと配電した[5]。同時期に開業した大阪府堺市の堺電灯、奈良県奈良市の奈良電灯に比べて需要は堅調であり、電灯数は順調に伸びて1899年(明治32年)に1,000灯を超え、1903年(明治36年)には3,000灯に達した[5]。 和歌山電灯の事業を引き継ぐことになる和歌山水力電気は、鉄道敷設計画の流れの中から起業された会社である[8]。 和歌山市周辺の鉄道事業計画は、日清戦争後の起業ブーム期に現れた[8]。
沿革
前身・和歌山電灯
和歌山水力電気の設立和歌山水力電気設立に参加した才賀藤吉