名探偵コナン_世紀末の魔術師
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名探偵コナン 世紀末の魔術師
Detective Conan
The Last Wizard of the Century
監督こだま兼嗣
脚本古内一成
原作青山剛昌
出演者高山みなみ
山崎和佳奈
神谷明
山口勝平
茶風林
緒方賢一
岩居由希子
高木渉
大谷育江
堀川亮
林原めぐみ
音楽大野克夫
主題歌B'zONE
撮影野村隆
編集岡田輝満
制作会社キョクイチ東京ムービー
ファニメーション(英語版)
製作会社小学館
よみうりテレビ
小学館プロダクション
ポリグラム
東宝
キョクイチ東京ムービー
配給東宝
公開 1999年4月17日
2009年7月17日
上映時間100分
製作国 日本
言語日本語
興行収入26億円[1][2][3][4][5]
配給収入14億5000万円[6]
前作名探偵コナン 14番目の標的
次作名探偵コナン 瞳の中の暗殺者
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『名探偵コナン 世紀末の魔術師』(めいたんていコナン せいきまつのまじゅつし)は、1999年4月17日に公開された劇場版『名探偵コナン』シリーズの第3作目にあたる劇場版アニメ。上映時間は100分[注 1]興行収入は26億円[1][2][3][4][5]配給収入は14億5000万円[6]、観客動員数は216万人。アメリカ合衆国で2009年7月17日に公開された。キャッチコピーは「世紀末最大の謎を解くのは誰だ!?」。
概要
作品概要

本作の舞台は大きく3つに分けられており、前半が大阪、中盤が豪華客船、後半が古城で構成されている。

劇場版初登場のキャラクターが多く、灰原哀高木渉服部平次[注 2]遠山和葉鈴木史郎茶木神太郎中森銀三怪盗キッドが劇場版シリーズに初登場した[注 3]。ただし、平次はキッドを追跡中に交通事故で負傷してしまったため、和葉と共に前半のみ登場しており、出番は少なかった[注 4]。同様にキッドも、スコーピオンに狙撃され生死不明になったため、変装なしでの登場は前半のみだった。以上の本作初登場のキャラクター中で灰原は、以後の劇場版でも既に第1作から連続登場が確定しているコナン(新一)、蘭、小五郎、博士、少年探偵団、園子と同様に、毎回必ず常連メンバーとして登場する事となる。また、2018年10月17日田中信夫が死去したため、田中が演じる茶木が登場する映画は本作のみであり[注 5]、後任は決まっていない。

冒頭の作品解説で恒例の「コナンの正体を知っている人物」のメンバー紹介に、本作から灰原が新しく加わっている。

本作の公開当時に発売された『週刊少年サンデー』の原作では「命がけの復活」シリーズが連載されていた。その影響もあって、コナンの正体を蘭が疑っていくという原作と似た展開になっている[注 6]。また、怪盗キッドがコナンの正体を新一と認識したのも本作からで、後に原作やテレビアニメでも、その認識をしているうえでコナン(工藤新一)の母親である工藤有希子について話す展開が描かれる。

山口勝平はキッドとの兼任だが、ラストに登場する新一はキッドが変装した姿であり、本物の工藤新一の出番は極めて少なく、冒頭の解説を除けば台詞は1つだけであった。

本作以降、キャラクターデザインが原作の絵柄に近くなっている。また、グッズやプログラムに作品名の英語表記が入るようになった。

恒例のダジャレクイズで、阿笠博士が出題した初の作品である[注 7]

ストーリー前半の舞台が大阪であることから、その名所が数多く登場している。新幹線でコナンたちが降り立った新大阪駅から、大阪城通天閣大阪ドーム、公開当時の読売テレビ社屋など、実在する建造物を多数見ることができる。大阪は本作以降の劇場版シリーズでも、平次たちが住んでいることから連絡中に背景として描かれることが多い。

公開当時は未解明だった歴史上の出来事に独自の解釈を加え、ストーリーの軸にしている。歴史上の出来事をストーリーに絡めたのは劇場版シリーズ史上初で、ニコライ二世グリゴリー・ラスプーチンマリア[注 8]など実在の人物が深く関わっている。また、『コナン』シリーズはその後も作中での時間軸が中々進まない設定で毎年の季節だけ現実に沿ってループして続いていき、年代などの明言はなされていないが、本作の年代イメージはタイトルにもあるように公開時の20世紀末となっている[注 9]

