吹き出物
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尋常性?瘡

14歳の思春期男性頭部に出現したにきび。
軽度の炎症を起こしている。
概要
診療科皮膚科学, 家庭医療
分類および外部参照情報
ICD-10L70.0
ICD-9-CM706.1
DiseasesDB10765
MedlinePlus000873
eMedicinederm/2
Patient UK尋常性?瘡
MeSHD000152
[ウィキデータで編集]

尋常性?瘡(じんじょうせいざそう、英語: acne vulgaris)は、顔や背と胸に見られる炎症性皮膚疾患の一つ。単に?瘡(ざそう、acne)、または面皰(めんぽう)ともいう。「?瘡」は「ざ瘡」「座瘡」とも表記する。「尋常」は、普通にという意味[1]。英語での語源となっているアクネ菌(英語版)は、皮膚の常在菌である。

一般に特に青少年の顔面に生じるものをにきびと呼び、それ以外は吹き出物(ふきでもの)と呼ぶことが多い。「にきび」の語源は諸説ある[2]

ざ瘡は、医薬品を処方する際の便宜上、表在性皮膚感染症に分類されることが多いものの、感染症とする根拠はない[3]。日本では90%以上の者が経験する[4]

治療では、1990年代以前は、抗生物質内服で炎症のあるにきびが治療対象だったが、2008年には日本でもレチノイドビタミンA誘導体[5])のアダパレンが承認され炎症前の治療が可能となり、抗生物質による耐性菌増加の懸念から代わりに過酸化ベンゾイルも用いられるようになった[6]

アメリカ合衆国の治療ガイドラインで、推奨度とエビデンスレベル共に最も高いのは、「抗生物質と過酸化ベンゾイル併用」もしくはアゼライン酸である[5]。こうした薬剤は皮膚を乾燥させる傾向にあり、にきびの人に適した保湿剤が役立つ[7]ティーツリー配合ジェル[8]、紅茶や[9]緑茶成分の入った化粧水[10]の有効性も報告されている。
症状と徴候断面の模式図黒にきびを潰して出てきた皮脂の塊(角栓

前額部(おでこ)、頬、口の周り、下顎、背中や胸の中央など皮脂分泌量の多い皮膚に生じる発疹で、面皰と呼ばれる毛包に角質や皮脂が詰まった皮疹で下述の種類がある[11]。臨床的には、「非炎症性ざ瘡」と「炎症性ざ瘡」に大別される[12]
白ニキビ - 毛穴に皮脂が詰まる。患部が膜で覆われて表面はまだ閉じており、発疹は白から乳白色。皮脂の栓は押しても容易に圧出しない。

黒ニキビ - 毛孔が閉鎖している。白ニキビが少し進行した状態で、皮脂が盛り上がり穴があくことで患部を覆う被膜が開き、内容物が酸化して黒っぽく変色。皮脂の栓は押すと容易に圧出する。

赤ニキビ[13] - 黒ニキビがさらに進行した状態で、毛穴に詰まった皮脂に雑菌やアクネ菌が繁殖。好中球リンパ球による炎症を生じ炎症性皮疹である赤色丘疹や内部に膿が溜まった膿疱へと移行する。

?腫壁が破裂すると皮下膿瘍や硬結となる。その後、?腫を生じた部分に線維化が起きると、瘢痕やケロイドを生じることもある[11]

症候と重症度 [12]状態重症度特徴など
面皰 白ニキビ、黒ニキビ非炎症性直径 1-3mm
丘疹 赤ニキビ炎症性直径 2-5mm。 比較的深い病変
膿疱 赤ニキビ炎症性直径 2-5mm。 丘疹よりも浅い病変
結節炎症性 化膿していない丘疹よりも大きくて深い
嚢腫化膿した結節嚢腫が深部膿瘍を形成することがある。
微小な深い陥凹(アイスピック瘢痕)、大きな陥凹、浅い陥没、肥厚性の瘢痕を残すことがある。
集簇性ざ瘡
(acne conglobata)最重症
(膿瘍、排膿を伴う瘻孔)女性より男性に多い
瘻孔を形成した面皰、ケロイド様や萎縮性瘢痕を生じる。
電撃性ざ瘡
(acne fulminans)潰瘍性
(発熱を伴い急性発症)突然出現する融合した膿瘍と出血性壊死。
白血球増多、関節痛、関節腫脹の症状も出現することがある。

顔面膿皮症
別名:電撃性酒さ発疹は紅斑を伴う皮膚の隆起や膿疱。
若年女性の顔面中央(下顎、頬部、前額部)に突然出現。

※ MSDマニュアルから引用し改変。
原因

発症に関わり胃腸障害、内分泌障害、代謝障害、肝機能障害、細菌感染、精神的因子、遺伝的要素などいくつかの仮説[14][要検証ノート](出典が古すぎる)があるが、詳細は解明されていない。皮膚常在菌のアクネ菌(英語版)が炎症箇所の毛穴分泌物から検出されることから、毛包(毛穴)が男性ホルモンと細菌と皮脂の相互作用によって炎症を起こすとする説が有力である[15]。テストステロンの増加による皮脂分泌増加が知られており、テストステロンが高いことで皮脂腺が詰まりやすくなり、にきびが増えるとも考えられている[16]

さまざまな薬剤の副作用薬物相互作用で生じる皮疹は薬疹として分類される。また、内分泌疾患の随伴症状としても皮疹が生じることがある。

薬剤の副作用では以下。

上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤の副作用として、ざ瘡が高頻度で認められる。ゲフィチニブ(イレッサ)の臨床試験(第III相)では、10%以上の症例が因果関係ありと判定された[17]アファチニブ(ジオトリフ)の臨床試験(第III相)では、約30%のざ瘡症例が認められている[18]

テストステロン誘導体であるダナゾールの副作用として、ざ瘡が10%以上に認められる[19]

時にベーチェット病自己免疫疾患)、Sweet病好中球性皮膚症)、潰瘍性大腸炎(UC)に伴う壊疽性膿皮症などの随伴症状であることがある[20]
要因

発症機序に関わる研究では、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}この10年間で[いつ?]ざ瘡の背後にあるメカニズムの理解が指数関数的である[21]。西洋食、乳製品、FOXO1mTORC1の相互作用やアゴニストおよびアンタゴニストの役割は解明されつつある[21]。思春期の成長ホルモンおよびインスリンとIGF-1(インスリン様成長因子1)伝達の相互作用を支持するエビデンスが増えてきている[22]副腎性腺のアンドロゲン代謝に影響を与えることによってざ瘡の病因における因果的役割を有している[22]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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