名探偵ポワロ
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この項目では、イギリスのTVドラマについて説明しています。

本作およびその原作の推理小説シリーズの主人公については「エルキュール・ポアロ」をご覧ください。

日本のアニメについては「アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル」をご覧ください。

名探偵ポワロ
Agatha Christie's Poirot

ジャンル推理ドラマ
出演者デヴィッド・スーシェ
ヒュー・フレイザー
フィリップ・ジャクソン
ポーリーン・モラン
製作
制作ITV

放送
放送国・地域 イギリス(製作国)
放送期間1989年 - 2013年
放送時間不定期
回数全70
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『名探偵ポワロ』(めいたんていポワロ、原題:Agatha Christie's Poirot、2003年以降の第9シリーズからはAgatha Christie:Poirotに変更されたが日本版の題名は変わらず)は、1989年から2013年にかけて、イギリスのロンドン・ウィークエンド・テレビ(London Weekend Television)が主体となって制作した、アガサ・クリスティ原作、探偵エルキュール・ポワロ[注 1]を主人公としたテレビドラマ。
概要撮影風景(中央の人物がポワロ役のデヴィッド・スーシェ)

原作を重んじた丁寧な作りが放映開始当初から支持を集め、「エルキュール・ポワロ・シリーズの映像化作品における決定版」といわれる本作は、初期は短編の映像化をメインに、短編を消化した後は長編に移行して制作された。

そのため原作全ての映像化が期待され、本作でポワロ役を演じたデヴィッド・スーシェ自身も前向きであったが、シリーズ中期以降、企画当初からのプロデューサーの退任や制作母体の変遷など苦難が続き、制作されない時期もあった(2007年に予定されていた第11シーズンの放送が2008年にズレ込み、告知のあった『オリエント急行の殺人』を含む各エピソードも先送りされるなどしていた)。こうした困難を経ながらも、長年のファンの期待に後押しされるように断続的に制作は続けられた。

そして2013年6月、第13シリーズをもってついにほぼ全て[注 2]の原作の映像化という偉業を達成。放映開始から24年目にしてシリーズ完結となった。
キャスト

最も原作に近いポワロとしばしば賞賛されるデヴィッド・スーシェの演技が良く知られている。スーシェは原作を徹底的に研究し[1][2][3]、多くの俳優に演じられてきた「名探偵エルキュール・ポワロ」のイメージを決定付ける名演を見せた[4]

原作においては部分的な登場であった助手のアーサー・ヘイスティングズ大尉(ヒュー・フレイザー)、スコットランドヤードジェームス・ハロルド・ジャップ警部(フィリップ・ジャクソン)、秘書のミス・レモン(ポーリーン・モラン)をほぼレギュラーとして登場させることで、ポワロを取り巻く人間関係にドラマオリジナルのキャラクター性を加えられている。彼らのユーモラスな掛け合いもドラマ版ポワロの魅力として認識されており、2004年の第9シリーズ以降登場していなかったが、最終シリーズである第13シリーズにおいて再集結を果たした。またゲストヒロインを始めレギュラー以外の登場人物の年齢が原作より高めに設定されており、「大人のドラマ」という側面が強調されている[要出典]。

演者吹き替え主要人物役職・称号登場シリーズ登場期間
NHK版デアゴスティーニ版
デヴィッド・スーシェ熊倉一雄大塚智則エルキュール・ポワロ探偵1 - 131989年 ? 2013年
ヒュー・フレイザー富山敬
(第1 - 6シリーズ)
安原義人
(第7 - 8、13シリーズ)宮健一アーサー・ヘイスティングズ陸軍中尉
(第3シリーズ第1話)
陸軍大尉 / OBE受勲者1 ? 8、
131989年 ? 2002年、
2013年
フィリップ・ジャクソン坂口芳貞弓家保則ジェームス・ハロルド・ジャップ警部
(第1 ? 8シリーズ)
警視監
(第13シリーズ)1 ? 8、
131989年 ? 2001年、
2013年
ポーリーン・モラン翠準子ひなたたまりミス・フェリシティ・レモン秘書1 ? 3、
5 ? 8、
131989年 ? 1991年、
1993年 ? 2001年、
2013年
ゾーイ・ワナメイカー藤波京子
(第10シリーズ)
山本陽子
(第11 - 13シリーズ)北林早苗アリアドニ・オリヴァ夫人推理作家10 ? 132006年 ? 2013年
デイビット・イェランド堀部隆一
(第10シリーズ)
坂本大地
(第11 - 13シリーズ)真田雅隆ジョージ執事10 ? 132006年 ? 2013年



時代設定

原作の「エルキュール・ポワロ」シリーズは第一次世界大戦直後の1920年代から時代が進んでいくのに対し、このドラマでは1930年代に概ね固定されている。特にジャロー十字軍(『ヒッコリー・ロードの殺人』)やフレッド・ペリー全仏オープン優勝(1935年)などのエピソード(『雲をつかむ死』)が物語に絡められている事から、第二次世界大戦前夜の1930年代後半期が背景にされていると見られる[注 3]

こうした時代設定を踏まえて、美術面などでアール・デコ風の装飾を採用しており[注 3]、原作の持つ独特の雰囲気を演出することに成功している。ポワロの架空の住まい「ホワイトヘブン・マンション」は、実在するアール・デコ様式の建物フローリンコートの外観を使用している。
日本放映

日本ではNHK1990年から日本語版の放映を開始。ポワロの吹き替えにはベテラン声優の熊倉一雄を起用し人気を博した。熊倉とスーシェの声質は必ずしも似ているわけではないが、その独特の語り口はスーシェ同様日本におけるポワロのイメージとして定着するに至った。スーシェ本人からも「熊倉の声が最もポワロの声によく似合う」とお墨付きをもらっている[注 4]。ヘイスティングスの吹き替えは第45話(『もの言えぬ証人』)まで富山敬が担当、富山の死後となる第47話(『エッジウェア卿の死』)から安原義人が新たに担当した。

NHKの日本語版はオリジナル版とは放送順が替えられていたり、放送時間の関係で数分のカットシーンが存在する(カットシーンについてはソフト化の項を参照)。またオリジナル版の後期シリーズでは使われていないオープニング・エンディング映像は、日本語版では短縮された形で使用され続けた。新作が作られる度に、版権処理や日本語化作業のためオリジナル版から1?3年程遅れて、主に海外ドラマ枠として年末年始や夏休みに放送されていたが、後期シリーズは衛星放送のみの場合が多かった。再放送も随時行われているが、近年ではAXNミステリーシネフィルWOWOWといったCSでも放送されている。

最終第13シリーズの日本語版初回放送に先立ち、ドラマ制作にまつわる秘話・最終収録に臨む想いなどをまとめた特別番組『さよならポワロ!?世界が愛した名探偵・25年の軌跡?』が放送された[注 5]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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