右手の法則
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右図が右手系座標系および右手回り回転(赤線)。三次元右手系直交座標系における右手の法則

右手の法則(みぎてのほうそく、: right-hand rule)とは、三次元空間において、座標系の「右手系」の取り方、クロス積電磁誘導による起電力の向き、方向ベクトル(回転軸)に基づく「右手回り」回転方向、螺旋の巻く向きなどの定義を言い表したものを指す。日本では「右ねじ」(の法則)とも言う。なお本稿では右手系直交座標系の採用を仮定する。
三次元直交ベクトル

三次元直交ベクトルの三つの基準方向の並べ方として、右手の「親指・人差し指・中指」の順とし、多くの分野で標準的である。左手による順と区別される。
右手系座標系

直交座標系のXYZ軸を上記の順に取る。

クロス積については e x × e y = e z {\displaystyle \,{\boldsymbol {e}}_{x}\times {\boldsymbol {e}}_{y}={\boldsymbol {e}}_{z}} のようにXYZ軸に依存した定義となっている[1]

フレミング右手の法則

電磁誘導による起電力の向きに関する法則
ローレンツ力の向き

ローレンツ力の向きを表すために右手の姿で示す方法がある(→ローレンツ力の向き)。
回転方向

方向ベクトル(回転軸)を基にして回転方向を示し区別するために、「右手・左手」回りと表現する[2]。すなわち与えられた方向ベクトルが正のZ軸方向となるように右手系のXYZ座標系を定めると、 ( x , y ) = ( cos ⁡ θ , sin ⁡ θ ) {\displaystyle \left(x,y\right)=\left(\cos \theta ,\sin \theta \right)} は θ {\displaystyle \theta } の増加に従って、「右手」回り回転となる。「右手」回り:回転方向に関する右手の法則

「右手」回りの別の覚え方としては、指を握り親指だけを突き出した右手の姿で、方向ベクトルは親指の向き、回転方向は他の指の向きとなる。
角速度ベクトル

角速度ベクトルはクロス積の定義に従う。したがって ( x , y , z ) = ( cos ⁡ ω t , sin ⁡ ω t , 0 ) {\displaystyle \,(x,y,z)=(\cos \omega t,\sin \omega t,0)} の回転運動が持つ角速度ベクトルは ω = ( 0 , 0 , ω ) {\displaystyle {\boldsymbol {\omega }}=(0,0,\omega )} となる。
螺旋ねじ

螺旋については、 ( x , y , z ) = ( cos ⁡ α z , sin ⁡ α z , z ) {\displaystyle \left(x,y,z\right)=\left(\cos \alpha z,\sin \alpha z,z\right)} 、 ( α > 0 ) {\displaystyle \,\left(\alpha >0\right)} を「右手」回り・巻きと言う。日本では「右ねじ(の山)」(の螺旋)とも言う。
円偏光電磁波

円偏光電磁波については、電場ベクトル E = ( E 0 cos ⁡ 2 π λ ( c t − z ) , E 0 sin ⁡ 2 π λ ( c t − z ) , 0 ) {\displaystyle \,{\boldsymbol {E}}=\left(E_{0}\cos {\frac {2\pi }{\lambda }}\left(ct-z\right),\,E_{0}\sin {\frac {2\pi }{\lambda }}\left(ct-z\right),\,0\right)} は、電気工学の分野では「右手」回り(右旋)と言い、光学の分野では「左手」回りと言う。
アンペールの法則

電流の流れている線状の導体を中心にして、磁界が「右手」回りの周回方向に発生することの法則。
脚注^ クロス積の定義式自身は右手系・左手系ともに同じ形となる。
^ なおどちらの半空間側から回転面(回転運動を射影した面)を観察しているか(どちらの面が表か)を基にした表し方として「時計回り・反時計回り」がある。



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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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