名古屋環状2号線
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名古屋環状2号線(なごやかんじょう2ごうせん)は、愛知県名古屋市の外周部を通り、名古屋市を中心に放射状に伸びる幹線道路と主要地点で連結する、延長約66.2 km(専用部66.2 km・一般部58.6 km)の環状道路である[1]。名古屋圏において東海環状自動車道とともに2つの環状道路と位置づけられている[2]
概要名古屋環状2号線と周辺道路の位置関係図。

名古屋環状2号線は、名古屋都市圏の環状道路の一つとして計画された[3]。名古屋における環状道路は、従来は名古屋市道名古屋環状線があったが、激増する交通需要による都市圏の過密化対策として、もう一つの環状道路を造る必要が生じた[3]。このため、第2の環状道路が名古屋環状線の外側に建設されたが、これが名古屋環状2号線である[4]自動車専用道路部分である専用部と、一般国道部分である一般部を併設する構造として設計されている[5][6]。名古屋環状2号線は専用部と一般部の総称であり、伊勢湾岸自動車道名古屋南JCT - 飛島JCT間と名古屋第二環状自動車道(名二環)は専用部の路線名、国道302号は一般部の路線名である[6]

当該道路は名古屋市の金山を中心とした東西約15 km、南北約20 km、総延長66.2 kmの環状道路である[7]。その役割とは自動車交通処理機能(環状道路の三大機能としての通過交通の都心乗入れを防ぐ機能、郊外から都心部へ流入する交通の分散導入、放射道路の内の1本が通行止めになった場合の迂回機能)を発揮することで過密化する都心部の交通量を抑え、渋滞緩和に資することである[8][9]。また名古屋環状2号線には、物流拠点をはじめ各種工場、市街地を環状道路周辺に呼び込むことで無秩序な開発を防ぎ、計画的な街造りと経済発展に寄与する都市開発機能および、電気、ガス、電話などの管、ケーブルを収容する共同溝を併設し、災害対策や街の美観を維持する役割も併せ持っている[注釈 1][9][10]。このように当該道路は、自動車交通処理以外にも都市計画面の役割も併せ持つ2つの機能を持っている[11]。名古屋環状2号線は託された2つの機能を有効に発揮するために、都心部の外周に位置することが必要であり、さらには都心部と出入する名古屋高速道路、一般国道、主要地方道と連絡することで円滑な交通流動を確保している[11]

名古屋環状2号線は計画段階では主として名古屋市と愛知県によって計画推進されたが、1969年(昭和44年)から1974年(昭和49年)までの間に国道302号に路線指定され、国の直轄事業となって以降は建設省(現・国土交通省)の手によって建設された[12]。また1979年(昭和54年)に名古屋港にかかる斜張橋名港トリトン[13]、および1982年には陸上区間の専用部が日本道路公団(現・NEXCO中日本)によって事業化されている[14]。自動車専用道路は2021年(令和3年)5月1日の名古屋西JCT - 飛島JCT間の開通をもって全線開通[15]、一般道路は2011年(平成23年)3月28日に春日井市新地蔵川付近の開通により、陸上部の全線58.6 kmが開通した[16]

一般部(国道302号)は原則として片側2車線の本線車道バスレーン植樹帯遮音壁、サービス道路(ない区間もある[17])および自転車歩行者道(自歩道)が整備される計画となっている[18][19]。専用部は原則高架であるが、東半分(松河戸IC - 名古屋南JCT間)については起伏の変化が激しい地形であるため、半地下およびトンネル構造を組み合わせている[17]

名古屋環状2号線の標準断面図を以下に示す。左が高架構造、右が半地下構造である。図は代表的な構造で場所により違いが生じる。一般部の上または下に高速道路(専用部)が配置される2階建て構造の道路である[6]。一般部は日常に利用されている街路と同水準の役割が期待されることから、沿道の地盤と同一高さであり、交差道路とは平面交差で連絡する[20]。一方で専用部は自動車専用道路によって環状道路の機能を効率的に発揮するために設置され[21]、一般部の中央部に高架、または掘割(半地下)で構築することで、交差する道路とは全て立体交差であり、専用部と一般部(または交差する道路)の連絡はランプウェイによる接続となっている[20]
路線データ
専用部


延長 : 66.2 km
[1]

規格 : 2種1級[1](名古屋南JCT - 飛島JCT〈名古屋港経由〉は1種2級[22]

設計速度 : 60 km/h[1](名古屋南JCT - 飛島JCT〈名古屋港経由〉は100 km/h[22]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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