名鉄8800系電車
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名鉄8800系電車
登場当時の8800系「パノラマDX」
基本情報
運用者名古屋鉄道
製造所日本車輌製造
製造年1984年 - 1989年
製造数4編成12両
運用開始1984年12月15日
運用終了2005年1月29日
主要諸元
編成2両編成[注 1]
3両編成[注 2]
軌間1,067 mm
電気方式直流1,500 V
架空電車線方式
最高運転速度110 km/h
車両定員46名(モ8800形・1次車および1992年の改造後の2次車)[1]
48名(モ8800形・1992年の改造前の2次車)
39名(サ8850形・1992年の改造前)
62名(サ8850形・1992年の改造後)
全長19,880 mm (モ8800形)[1]
19,730 mm (サ8850形)[1]
全幅2,740 mm[1]
全高4,200 mm (集電装置付)[1]
3,880 mm (集電装置なし)[1]
台車住友金属工業 FS384(モ8800形)[1]
住友金属工業 FS098(サ8850形)
主電動機東洋電機製造 TDK825/1-A[1]
主電動機出力75 kW直巻整流子電動機端子電圧340 V・定格回転数2,000 rpm[1]
歯車比78:16=4.875[1]
制御方式抵抗制御
制御装置東京芝浦電気 MC-11C
制動装置発電制動併用電磁直通ブレーキ (HSC-D) [1]
保安装置M式ATS
第28回(1985年ブルーリボン賞受賞車両
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名鉄8800系電車(めいてつ8800けいでんしゃ)は、名古屋鉄道(名鉄)が1984年から2005年まで運用した特急用の電車である。愛称は「パノラマDX」(パノラマデラックス)。

名鉄の社内では5000系以降の高性能車について「SR車」[注 3]と呼称している[3]ことに倣い、本項でもそのように表記し、特に区別する必要がない場合は7000系・7500系をまとめて「パノラマカー」、7000系特急専用車については「白帯車」、本形式8800系については「パノラマDX」、1000系については「パノラマSuper」と表記する。また、特定の編成について記す場合は、豊橋方先頭車の車両番号をもって編成呼称とする(例:豊橋方先頭車の車両番号がモ8801の編成であれば「8801編成」)。
概要

観光特急用の車両として7000系7500系パノラマカー」よりも豪華な車内設備とし、日本では初めて最前部の展望席を高床式(ハイデッカー構造)とした車両で[4]、一般公募により「パノラマDX(デラックス)」という愛称がつけられ[4]1985年には鉄道友の会より第28回ブルーリボン賞受賞車両に選出された[5]
登場の経緯

名鉄は1961年以降に特急車両としてパノラマカーを登場させていた[6]。その後、パノラマカーの開発にかかわった白井昭はその発展型として「パノラマドームカー」の構想を策定した[7]。これは編成の前後だけではなく中間部にも床面を上げた2階席ドームを設けることによって[8]、先頭部の展望席とは異なる眺望を旅客に提供しようというものであった[9]。この案は実際に検討され検討用の模型[注 4]や2階席のモックアップも製作された[7]が、当時の社長だった土川元夫が「時期尚早」という判断を下したため、実現はしなかった[7]

その後1980年代に入ると、登場後20年を経過したパノラマカーの後継となる特急車両の登場が望まれるようになった[10]。この時期になると行楽旅行の形態にも変化があり、家族や小グループ単位での旅行が多くなっていた[10]。また名鉄沿線はマイカーの普及率が高く、小グループ単位での旅行に対応するためには、マイカーの良さを鉄道車両に導入することが必須であると考えられた[10]。こうした考え方を元に、マイカーにはないゆとりとくつろぎを乗客が得られるように、マイカーよりもゆったりとした居住空間を備えた個室様式の客室とした[10]上、先頭の展望席はハイデッカー構造とすることによって、新たな魅力を付加することとした[10]。また、車両愛称も一般公募により決定することになった[10]

この構想のもとに登場したのが、8800系「パノラマDX」である。
車両概説

本節では、登場当時の仕様を基本とし、増備途上での変更点とサ8850形については別途節を設けて記述する。更新による変更については沿革で後述する。編成については、#編成表を参照。
車体

制御電動車 (Mc1・Mc2)は全長19,880 mmの全鋼製車体で、側面窓は隅を大きな半径としており[11]、窓の幅は1,700 mmである[10]。レール上面から床面までの高さは、先頭部分の展望室では床を高くしたハイデッカー構造としたことから1,800 mm[12]、それ以外の客室では1,100 mmである[10]。客用扉は幅800 mm[10]の2枚折戸を2か所に配した[11]。車体色は薄いクリーム色を基調としてスカーレットの帯を窓の上下に配し、車体裾部分と屋根肩部分はグレーとした[13]
内装


展望席2人区分室


4人区分室(左)6人区分室の座席

客室の構成は、前寄りの扉より前方を展望席、それより後ろの部分には2人用と4人用の区分室を3室設け[14]、後ろ寄りの扉の両側は6人用区分室とした[12]。内装の配色は豪華で落ち着いた感じにまとめることをねらい[11]、天井と窓枠はパール色、窓の下は濃いクリーム色とし[10]、通路部分は青色の絨毯、客席部分には全面にベージュ色の絨毯を敷いた[11]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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