吸血姫美夕_(テレビアニメ)
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吸血姫美夕
ジャンルダーク・ファンタジー伝奇ホラー
アニメ
原作平野俊貴垣野内成美
監督平野俊貴
シリーズ構成早見裕司
キャラクターデザイン垣野内成美(原案)
門之園恵美(キャラクター設定)
寺岡賢司(神魔コンセプトデザイン)
音楽川井憲次
アニメーション制作AIC
製作美夕製作委員会
放送局テレビ東京系列
放送期間1997年10月6日 - 1998年3月30日
話数全26話(本放送版では全25話)
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメ

『吸血姫美夕』(ヴァンパイア ミユ)は、1997年10月6日から1998年3月30日にかけてテレビ東京で放送されたテレビアニメ。全26話。ただし、第二話の放送が急遽中止されたために実際には計25話しか放送されず、その後に未放送の第二話を含んだVHS/LD/DVD『吸血姫美夕 Integral』(ヴァンパイア ミユ インテグラル)が発売された。なお、テレビ東京系のCSアニメチャンネルのAT-Xでは、『Integral』版が放送された。
概要

1988年から1989年にかけて発売されたOVA版『吸血姫美夕』とは配役が全て入れ替わっており、設定も大きく変更されている。OVA版では幻想的な雰囲気が重視されたが、テレビアニメ版では『ゲゲゲの鬼太郎』や過去の特撮映画日本映画のイメージで、神魔(しんま)に魅入られた人間の悲劇や美夕と神魔のアクションなどが重視された。完結後には続編を描いたドラマCD版が制作された。

なお、本作はOVA版のファンだった20代女性と女子中高生がターゲットである[1]
設定

主人公・美夕は監視者である。監視者は闇の世界から抜け出し、人間世界に入り込んでいる神魔(はぐれ神魔)を見つけ出し、再び闇の世界に戻すことを任務としている。そのため、美夕は永遠に14歳の姿を保ちながら、神魔が現われそうな土地の学校に中学生として潜入し、神魔の出現を待つ。ただし、美夕は神魔から人間を救うことが任務ではないので、積極的に神魔に魅入られた人間を救おうとはしない。むしろ、神魔に魅入られた時点でその人間の運命は既に狂い出しており、ごく稀に美夕が救いの手を差し出したり、神魔を闇の世界に帰したりしても、その人間が悲惨な状況に追い込まれていくことがほとんどである。そんな時、美夕はその人間の血を吸うことで、相手に「永遠の午睡」(えいえんのねむり)と呼ばれる状態を与えることができる。これはその人間にとって幸福に感じられる都合の良い夢を永遠に見せるということだが、周囲の人間からは精神病と判断され、その人間は精神病院へ送られることになる。

神魔の中には、監視者を守ることを任務とする守護神魔と呼ばれる一族もいる。'冷羽)の父親は守護神魔である。神魔は日本以外にもおり、美夕に仕えるラヴァは西洋からやって来た西洋神魔である。

美夕は神魔の姿を求めて度々転校して全国各地を回っているが、テレビアニメ版では第一話を除き、美夕は親友の千里(ちさと)たちがいる時輪女子学園(ときわじょしがくえん)に山野美夕(やまの みゆ)として通学しており、事件も時輪女子学園周辺で発生する。ただし、唐突に過去の話が挿入されたり、美夕が他の土地に出かけたりして、時輪女子学園周辺以外の土地が物語の舞台となることもある。
あらすじ

美夕は永遠の14歳の監視者として、全国の学校を度々転校しては神魔を見つけ出し、闇の世界に戻していた。神魔もまた狩られることを拒み、あるいは監視者を倒すことで仲間の間での名声を高めようとして美夕に攻撃を仕掛けるなど、美夕の戦いの日々は決して終わることがなかった。

ある日、時輪女子学園に転校した美夕は千里という少女に声を掛けられ、彼女のグループと一緒に休日の街の散策に付き合うことになる。「美夕はいつも一人ぼっちだから声をかけた」と屈託なく話す千里に、美夕も好意を持つ。二人は街の露天商から友情のイコンを買って、永遠の友情を誓い合う。

その間にも、美夕は時輪女子学園周辺に出没する神魔を次々と闇の世界に送り込んでいく。しかし、弱い幼児や心優しい同年代の少女などが神魔の餌食となって運命を狂わされる様子に、美夕は自身の昔の姿を重ね、悲しい表情を浮かべる。

