名古屋弁
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独自研究が含まれているおそれがあります。(2007年6月)


名古屋弁

名古屋弁番付表(秀松堂光楽・名古屋市中区)
話される国 日本
地域 名古屋市
言語系統日琉語族

日本語

東日本方言

東海東山方言

岐阜・愛知方言

尾張弁

名古屋弁






言語コード
ISO 639-3?
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名古屋弁(なごやべん)とは、日本愛知県西部(尾張国)で話される日本語の方言である。岐阜県美濃弁などと同じく東海東山方言岐阜・愛知方言(ギア方言)グループに属している。

狭義には名古屋市中心部で話される方言を指すが、広義には周辺地域で話される尾張弁知多弁を含む。本項では広義の名古屋弁の中で特に尾張弁を中心に扱う。

同じ愛知県であっても東部(旧三河国ないしは旧額田県)で話される方言は三河弁であり、名古屋弁とはアクセント・表現ともに異なる点が多い。一方で、名古屋弁は岐阜県の美濃弁との共通点が多い。

名古屋弁は、江戸時代に当時の新興都市である名古屋なり江戸なりで全国から流入した住民の方言が混交して成立したという、東京方言と共通した歴史をもつ[1]。文法の根幹は共通語と同一で、共通語を対象とした一般的な文法用語・分類をそのまま適用可能であるため、本項でも適用する。

アクセントは内輪東京式に分類されるが、文法は関西的要素が多い。共通語の文法も東京近郊の在来の西関東方言に比べれば関西的なのだが、名古屋弁のそれはさらに幾分か関西的である。愛知県の方言は西日本方言と東日本方言の境界地帯にあたり、文法は西日本的、音韻・アクセントでは東日本的な特徴を持っている。
はじめに

名古屋弁の発音の特徴として、共通語で「あい」または「あえ」という母音の連続(連母音)がアとエの中間に当る母音(非円唇前舌狭めの広母音)を伸ばした「えぁ」(国際音声記号:[a?])に置き換えられることが挙げられる。これはアメリカ英語の「can」や「cat」の母音([a])を長く伸ばした長母音であり、共通語には無い音である。例えば「無い」がよく「にゃあ」や「にゃー」([?ja?])のように表記されるが、実際は共通語の拗音とは異なる音である。例えば「ねこがにゃあとにゃあた(猫がにゃあと鳴いた)」という文では一つ目と二つ目の「にゃあ」は表記は同じでも別の音である。前者は共通語の「にゃあ」([?ja?])と同じであり、後者は「ねえ」と「なあ」の中間の「ねぁ」([na?])である。本項では両者を区別するため後者の音を「エ段のかな+ぁ」で表記することとする[2]。すなわち先の例は「ねこがにゃあとねぁた」と表記する。

映像外部リンク
金鳥 アミライト放談 名古屋弁 - YouTube

名古屋弁の種類
上町(うわまち)言葉

狭義の名古屋弁。名古屋ことばとも呼ばれ、柔軟で温かみがあり、話し相手に対し丁寧かつ上品でおおらかな印象を与える[3]。もとは清洲越しの際に名古屋へ移った富商が住む、名古屋市広小路通以北の碁盤割の城下町にて話された[4]。昭和期まで引き継がれたが、名古屋大空襲による戦災と大胆な戦後復興による地域社会の崩壊の影響などを受け、衰退が著しく、その後下町言葉に主役を取って代わられた。

おもに6つの大きな特色がある[3]
語尾に「なも[注釈 1]」「なもし[注釈 2]」「えも[注釈 3]」がつく - 「お丈夫だなも」「まぁ、ええかゃぁも」と語尾につけることにより、言葉の調子をやわらかくする。

敬称に「さま」がつく -「おばばさま(祖母)」「にいさま(兄)」 「おっさま(宗派に関わらず和尚全般)」等。中流・上流家庭で用いられた言葉。また、「おばちゃま」など現代の「ちゃん」は「ちゃま」となる。

古語が生きている - 「気がずつなゃぁ(窮屈な気持ち、遠慮がちな気持ち)」「おいてちょうだゃぁ(やめてちょうだい)」「米をかしてちょうゃぁ(米を研いでちょうだい)」「食べあぐむ(食べ過ぎてウンザリする)」

京言葉が入っている - 「ようけ(余慶)」「ぎょうさん(仰山)」ともに『たくさん』という意味。

あそばせ言葉 - 「ごまゃぁすばせ(ごめんください・すみません)」「いらゃぁすばせ(いらっしゃい)」語尾の『すばせ』とは、丁寧なことばの中にも体裁をつくろう表現。主に女性が使うとされる。

武家言葉 - 目上の者には「ご無礼いたしまする(非礼を詫びる意ではなく、《お先に》失礼しますの意)」「○○(名前)でござりまする」対等の者には「ござる・存ずる・参る・ほい[注釈 4]」目下の者には「ござれ・参れ・やい[注釈 5]」主に男性が使うとされる[5][6]


