合理化可能性
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ゲーム理論において合理化可能性 (ごうりかかのうせい,英: rationalisability, 独: Rationalisierbarkeit) とは,ナッシュ均衡の一般化である解概念のひとつ.合理化可能性は,決して最適反応にならないような戦略の逐次消去にもとづいている.この消去の過程を生き残った戦略を,合理化可能であるという.プレーヤーの行動に関する根本的な仮定に,ゲームの構造についての知識と,合理性についての共有知識がある.合理化可能性の概念は,はじめ Bernheim (1984) と Pearce (1984) によって独立に導入され,その後 Aumann (1987) と Brandenburger and Dekel (1987) で用いられた.
目次

1 研究と中心的な結果

2 重要な用語の定義

2.1 例


3 合理化可能性と合理化可能戦略

3.1 例


4 繰りかえし強支配と合理化可能性

4.1 繰りかえし強支配と 2 人ゲームにおける合理化可能性

4.1.1 例


4.2 繰りかえし強支配と多人数ゲームにおける (相関) 合理化可能性

4.2.1 例



5 合理化可能性とナッシュ均衡

5.1 例


6 合理化可能性・主観的相関均衡・相関均衡

7 論争

8 関連項目

9 参考文献

10 外部リンク

11 脚注

研究と中心的な結果

Bernheim (1984) と Pearce (1984) は,合理性についての仮定だけから,プレーヤーたちの行動に関する個人の予想に,どのような制約が課されるかということを問題にした.彼らは,ゲームの構造と,プレーヤーが全員合理的であるという事実とが共有知識であるとして,どんな戦略が合理化可能かを検討した.プレーヤーの行動に課される制約は,それぞれの行動がこの共有知識と整合的であるということである.合理化可能戦略に関する中心的な結果は次のもの:
ある戦略が合理化可能 (rationalisable, rationalisierbar) であるとは,それがほかの合理化可能戦略に対して最適反応 (best response, beste Antwort) になっているということである.したがって,

ナッシュ均衡を構成する各戦略は,合理化可能である[1]

重要な用語の定義

以下の用語は,合理化可能性の定義に密接に関係するものである.
予想 (信念)
プレーヤー i にとって,相手プレーヤーの戦略の選択 σ − i {\displaystyle \sigma _{-i}} に関する予想は,
確率分布 σ − i ∈ ∏ j ≠ i Σ j {\displaystyle \textstyle \sigma _{-i}\in \prod _{j\neq i}\Sigma _{j}} である.ここで Sj は各プレーヤー j の戦略集合で, Σ j {\displaystyle \Sigma _{j}} は Sj 上の確率分布の集合である.この定義で,プレーヤー i は,相手プレーヤーが独立に行動すると予想している.
合理的なプレーヤー
合理的なプレーヤーは,最適戦略である σ i {\displaystyle \sigma _{i}} について,相手プレーヤーの戦略の選択に関する可能な予想 σ − i {\displaystyle \sigma _{-i}} があるとき,戦略 σ i {\displaystyle \sigma _{i}} だけをプレーする.プレーヤー i が合理的にふるまうという仮定は,他のプレーヤー j による戦略の選択が合理的かどうかについては何も言っていない (最後に,合理的でない相手プレーヤーは,どんなプレーもしうる).
最適戦略
プレーヤー i の戦略 σ i ∈ Σ i {\displaystyle \sigma _{i}\in \Sigma _{i}} が σ − i {\displaystyle \sigma _{-i}} に対する最適戦略であるとは,任意の σ i ′ ∈ Σ i {\displaystyle \sigma _{i}'\in \Sigma _{i}} に対して u i ( σ i , σ − i ) ≥ u i ( σ i ′ , σ − i ) {\displaystyle u_{i}(\sigma _{i},\sigma _{-i})\geq u_{i}(\sigma _{i}',\sigma _{-i})} が成りたつことをいう.


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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