合資会社(ごうしがいしゃ、羅: societas in commendam、独: Kommanditgesellschaft、仏: societe en commandite、英: partnership in commendam)は、大陸法上の会社形態である。 コンメンダに由来する有限責任社員と無限責任社員から構成される組合類似の組織を有するのが特徴である。 日本のほか、フランス、ドイツ、米国ルイジアナ州などの大陸法諸国において認められる制度であるが、英米法においてもリミテッド・パートナーシップと呼ばれる類似の企業形態が制定されている。日本法の法令用語としては日本の会社法上のものを指す場合と、類似の形態の外国会社を含む場合とがある。日本法上の合資会社は、英語表記ではlimited partnership companyなどとされる。 会社名の一部として略称を用いる場合は、一般的には「(資)」(銀行振込の場合は「シ」)とされる[注 1]。英語表記では"GSK"(GoShi Kaisha)と略す[注 2]ことが多い。 本項では、日本の合資会社について扱い、会社法の規定に関しては、以下で条名のみ記載する。 この節は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。 合資会社の有限責任社員は、株式会社の株主のような間接有限責任ではなく、無限責任社員とともに直接責任を負う。つまり会社の債務について、債権者は直接に無限責任社員と有限責任社員に対して履行を求めることができる。無限責任社員と有限責任社員の差は、履行責任について文字通りあらかじめ定めた限度があるかないかの違いである。もっとも、有限責任社員が会社に対して出資を履行した場合は、株式会社の株主と同様で、出資した価額分については間接責任となる(580条
概要
会社法.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}
無限責任社員と有限責任社員
株式会社のような所有と経営の分離の仕組みのない持分会社においては、社員は出資者であると同時に経営者でもあるが、会社法移行前の旧商法における合資会社の場合は、無限責任社員が業務執行権及び代表権を有するものと定められ(改正前商法156条)、有限責任社員は基本的に経営に関与しない存在だった。しかし、会社法においては、原則としてすべての社員が業務執行権と代表権を有し(590条
)、ただ定款で定めた場合には社員のうちの業務執行社員が有するものとされており、この点で有限責任社員と無限責任社員との差は無い。有限責任社員の退社に伴い無限責任社員のみとなった場合は合名会社への変更を行う定款変更をしたとみなされる。無限責任社員が退社し、有限責任社員のみとなった場合も同様に合同会社への変更を行う定款変更をしたとみなされる。(第639条
)。合資会社の商号中には、「合資会社」という文字を用いなければならない(6条
2項)。設立するにあたっては作成する定款(575条1項)において、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を記載する等しなければならない(576条3項)。さらにその本店の所在地(576条1項3号)において設立の登記をなすことが必要である(579条)。設立登記には、有限責任社員の出資の目的及びその価額並びに既に履行した出資の価額の記載が必要である(913条)。 例えば株式会社の設立時や新株発行時に株式を取得して株主になろうとする場合、その者は会社に対してその発行価額を払い込む。その後、その会社が負債を抱えて倒産した場合でも株主は会社の債務について責任を負わない(返済する義務がない)。株主は出資によって得た株式の価値を失うが、それ以上の損失を迫られることはない。これを間接責任という。株主は有限責任であると同時に間接責任でもある(間接有限責任)。
直接責任と出資