吸入麻酔薬
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吸入麻酔薬(きゅうにゅうますいやく)は、呼吸器から吸収され作用を発現する麻酔薬である。主に呼吸器から排出される。現在存在する吸入麻酔薬はすべて全身麻酔薬である。

笑気以外は標準状態で液体であり、使用するには専用の気化器が必要である。また揮発させて使用することから揮発性麻酔薬と呼ばれる。セボフルランの気化器とイソフルランの気化器
吸入麻酔薬の種類

歴史については麻酔#歴史を参照。
現在主に使用されているもの

亜酸化窒素(笑気ガス)

セボフルラン

イソフルラン

デスフルラン

過去に主流であったもの・日本で使用されていないもの

ハロタン: 肝毒性のため使われなくなった[1]

エンフルラン: 代謝産物の腎毒性や痙攣誘発作用のために廃れた[2]

ジエチルエーテル: 引火性、刺激臭、導入・覚醒の遅さのために廃れた[3]

クロロホルム: 不整脈、肝毒性、腎毒性のために廃れた[3]

シクロプロパン: 引火性のため使われなくなった[4]

フルロキセン: 臓器毒性や引火性のため使われなくなった[5]

メトキシフルラン: 腎毒性のため使われなくなった[1]

吸入麻酔薬の特徴

肺から吸入され、血液を介し脳へ作用するのが吸入麻酔である。吸入濃度、肺胞濃度、血中濃度という順に変化するため、即効性の静脈麻酔薬に比べると麻酔導入が遅い。しかし、人工呼吸器を用いる場合は管理が非常に簡単なので麻酔維持によく用いられる。現在、小児など特別な麻酔を除き、導入は静脈麻酔薬で行われることが多い[6]
吸入麻酔薬使用の実際

映画等の誘拐シーンでは「白い布を口と鼻に当てると気体を吸い込んで眠ってしまう」というイメージで描かれているが、現実には困難である[7]。実際には全身麻酔を導入するときに吸入麻酔薬を用いると眠りに落ちるまで時間がかかること、その間体動がおこることなどの理由で通常はこのような方法は採らない。そのかわり静脈から麻酔薬を投与し吸入麻酔薬は手術中の麻酔維持に用いられることが多い。点滴に協力的でない小児の麻酔導入には吸入麻酔薬が用いられる。

手術中は酸素に混合して投与される。亜酸化窒素は麻酔作用が弱いので単独で全身麻酔に用いることはできない。
導入速度に影響を与える因子
肺胞換気量ガスを吸入できる量のことになるので大きいほど導入は早くなる。
機能的残気量肺内に含まれる空気の量になるので大きいほど導入は遅くなる。肥満者、妊産婦、仰臥位では横隔膜が挙上し、機能的残気量が減少するため導入が早いと考えられる。
換気血流分布の不均等肺気腫、気管支喘息無気肺の患者では血流への麻酔薬の移行が遅れるといわれている。
心拍出量心拍出量が多いと肺胞内濃度が上がりにくく、濃度勾配が作りにくく導入が遅くなると考えられている。
血液/ガス分配係数血液/ガス分配係数とは、血液/37℃、760mmHgにおいて血液1mlに溶ける麻酔ガスの量(ml)のことである[8]。小さいほど血液に溶けにくく、導入と覚醒が速い[8]
二次ガス効果二次ガス効果とは血液/ガス分配係数の低いガスを併用すると併用されている吸入麻酔薬の肺胞内濃度が上昇し吸収が速くなる現象のことである[9]。これは吸収の速いガスが肺胞から吸収された結果、他のガスが肺内に補充されるためにおこると考えられている[9]。例えば、笑気デスフルランを併用すると、笑気を用いない場合に比べてデスフルランの肺胞濃度上昇が速まることが実証されている[9]
吸入麻酔薬を特徴づけるパラメータ


最小肺胞内濃度(MAC)
詳細は「
最小肺胞内濃度」を参照
最小肺胞内濃度とは、1気圧下で100人に皮膚切開を加えて、このうち50人が体動を示さない吸入麻酔薬の肺胞濃度。鎮痛作用とは相関しない。およそ1.3MACで95%の人で体動を示さないといわれている。これをAD95ということもある。脂溶性の高い物質ほどMACが低い傾向がある。
最小肺胞内濃度(MACawake)麻酔覚醒時に1気圧下で100人に呼名応答・自発開眼を試し、このうち50人が応答・開眼を示す吸入麻酔薬の肺胞濃度。(MACより実用的なパラメーター)
吸入麻酔薬の利点

吸入麻酔薬の麻酔標的部位への結合はvan der Waals力による分子間力であるため、結合・解離が可逆的である。肺から血中に直接吸収排出されるため血中濃度が臓器代謝に影響されにくく麻酔導入・覚醒が確実。麻酔ガスの呼気終末肺胞濃度の測定から血中濃度が推定でき、標的臓器での麻酔薬濃度を確実にコントロールできる。
吸入麻酔薬の問題点
麻酔余剰ガス麻酔器APL弁(Adjustable Pressure Limit Valve)より流出するガスを余剰ガスと総称するが、揮発性麻酔ガスを使用する全身麻酔を行った場合、その排泄機構が十分であったとしても、導入時のマスク換気下に亜酸化窒素、揮発性麻酔ガスを使用すれば人体曝露は避けられない。また、亜酸化窒素は二酸化炭素を上回る赤外線保持能力を有し、地球温暖化への影響がある。日本では、吸入麻酔薬による全身麻酔の歴史が長く、現在でも多数の施設で日常的に行われている。人体曝露による影響について好ましくないと多くの手術室勤務者が認識しているにもかかわらず、積極的な改善策が講じられてきていないのが現状である。余剰ガスが及ぼす人体への影響については、現在でも明確ではない。これは、その調査がアンケートによってしか行われていないためであり、そのデータが必ずしも正確ではないためである。動物実験から得られる結果が、そのまま人体への影響とはならないため、結果に相違が生じるのである。


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