「こんなところではなんでござりまするに、ちょこっとそこまでおあがりあそばぃてちょうでぁーぃあすばせ。」
「ありがとうござりまする。ここで結構でござりまする。やっとかめで、名古屋へ出てまぁーりましたものだで、ひょっとしてお目にかかれたらと存じまして、寄らせていただきましただけでござぁーいますもんだで。」
「イイエ、ナモ。ほんなこといわんと。あなたさまもせっかくここまで来てちょうだぃしたことですに、サアサア。年寄りもおりますことですに、サア、ここまでおあがりあそばぃてちょうでぁーぃあすばせ。ナモ。」 ? 昭和27年 尾関うら・大杉ぎん両氏の会話録音から[7]



下町言葉

「がや、がね」を用いるのが最大の特徴。よそ行きの言葉ではなく仲間同士の内輪で使われるため、上町言葉に比べ粗雑であるとされる。もとは職人や小商人、農民が暮らす庶民の居住地域で使われていた。尾張言葉を主軸に、1610年の名古屋開府以来、周辺農村部や三河、美濃などからの移住者が持ち込んだ各地方の言葉が融合し合い、さらに都市生活の複雑な対人関係の中で、周辺農村部の言葉とは異なる独自の言葉が発達したとされる。例として「とよさん」を呼ぶ場合は、上町では「とよさま」となるところが下町では「おとよさ」とくだける。「遅くなった」と言う場合は上町では「おそうなりました」下町では「おそなった」となる。「おそがい(恐ろしい)」「ちょうらかす」も下町ことばである。
その他

現在は使われないが、尾張藩の士族層では「のん」の使用など三河弁の影響が強い「武家言葉」が話され、上町言葉と類似点も多かったという。江戸時代中期から後期にかけて上町言葉や下町言葉と漸次融合し、次第に失われたとされる。(例)「そおきょん、良かったのん」(そうか、良かったね)、「おっかそん、ごらんぜよ」(母上様、ご覧ください)

また芸者屋や中村遊廓などの花街地域では徳川宗春の時代に京や江戸から名古屋に移住した遊女や芸者や舞妓が使っていた言葉や上町言葉などの言葉が昭和初期まで名古屋の花柳界特有の言葉(遊ばせ言葉など)として存在していたが、現在ではほとんど使われていない。他にも熱田神宮がある熱田(宮宿)の地域では熱田弁(宮言葉)などもあった。

かつては、織田信長豊臣秀吉の上洛以降、二者が天下を統一したことで大勢の家臣がへとなだれ込み、京においては高貴な身分の者も低き身分の者も、京言葉に名古屋弁が多く混じったとされる[8]
文法
助動詞・補助動詞
断定

断定の助動詞には、「だ」が広く使用されている。「である」から「だ」に至る過渡的な形である「でぁ」も、一部の高齢層で生き残っている。
否定

動詞の否定形には、「?ん」「?せん」「?へん」の3種類を用いる(〔例〕「食べん」「読めえせん」「来おへん」)。いずれも、動詞の未然形に接続する。前述の3種の使い分けは、世代・個人によって異なるが、若年層は「?ん」への統一が顕著である。

名古屋弁では「?ん」は通常の否定を表し、「?せん」「?へん」は強い否定や迷惑感のある否定を表す。「?せん」は「?はせぬ(ん)」から変化したものであり、東京弁における「?やしない」に対応するものである。この表現は関西弁では明治期においてさらにサ行子音の弱化を起こし「?へん」の形に変化したが、名古屋弁においては近年まで「?せん」の形が保たれた[9]。ただし現在では「?へん」の形も聞かれる[10]

この他、怒りの感情を含んだ非常に強い否定に「未然形+すか」もあるが、これはこの形以外に活用せず、用法も狭い。

これら否定形は、地域や話者によって様々な形が聞かれる。以下の動詞の活用別に記す。
「ん」「せん」「へん」の接続
五段活用

「書く」を例とすると、

書かん

書けせん

書かせん

書きゃせん

書けへん

書かへん

書きゃへん
などの形が聞かれる。「書けせん」「書けへん」は「書くことができない」というような不可能を表す意味ではない。同様の活用は大阪弁にもみられるが、これらの地域以外の住民は特に注意が必要。不可能形については詳しくは下の「動詞の不可能形」で詳述する。また、「書かっせん」のように「っ」が入るのは「書かっせる」(「書く」に対する軽い尊敬語)の否定なので、これも注意が必要。
ラ行・ワ行五段活用
ラ行・ワ行五段活用動詞では、他の五段活用動詞よりもバリエーションが増える。すなわち、「ある」「思う」を例にすれば、

あれせん

あらせん

ありゃせん

あれへん

あらへん

思わん

思えせん

思わせん

思やせん(思うゃせんでは発音できないのでこうなる)

