吸血姫美夕
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この項目では、OVAおよび、それを原作とする作品群について説明しています。テレビアニメ版については「吸血姫美夕 (テレビアニメ)」をご覧ください。
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吸血姫美夕
ジャンルダーク・ファンタジー伝奇ホラー
OVA
原作平野俊弘
垣野内成美
監督平野俊弘
キャラクターデザイン垣野内成美
森木靖泰(モンスターデザインほか)
アニメーション制作AIC
製作創映新社
ポニーキャニオン
発表期間1988年7月21日 - 1989年4月1日
話数全4話
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメ

『吸血姫美夕』(ヴァンパイア ミユ)は、1988年から1989年にかけて発売されたOVA。および、それを原作としてメディアミックス展開していった作品。
概要

闇の世界から人間世界へはみ出したはぐれ神魔と、それを狩ることを宿命とする主人公・美夕との戦いを描いた作品である。制作当時、アダルトアニメくりいむレモン』シリーズで知られていた創映新社が一般向けにも販路を広げた作品の1つでもあり、1988年から1989年にかけてOVA全4巻が発売され、並行して垣野内成美による漫画版が連載された。

本作に登場する「吸血姫」(「ヴァンパイア」とルビが打たれる)のイメージは、ゴシックホラー作品に登場するような欧米の吸血鬼をモチーフにしているが、そこに和テイストを組み込むことで、従来の吸血鬼ものとは大きく異なる独特の美観を作り上げている。この独自の世界が美しい作画と幻想的なストーリーによって支えられ、女子中高生に人気を呼んだ。1997年にはテレビアニメ化されている。
設定

OVA版・漫画版・テレビアニメ版では、それぞれ設定が微妙に異なる。OVA版は平野俊弘(現・平野俊貴)、垣野内成美森木靖泰、会川昇(現・會川昇)らの主要メンバーによる合作であったが、コミック版やテレビアニメ版は平野と垣野内の夫妻によるほぼ単独作品であるため、耽美な世界観を追求したOVA版とエンターテインメント性を追求したテレビアニメ版ではまったく世界設定が異なり、どちらの世界を好むかでファンによって好き嫌いが分かれる形となった。

OVA版では美夕はより小悪魔的に描かれ、美少年を誘惑しようとする場面もあり、少女の外見と相反する妖女的な魅力を持った存在として演出されている。なお、ラヴァはOVA版では話すことができないという設定になっている。
あらすじ

第1話から第3話までは京都を舞台に、次々と起こる奇怪な事件に遭遇した霊媒師・瀬一三子の目を通して、事件を引き起こす神魔たちとそれを狩るために出現する不思議な少女・美夕の戦いを描き、第4話では鎌倉を舞台に、美夕が吸血姫として目覚めるまでが描かれている。
登場人物
美夕(みゆ)
- 渡辺菜生子監視者として神魔を狩る吸血姫(ヴァンパイア)。普通の人間である父と先代の監視者である母との間に生まれた。伝説上の吸血鬼とは違って日中でも平然と活動し、十字架や聖水も受け付けない。美夕に血を吸われた者は幸福感の中で永遠の時を生きる。
ラヴァ
声 - 塩沢兼人美夕の忠実なしもべである西洋神魔。黒いマントで体を覆い、素顔は仮面で隠されている。武器は鋭い爪。監視者として目覚める前の美夕を始末するため日本にやってくるが、美夕に血を吸われ、罰として言葉と顔を奪われる。
瀬 一三子(せ ひみこ)
声 - 小山茉美強い力を持つ霊媒師の女性。依頼を受けてやってきた京都で美夕と出会う。本作における狂言回し


 ナレーションは納谷悟朗が務める。
スタッフ

企画、製作 - 吉田尚剛(創映新社)、丸山寿敏(
ポニーキャニオン

プロデューサー - 野村和史、三浦亨

原作、監督 - 平野俊弘

原作、キャラクターデザイン - 垣野内成美

モンスターデザイン、タイトルデザイン、舞台設定 - 森木靖泰

色彩設定 - 高安代利子

美術監督 - 中座洋次(第一話、第二話)、南郷洋一(第三話、第四話)

音楽 - 川井憲次

音響監督 - 山田悦司

撮影監督 - 小西一廣

アニメーション制作 - AIC

製作 - 創映新社、ポニーキャニオン

発売リスト

話数サブタイトル脚本絵コンテ作画監督発売日主要ゲスト - 声の出演
第一話妖の都
会川昇垣野内成美1988年7月21日都人 - 鳥海勝美
藍子の父 - 中村秀利
藍子の母 - 松岡洋子
第二話繰の宴1988年10月21日爛佳 - 荘真由美
柚樹桂 - 堀川亮
第三話脆き鎧平野俊弘垣野内成美
西井正典1988年12月21日レムレス - 三ツ矢雄二
鎧怪人 - 玄田哲章
第四話凍る刻垣野内成美1989年4月1日美夕の母 - 池田昌子
美夕の父 - 鈴木清信

主題歌

エンディングテーマ「吸血姫美夕」

作詞 - よしばもえ、作曲 - 川井憲次、編曲 - 川井憲次、歌 -
渡辺菜生子


メディアミックス
漫画版

漫画版は垣野内成美作のホラー漫画。『サスペリア』(秋田書店1988年4月号より断続的に連載された。

OVA版と同時期に連載された6話分が1989年に全1巻のコミックスとしてまとめられた後、スピンオフ作品の『吸血姫夕維』の連載をはさみ、1992年に『新・吸血姫美夕』のタイトルで連載再開。美夕がラヴァを奪回するために西洋神魔と戦う、「西洋神魔編」の物語が展開された。『新・吸血姫美夕』は1994年まで連載が続き、単行本は全5巻が発売された。

テレビアニメ化が行われた1998年には、『吸血姫美夕』のタイトルに戻した形で三度目の連載が行われる。連載はアニメ終了後も続き、2002年まで継続した。単行本は1989年のコミック『吸血姫美夕』を第1巻として再刊行し、第2巻以降に1998年連載分をまとめる形で、全10巻が発売された。

さらに2002年には秋田文庫にて文庫版の刊行が開始され、『美夕』全10巻と『新・美夕』全5巻の内容をすべて収録する形で、全10巻が発売された。

1989年版コミックスとコミックノベル版は平野夫妻の単独作品ではなくOVA版の漫画化作品のため、一時期は入手困難であった。

2017年から2020年まで、秋田書店が運営するウェブコミック配信サイト「チャンピオンクロス(2018年7月10日にマンガクロスへ移行)」にて『吸血姫美夕 朔』を連載。


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