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吃音症
概要
診療科小児科 児童精神科 精神科 耳鼻咽喉科
分類および外部参照情報
ICD-10F98.5
吃音(きつおん、英: stuttering,stammering)とは、言葉が円滑に話せない、スムーズに言葉が出てこないこと。非流暢発話状態のひとつ[1][2]。
構音障害・言い淀みなどとは区別されるが、合併する場合もある。
吃音には、幼児期から始まる発達性吃音と、発達性吃音のなかった人に脳の疾病や精神的・心理的な問題によって引き起こる獲得性吃音がある[3]。
「発語時に言葉が連続して発せられる(連発)」、「瞬間あるいは一時的に無音状態が続く(難発)」「語頭を伸ばして発音してしまう(延発)」などの症状を示す[4]。WHO(世界保健機関)の疾病分類ICD-10では、吃音であり[5]、米国精神医学会の以前のDSM-IVでは吃音、2013年のDSM-5(『精神障害の診断と統計マニュアル』第5版)では 小児期発症流暢症/小児期発症流暢障害(吃音)と障害が併記され、英語表記で、Childhood?Onset Fluency Disorder (Stuttering) の診断名である。
日本国内においては吃音症、どもりとも言われているが、特に近年「どもり」は差別用語や放送禁止用語とみなされており[6]、公の場で使われなくなってきている。
吃音の治療法や支援方法については、「吃音#治療・矯正」を参照。
定義「精神障害#定義」も参照
精神医学的障害の一種である。吃音の主流の定義は、(1)音の繰り返しや、つまりなどの言語症状が明確である(2)明確な根拠が脳や発語器官等の器質に求められない(3)自身が流暢に話せないことに対する予期・不安に悩み、逃避しようとすること、であるとされる[7]。 突然[註 1]、特定の言葉が発しにくくなる疾病。失語症者に見られるよく似た言語行動は「吃様症状」として吃音とは区別される[7]。非吃音者があせって早口で話す時に「つかえる」ことや、テレビ番組の出演者が使う「噛む」こととも異なる[7]。 症状の個人差が非常に大きいことに加え、一人ひとりの中でも変動(発しにくい音、頻度、吃音症状が引き起こされる条件などが変わる)が大きいことが特徴である[8]。 吃音の言語面での症状を大きく分けると以下の3つの型となり、これらは吃音の核となる症状と考えられている[4][9]。 瞬き、体をこする、手足を振るなど、吃音状態を脱するために試みる動作が定着したもの[7]。 吃音の予期や不安、結果によって起こる表情や態度の変化。先を急ぐ・小声になる・単調になるなど話し方が変化したり、赤面・視線をそらす・攻撃的態度を取ったりする場合がある[7]。 吃音を解除するための工夫から生まれる特有の話し方。間を開けたり間投詞を挿入する「延期」や、速度をあげたり弾みをつける「助走」、いったん発話を中止する「解除」に分類される[7]。 吃音に対する意識が強まると、会話機会を遠ざける・話を途中でやめる・相手の発言を待つ・ジェスチャーの多用・ことばや語順の言い換えなどの回避症状が出現する[7]。 この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
症状
言語症状
連声型(連発、連続型)
発声が「お、お、おは、おはようございます」などと、ある言葉を連続して発声する状態。
伸発
「おーーーはようございます」と、語頭の音が引き伸ばされる状態。
無声型(難発、無音型)
「……お(無音)」となり、最初の言葉から後ろが続かない状態。また完全に最初から空気を失ったように声が出ない状態の場合もある。
随伴症状
情緒性反応
工夫
回避
原因
出典検索?: "吃音症"
吃音の原因は未だ解明に至っていない[10]。これまでにさまざまな原因が指摘されてきたが、どれも吃音の全体を説明するには至っていない[10]。また、ある種の吃音の原因は痙攣性発声障害の場合もある[11]。現在では、遺伝子解析や脳科学など、さまざまな観点から原因の研究が進められている[12]。 19世紀のヨーロッパにおいては、吃音の原因は発語・呼吸器官にあると考えられており、治療も、呼吸や発声練習が中心だった[10]。20世紀初頭になると、脳の問題が指摘されるようになる[10]。具体的には利き手を無理に矯正したことが原因で、左右の脳からの運動指令に混乱が生じ、吃音につながったと考えられた[10]。ここからアメリカでは利き手矯正をやめようという動きが生じたが、吃音になる人の数は減らなかった[13]。のちに利き手矯正が吃音発症と関係ないことが証明されている[14]。 1940年代には、心理的な原因が指摘され、アメリカの心理学者ウェンデル・ジョンソン
吃音の原因をめぐる研究史
また、かつての仮説では吃音の原因として人真似や親の愛情不足などが挙げられていた[15]。しかし、これらの仮説は否定され、1990年代以降には、吃音の原因を家庭環境ではなく生得的体質や遺伝に求める理論が出現した[16]。
脳科学的アプローチ