思えへん

思わへん
の他に、

ああせん

ああへん

思うせん

思うへん
のように「語幹+長音+せん(へん)」の形がある。ただし、2音節の動詞の場合、「買う」「刈る」「沿う」「剃る」「言う」など、この形をとらないものが相当数ある。
上一段活用
「起きる」を例とすると、

起きん

起きいせん

起きせん

起きやせん

起きいへん
などである。ただし、「見る」「寝る」など2音節の動詞では3番目の形がない(×見せん、寝せん/○見いせん、寝えせん)。
下一段活用
「負ける」を例とすると、

負けん

負けえせん

負けせん

負けやせん

負けえへん
などである。
来る


こん

こおせん

こおへん

きやせん

きーせん
などである。「連用形+やせん」という起源から考えると「こおせん」という形はおかしいが、年配の話者も含めてこの形が広く使われている。
する


せん

せえせん

しいせん

せやせん

しやせん

せえへん

しいへん

しん(若年層)
などである。
未然形+すか相手に怒りや異議申し立てのような感情を込めて用いる否定語。活用の変化はしない。「?訳がない」「?ないに決まっているだろう」「決して?しない」といったニュアンスになる。否定も不可能も表せる(読ますか、読めすか→読まない、読めない)。

具体的には

金みてぁあらすか(金なんかない!)

ほんなことせすか(そんなことは絶対にしないよ!)

お酒みてぁ飲ますか(お酒など決して飲みはしない)

あんなもん取れすか(あんなもの取れる訳がないだろう!)

ほんなはよ走れすか(そんなに速く走れるかよ!)

とろいことしとってあかすか(馬鹿げたことしていては駄目!←「埒があく」の否定。つまり「あかん」)

となる。〔アクセント〕 「す」の直前。
過去否定

過去の否定には、未然形+「なんだ」、未然形+「んかった」を用いる。未然形+「なんだ」が伝統的な形であり、未然形+「んかった」は比較的新しい形である。〔例〕食べなんだ、見んかった

連用形は「行かんで」「見んで」のように「んで」とする。仮定形は「な」であり、これは「ねば」の変化した形である。〔例〕晴れな中止だでね(晴れなければ中止だからね)
不可能

動詞の不可能表現は、「可能動詞のエ段+長音+せん(へん)」の形となることが多い。共通語の可能表現「?られる」の形で終わる動詞は、名古屋弁においては原則「ら抜き」が正しい形であり、そうしなければ不自然になってしまうので注意。「書く」「食べる」を例とすると、

書けん

書けえせん

書けえへん

書けれん、書けれえせん(話者によってはれ足す言葉でこのようになることもある。)

食べれん

食べれえせん

食べれえへん

などである。大阪弁等にみられる「書かれへん」というような活用は名古屋弁にはないので注意。「行かない」を例として大阪、京都、名古屋の比較をすると次のようになる。

標準語大阪弁京都弁名古屋弁
行かない行けへん、行かへん行かへん行けせん、行きゃせん、行けへん、行かへん、
行けない行かれへん行けへん、行かれへん行けえせん、行けえへん

敬語
やあ・す
ワ行五段以外の動詞の連用形およびワ行五段動詞の語幹について二人称の尊敬語を作る。親しさと敬意を包含する
[11]。ワ行以外の五段動詞と接続した際は動詞の活用語尾と融合して拗音化する。例えば「書く+やあす」は「書きゃあす」となり、「×書きやあす」とは言わない。通用範囲は「っせる/やっせる」より狭い。二人称に対しては「やあす」、三人称に対しては「っせる/やっせる」のように使い分ける地域もある。また、完了の助動詞「た」が接続した場合、「す」が用いられることが多く、その場合「書かした」となる。また、イ音便化し「書かいた」、さらに「書けぁた」となる。〔活用〕未然:-せ、連用:-し/-※、終止:-す、連体:-す、仮定:-せ、命令:-せ 〔アクセント〕 「やあす」がついた全体が起伏型に発音される。
やあ、やあせ
上記「やあす」の命令形[12]で接続は「やあす」と同じ。命令というより許可・推奨・後押しのニュアンスである。標準語には置き換えられない意味合いがあるため、若年層でも頻繁に使用される。ワ行以外の五段動詞に接続した際は動詞の活用語尾と融合して拗音化する。拗音化する傾向があるのではなく必ず拗音化する。対して一段動詞およびワ行五段動詞に接続した際は拗音化しない。拗音化しない傾向があるのではなく決して拗音化しない。例えば「置き(五段)+やあ」は「置きゃあ」、「起き(一段)+やあ」は「起きやあ」となる。「する」は「しやあ」、「来る」は「こやあ」となる。活用はしない。通用範囲は広く「やあす」の使われない地域でも使われる。元々は尊敬の助動詞「やあす」の命令形「やあせ」の「せ」が落ちたものであり、今日でも「せ」のついた形で使う地域、話者もおり、「せ」をつけることにより、敬語となる。〔アクセント〕「や」に置かれる。拗音化したときはその拗音化した音節。
(さ)っせる
尊敬語を作る。


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