名誉市民(めいよしみん、英:Honorary Citizen)とは、主に次の3つの意味を持つ概念である。すなわち、
国家から名誉市民権を付与された外国人の栄誉称号のこと[1][注釈 1]。
地方行政区である省・州・都道府県の市民ないし出身者のうち著名な功績ある人物に贈る称号[2]。
市町村や特別区がそれぞれの分野で功績のある人物に対して、賞賛と尊敬を示して贈る称号[3][4](市町村に居住する高齢者に長寿を賀す趣旨で贈る場合もある[5])。
である。以下、類似の概念や称号を含めて紹介する。 国家の付与する名誉市民称号のうち、アメリカ合衆国名誉市民は最も著名な例の一つである。米国の場合、完全なる名誉称号であり、特権はもちろん米国市民権は付与されない[6]。カナダなどでも人種差別や民主化闘争の指導者に名誉市民権を付与しており、これまでにも南アフリカでアパルトヘイト(人種隔離政策)撤廃に尽力した同国大統領ネルソン・マンデラやミャンマーの民主化に功績あるアウンサンスーチーに名誉市民権を付与しているほか、2013年10月16日にはパキスタンの人権活動家でイスラム原理主義勢力タリバンから狙撃され、瀕死状態から回復したマララ・ユスフザイに名誉市民権を付与することを表明している[7]。 また、名誉市民称号に比等する称号は省や州、都道府県のような中間的な地方公共団体でも制定され、その行政区に在住または関係する住民・人物に贈られている。 中国では地方行政庁にあたる省で名誉省民の称号を贈呈している。1991年11月、日中両国のピンポン外交の立役者でもある愛知工業大学の後藤淳に対し、中国江蘇省から名誉省民称号が贈られているほか[8]、2001年には福井放送社長の伊藤嘉治に中国浙江省から日中友好の功績により、名誉省民の称号を贈られたのはその例である[9]。また、山東省の人民政府で栄誉公民の称号を贈呈しており[10]、これまで丸紅特別顧問の西田健一 韓国では地方行政区の道庁では名誉道民の称号を制定している[12]。 また、米国では個々の州で名誉州民の称号が制定されており、終戦後の日本でGHQに戦争孤児の救済に対する助言し、日本国内で赤い羽根共同募金の設立を提案したカトリック教会神父で社会事業家のエドワード・ジョゼフ・フラナガンは1965年に米国のネブラスカ州の名誉州民となっているほか[13]、1986年には日本貿易振興機構理事長の赤澤璋一に対し、米国コロラド州から名誉州民の称号を贈呈されている[14]。また、1991年には読売新聞社社長の小林与三次が夫妻で米国ワシントン州名誉州民称号を受称[15]。96年にはカンボジアで国連ボランティアとして活動中に銃弾に倒れた中田厚仁が、活動地域だった同国コンポントム州から名誉州民称号を贈られている[16]。
国家の名誉市民権と名誉市民の称号
省・州・都道府県など中間自治体における「名誉市民」称号
名誉省民・栄誉公民
名誉道民
名誉州民
名誉都民
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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