当初、キッドが狙うのは幻の青いバラだったが、青山剛昌のスタッフがテレビでインペリアル・イースター・エッグを見て報告したことでロマノフ朝にまつわるストーリーが生まれた。

藤田淑子が演じる浦思青蘭のセリフ「馬鹿な坊や」は収録中のスタジオ内で流行り、誰かがミスをしたら言い合っていたという。

2013年11月からテレビシリーズの主題歌を歌ったVALSHEは、本作に聞き間違えたロシア語として出てくるセリフ「バルシェ・ニクカッタベカ」を芸名の由来としている[7]

ファニメーションによって英語吹き替え版が制作された。英語名は「Case Closed: The Last Wizard of the Century」。

2016年に開催された歴代映画19作品の人気投票で、今作は7位を獲得した[8]
製作状況

今作の特徴はコンピュータ作業を加えた事で、新大阪駅から鈴木近代美術館に移動するまでのビルの映像や鈴木家の船で東京に戻るシーンの海、ゲストキャラクターの名前表示のスーパーなどに新たな試みが施されている。
ストーリー

鈴木財閥の蔵からロマノフ王朝の遺産、「メモリーズ・エッグ」と呼ばれる51個めの「インペリアル・イースター・エッグ」が見つかったため大阪で展示することとなり、怪盗キッドからエッグを盗み出すという、暗号による予告状が届いた。警察は日付を8月22日から23日にかけての夜、大阪城からキッドが現れると読解し、小五郎は具体的な時刻を午前3時とした。コナンたちや服部平次遠山和葉らが鈴木財閥の会長のもとを訪れると、ロシア大使館一等書記官のセルゲイ・オフチンニコフ、美術商の乾将一、ロマノフ王朝研究家の中国人・浦思青蘭、映像作家の寒川竜がおり、彼らはみなエッグを狙っていた。コナンと平次は、キッドの予告した時刻が実際は午後7時20分で、場所は通天閣であることにその直前になってから気付く。中森警部は偽物のエッグを展示室へ移し、限られた人間だけで本物のエッグをあるビルの一室で警備していたが、キッドは鳩に取り付けたカメラからそのことを知り、街中を停電にして、病院やホテルなど以外で自家発電が稼働する場所を探すことによって位置を特定し、エッグを盗み出した。キッドを追跡する途中、平次はバイクで転倒してしまい、無事だったコナンだけで追跡を続けるが、コナンは負傷した鳩とエッグ、破損したキッドのモノクルを発見する。キッドは撃たれて海に落ちたものと思われたが、キッドの生死は確認できなかった。

エッグは傷がついていないか調べるため、展示を中止し鈴木財閥の船で東京へ持ち帰ることとなった。船にはコナンやセルゲイたちの他、パティシエの香坂夏美が同乗していた。彼女はエッグ製作者の工房で働いていた香坂喜市という男の曾孫であり、喜市が描いたと思われる図面がメモリーズ・エッグの写真と違うというので、執事の沢部蔵之助を伴って財閥を訪れていたのだった。その図面には2つのエッグが描かれていたことがわかり、さらに鈴木財閥の所有するエッグにはめ込まれていた鏡は魔鏡となっていて、ドイツ風の城が映し出された。これは喜市が横須賀に建てた城であり、小五郎はそこに2つ目のエッグが隠されていると推理し、コナンやセルゲイたちもそこへ同行することに決まるが、寒川が右目を撃たれ、死んでいるのが発見される。彼の部屋は荒らされており、彼が見せびらかすように身につけていたニコライ二世の娘、マリアの指輪や、撮影したビデオテープがなくなっていた。寒川の部屋から鈴木会長の秘書、西野真人のボールペンが発見され、西野の部屋に指輪が隠されていたが、コナンは西野が羽毛アレルギーであることを指摘し、寒川の部屋の羽毛枕が切り裂かれていたことから疑いを晴らし、阿笠博士に調べてもらった情報から、ロマノフ王朝の遺産を専門に狙い、常に右目を撃つ強盗・スコーピオンが犯人であると指摘する。西野に恨みを持つ寒川が彼を指輪泥棒に仕立て上げようとしたものと、スコーピオンの正体を示すなにかを撮影してしまった寒川が襲われたものの、2つの事件が重なっていたのだった。

