名詞
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名詞(めいし [注釈 1])とは、品詞の文法的分類)の一つで、典型的には物体物質人物場所など[1]具体的な対象を指示するのに用いられ[2]、時間の経過と関係のない概念[3]を表す語である。例えば、日本語の「」「」「若者」「野原」などは名詞である。

名詞は、動詞と並んで、ほとんど全ての言語に存在する品詞であると考えられている[1][2]。ただし、名詞と動詞がどのように区別されるかは言語によって異なり[2]、その区別を立てることが非常に難しいとされる言語もある[4]

名詞は開いた類である[2]が、イロコイ語族のように名詞の数が比較的少ない言語も存在する[5]
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出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2015年5月)

名詞と体言

自立語で、活用せず、(助詞を伴い)主語になる品詞を体言(たいげん)という。

体言を全て名詞とする説と、複数の品詞に分類し、その内主要なものを名詞とする説とがある。
名詞の種類

日本語の名詞の種類には、以下のようなものがある。名詞の範囲・分類には諸説あり、以下の種類は様々な分類に現れる種類を列記しているため、必ずしも相補的でない。また、それぞれの定義や範囲も説により異なる場合がある。
狭義の名詞
普通名詞
同じ種類に属する全ての事物に適用される名称を表す名詞
[6]

例: 「犬」「ピアノ」「時代」など。

固有名詞
人名、組織名や地名など、唯一無二である特定の対象を表す名詞のこと。文法上は、敬称を伴うときはこれも含めて固有名詞とすることが多い。

例: 「日本」「ウィキペディア」「NETFLIX」「佐藤さん」など。

形式名詞
用言について主部などを形成したり、他の文節との対応関係を作る(関係名詞も参照)形式的な名詞のこと。助詞を伴わず連用修飾語になれるものもある(「?するため?」の「ため」など)。

例: 「驚いたことがある」「大切なことはあきらめないことだ」などの「こと」、「横断するときは注意しましょう」の「とき」。
「彼に聞くのがいい」「あちらに着いてからが大事だ」などの「の」「から」も、機能は形式名詞に似るが、助詞に由来するので準体助詞(準体言助詞)と呼ばれる。なお、形式名詞は通常ひらがなで表記される。
動詞性名詞・サ変名詞
動作を表す名詞で、「する」をつけることで
サ変動詞となる。例の「テスト」のように、カタカナ語を含む。なお、文化庁の調査によって「お茶を飲む」ことを名詞に「する」をつけることによって「お茶する」と表現するなど、特定の行為を動詞性名詞によって表現することが確認されている[7]。例: 「勉強」「希望」「テスト」など。
名詞に含めないことがあるもの
代名詞
話し手・聞き手・対象の関係により意味するものが変化する名詞。

例: 「私」「それ」など。独立した品詞とするときは、「その」「そう」など(代名詞を独立させないときは連体詞や副詞とされる)を含めることもある。
「私」「あなた」のように人を指し示すものを人称代名詞、「これ」「そこ」のように物事や場所、方向などを指し示すものを指示代名詞と分類する場合もある。
数詞・数名詞・数量詞
物事の順序や個数、数量などを表す名詞。文法上は、単位助数詞を伴うときはこれも含めて数詞とすることが多い。通常の名詞と異なり、助詞を伴わず連用修飾語になれる。

例: 「1番」「2000年」「3個」「50g」「時速40km」など。

時詞・時名詞
時間を表す名詞。助詞を伴わず連用修飾語になれる。

例: 「今」「春」「さっき」「一昨年」など。

時数詞
助詞を伴わず連用修飾語になれるという共通点で、数詞・時詞などをまとめたもの。

例: (数詞・時詞以外に)「ほとんど」「それぞれ」など

形容詞性名詞・ナ名詞・ナニ名詞
形容動詞を認めず、名詞に助動詞の「だ」などが付いたと考えたもの。普通の名詞と違い、「な」を付けることができるかわりに、一部を除き格助詞などを付けることができない。名詞から独立させるほか、「だ」などを含め形容動詞(または形容詞の一種のナ形容詞)とすることも多い。

例: 「静か」「綺麗」「不思議」など。

意味による分類
抽象名詞
「自由」や「正義」などの抽象概念を表す名詞。
具象名詞・具体名詞
「鉛筆」や「寺」などの有形の物体を表す名詞。
名詞の構成

次のようにしてできた名詞もある。
転成名詞
他の品詞から名詞に変わったもの。

動詞・形容詞の
連用形がそのまま名詞として使われる(例えば、「帰り」「遠く」など)。

形容詞・形容動詞の語幹に「さ・み・け」が付いて、名詞になる(例えば、「寒い+け=寒け」「静かだ+さ=静かさ」など)。

複合名詞
二つ以上の
単語が結びついてできた名詞(例えば、「春+風=春風」「上る+坂=上り坂」など)。
名詞句詳細は「名詞句」を参照

名詞または代名詞を主要部(主辞)とする、または名詞と同じ働きをする句。統語論、特にXバー理論においては、修飾語句を伴わない単独の名詞・代名詞も、1語で名詞句を成しているとされる。

例えば、「美しい花が咲いている」という文には「美しい花」という句が含まれているが、その構成は修飾語(「美しい」)+名詞(「花」)である。主要部が名詞であることから「美しい花」は名詞句となる。仮に「花」を取り除いて「美しいが咲いている」とすると、構文として正しくなくなる。「△が咲いている」の「△」は名詞(句)でなければならず、「美しい」(形容詞)はその主要部に成り得ない。統語論では、これは「咲く」という動詞が、主語の役割を果たす名詞句をとして要求するためだと解釈される。

また、「父が母にしたことは偉大だ」という文において、「父が母にしたこと」を「それ」という代名詞に置き換え、「それは偉大だ」と言うことが可能なので、「父が母にしたこと」という句は名詞と同じ働きをしていることになり、名詞句だとみなされる。同様に、「美しい花が咲いている」も「それが咲いている」と言い換えることが可能である。
名詞節

述語が名詞と同じ働きをしているもの。

例えば、「息子が大学に合格するのを心待ちにしている。」という文章では、「息子が大学に合格するの」が名詞節にあたる。
名詞法

動詞や形容詞を活用の連用形に変換させたり、接尾辞をつけて、名詞として扱う用法。

例: 「行う」 → 「行い」、「広い」 → 「広さ」など。
法則性

日本の国語学者、大野晋は、日本の9古典作品の品詞の構成比に関し、名詞・動詞・形容詞・形容動詞、その他の構成比を統計比較し、万葉集から源氏物語の値を端点として各々を結ぶと、名詞は単調減少の直線となり、名詞以外は単調増加の直線となり、ここに、他の7作品の百分率を、同一のグラフの上に目盛ると、その各点は上記の3本の直線上に、ほぼ垂直に並ぶ事を発見し、1956年に発表、その後の研究により一般化された。詳細は「大野の語彙法則」を参照
朝鮮語
自立名詞

自立名詞 (じりつめいし、????、チャリムミョンサ、?????、オングニルムシ)とは名詞自体に意味があって他の言葉無しで自立して使える名詞を指す。

固有名詞特定の人・対象を指す名詞。人名・ 国名・地名・社名などがこれに当たる。??(新羅)、??(漢江)…


普通名詞一般的な対象を指す名詞。??(空)、??(木)、??(愛)…


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