美夕が転入して以降の奇怪な事件の頻発に伴い、クラスメイトたちも美夕の素性に疑念を向け始める。その最中、北の地から千里の兄が帰って来る。代々の監視者を抹殺するという一族の使命を思い出し、神魔として目覚めた千里の兄は美夕によって闇に帰されるが、これは美夕を確実に抹殺する計画を実行に移すための時間稼ぎに過ぎなかった。やがて時は満ち、「最強の神魔」として目覚めた千里が美夕の前に現れる。千里は永遠に子供でいられることを喜びながら、最愛の兄を奪った美夕を倒すが、決して死ぬことのできない宿命を背負った美夕は、それでもなお蘇る。千里は駆けつけたラヴァの手によって葬られ、美夕は千里に「永遠の午睡」を与えると、再びはぐれ神魔を追って旅立つ。
登場人物
主要人物
美夕(みゆ)
- 長沢美樹本作の主人公。監視者の父と普通の人間の母から生まれた吸血姫(ヴァンパイア)で、はぐれ神魔を狩る監視者の少女。炎の使い手。長い髪を一つの団子にして垂らしており、滅多にほどくことはない。人前では常に同じ制服を着用し(過去編では着物等も使用)、本来の丈の短い着物は、監視者に目覚めた時に纏っていたもの。素足の片方に赤いリボンを巻いている。第一話で鹿火屋学園に転校してきたが、第二話では時輪女子学園へ改めて転校。以降は最終話まで同校に在籍しながらはぐれ神魔を追い続ける。OVA版では美少年を好む小悪魔的なキャラクターだったが、テレビアニメ版では弱い者や小さいものに同情を示す心優しい少女として描かれている。特に自分の昔を重ねる幼い少女には弱い。基本的にはぐれ神魔との戦いに人間を巻き込むことを好まず、助言などはするものの、積極的に逃がしたり助けたりすることはあまりない。また、独善的な考えの持ち主には非常に冷たく、死んだとしても気にしない[2]。第二話で親友となる井上千里に対し「友達」として強い思い入れを抱く。しかし、物語終盤では千里が神魔として覚醒した時には、その想いが弱点となって一度敗れる。
ラヴァ
声 - 三木眞一郎美夕の従者。黒いマントに身を包み仮面で素顔を隠した西洋神魔。かつて日本神魔界の征服のために日本へやってきたが、美夕に阻まれた挙句に命を助けられて以降、彼女に従うようになった。OVA版と異なる点としては、ラヴァは言葉を話すことも自由に仮面を外すこともでき、美夕に忠告したり、彼女の危機を度々救ったりする。物や神魔を切り裂ける手刀打ちを攻撃手段とするが、本作では武器として大鎌が追加されている。美夕に敗れた証であり、最終話まで使用されることはないが、美夕の炎も使える。
死無(しーな)
声 - かないみか美夕と行動を共にするはぐれ神魔。ウサギのような容姿を持ち、垂れ下がった片耳が片目を隠している。その片目は真実を見抜く力を持っており、神魔の正体を見破るなどする。ドラマCD版では、これは生まれつきのものではなく、美夕と出会った際に、はぐれ神魔の持つステッキ水晶玉を奪ってはめ込んだものであることが明かされる。冷羽には美夕のペットと称される。
井上 千里(いのうえ ちさと)
声 - 白倉麻子時輪女子学園中等部2年。好奇心旺盛で物事をはっきりと言う、愛らしい無邪気な少女。普段は同級生である鹿島由香利と青木久絵の3人でつるんでいる。一人ぼっちの美夕を自分たちのグループに引き入れる。美夕とは意気投合し、親友となる。何の憂いもなさそうに見えるが、実の兄である時哉を一人の男性として愛するという、強いブラザーコンプレックスを抱いていた。その正体は、はぐれ神魔の一派である「鳥」が入念に造り上げた最強の神魔であり、物語終盤で嘴貪によって神魔・千里として覚醒した。なお、神魔化しても人間の姿のままであるが、美夕の炎が通用しない。生前の時哉から託されたを武器に、由香利と久絵を殺害。そして、時哉を倒した美夕に憎しみを抱き、神魔化した自分の両親を彼女に差し向ける。しかし両親が瞬殺されるのを見るや、自らの手で美夕を追い詰めて刺し殺した。しかし美夕は蘇り、援護に駆け付けたラヴァに首を切断されて倒される。その後は、頭部だけの状態で美夕に血を吸われ、彼女の異空間の中で永遠の時を生きることになった。
鹿島 由香利(かしま ゆかり)
声 - 手塚ちはる時輪女子学園中等部2年。千里の友人で、腕っ節の強いボーイッシュな少女。夢見がちなことを言う千里に度々突っ込む。学園の情報をどことなく仕入れて、千里たちに聞かせることもある。物語終盤では、美夕の奇妙な雰囲気にいち早く気付く。その正体を知り、悪人ではなかったことを千里に伝えようとするも、既に神魔として目覚めていた千里に殺される。ドラマCD版では、妹に似ているからと声を掛けた由比達彦という青年に好意を寄せる。
青木 久絵(あおき ひさえ)
声 - 進藤こころ時輪女子学園中等部2年。由香利と同じく千里の友人のひとり。眼鏡をかけた図書委員の優等生。読書家で、時々薀蓄を傾けることもある。美夕の古風な言い方を教養の現われと判断し、彼女のことは割合高く評価する。物語終盤で、美夕の正体に薄々感付くも、神魔として目覚めた千里の餌食となる。
冷羽(れいは)
声 - 緒方恵美守護神魔の父と、幼少時に亡くなった雪女の母との間に生まれた娘で、吹雪を操る力を持つ神魔。見た目は10歳前後の少女で、額には「冷」と書かれた刻印がある。普段から、足下が見えない裾の長い着物を着用している。誰に対しても丁寧な話し方をする。美夕が監視者となったとき、何があっても監視者を護らなければならないという守護神魔の宿命を背負わせたくない父の思いから、まだ雪女の力に目覚めておらず、守護神魔にならなかった。しかし、守護神魔であった父が美夕を守るために死に、死ぬ間際まで自分よりも彼女のことを気に掛けていたこと、また幼くして独りきりになった境遇とはぐれ神魔に襲われた恐怖により、常に誰かに護られてきた美夕に怒りを向ける。美夕とは対照的に、神魔を倒すために人間を巻き込んでも全く気に掛けないが、自分や父親と似た境遇にある者には優しさや甘い態度を見せる場面もあり、そのことを松風に訝しがられることもあった[3]。物語終盤で美夕との仲違いが決定的となり、彼女に決戦を仕掛ける。その戦いで松風を失うと激高し、強力な力を発揮して美夕を追い詰めるが、ラヴァに首を切断されて敗北。しかし、その状態でも生きており、美夕への復讐を誓い、自身の首を抱えて飛び去って行った。


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