捜査のため船へやってきた白鳥刑事も交え、城へやって来たコナンたちは地下室への入口を見つけ、ロシア語で「世紀末の魔術師」という意味のパスワードを入力して中へ進入する。これはかつて喜市が呼ばれていた異名で、キッドも予告状にこの文句を使っていた。地下の奥にはロシア皇帝の紋章に光を当てると道が現れる仕掛けがあり、更に先へ進むと桐で作られた西洋風の棺があった。中身はもう1つのエッグと遺骨であり、これは夏美の曾祖母にあたる、喜市のロシア人であった妻であると思われた。もう1つのエッグは空であり、鈴木財閥のエッグを入れることが出来るようになっていた。白鳥が鈴木会長から借りてきていたエッグを入れて、下から光を当てると周囲にニコライ皇帝一家の写真が浮かび上がる。その中には一切写真が残っていなかった、夏美の曾祖母が喜市とともに写っているものもあり、夏美やマリアによく似ていた。セルゲイは夏美が持つにふさわしいとして、ロシアが鈴木財閥のエッグの所有権を放棄することを宣言し、小五郎もエッグを夏美に譲るよう鈴木会長に口添えする約束をしたところで、小五郎がスコーピオンに狙われ、スコーピオンはエッグを奪って逃げてしまう。コナンは途中で射殺された乾を見つけつつもスコーピオンを追い、スコーピオンが城へ放火したところで、コナンは殺された寒川や乾のものを含む、色々な人物の声でスコーピオンの正体である青蘭を翻弄する。彼女は本当はロシア人であり、浦思青蘭の中国語読み、「プース・チンラン」は「ラスプーチン」のアナグラムで、彼の末裔だった。青蘭はロマノフ王朝の財宝は本来、皇帝一家と縁深かったラスプーチンのものになるはずだったと考えており、寒川を殺害した理由は飾っていたラスプーチンの写真を撮られたと思ったため、小五郎を襲ったのはラスプーチンを「世紀の大悪党」と評したためである。コナンは拳銃に装填された最後の一発を撃つよう挑発するが、右目を狙った弾は眼鏡に弾かれる[注 10]。青蘭は弾倉を交換し再度撃とうとするもキッドのトランプ銃に阻まれ、コナンはキック力増強シューズで青蘭を気絶させる。

事件解決後、探偵事務所に戻ったコナンは、限界を感じて蘭に自分の正体を明かそうとするが、そこへ新一に変装したキッドが現れる。コナンたちの会った白鳥刑事はキッドの変装であり、彼はエッグを夏美に返そうと画策していたのだった。コナンはキッドに、夏美の曾祖母とはマリアであり、彼女の遺体が見つかっていないのは喜市に助けられ日本へ逃れたためで、香坂家の城がドイツ風だったのは彼女の母親がドイツ人だったため、という推理を語るが、キッドは「世の中には謎のままにしておいたほうがいいこともある」と語り、コナンも同意する。キッドはコナンや蘭が保護していた鳩とともに去る直前、「何故自分が新一の姿で蘭の前に現れ、厄介な敵であるコナンを助けたのか」という謎をかけるが、コナンは「そんなものは謎でもなんでもない、鳩を手当した礼だろう」と、心の中でキッドに呼びかけるのだった。

帰宅後、蘭に何故引き止めておいてくれなかったと注意されるコナンだったが、「新一にいちゃん、『また来る』って!」と、嘘の伝言をする。その直後、蘭は新一(に、変装したキッド)に渡す予定だったハンドタオルを宙に浮かせ、空手チョップで三枚おろしにし「今度会った時には、こうしてやるんだから!!」と意気込む。割れた内の1枚がコナンの頭に乗り、モノローグで「当分元には戻れねえな、こりゃ…」と苦笑いする場面で、終幕を迎える[注 11]
登場人物
レギュラーキャラクター「名探偵コナンの登場人物」も参照
江戸川 コナン(えどがわ コナン)
- 高山みなみ本作の主人公。本来の姿は「東の高校生探偵」として名を馳せている工藤新一だが、黒ずくめの組織に飲まされた毒薬・APTX4869の副作用で小学生の姿になっている。


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