台湾の宗教
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台湾の宗教

仏教  35.3%
道教  33.2%
民間信仰儒教含む)  10%
キリスト教  3.9%
無宗教若しくは無回答  18.2%
CIAザ・ワールド・ファクトブック(2005年調査)[1]


台湾
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台湾の宗教(たいわんのしゅうきょう)では、現在の台湾での宗教の概況を説明する。

台湾の宗教は中華民国憲法により宗教の自由が認められ、各宗教は平等であると規定されている。布教活動も自由であり政府と宗教の間には関係は存在していない(政教分離)。2009年の台湾政府内政部の統計報告[2]によれば、仏教道教キリスト教が主流を占めており、それ以外に一貫道イスラム教バハイ教、日本を発祥とする宗教団体(天理教真光教)などの信者も存在している。

2003年米国国務省が発表した『世界の宗教の自由に関する報告』の中で、台湾の二大宗教として仏教と道教を掲示し、仏教徒が約548万人、道教徒が454万人と推計している。しかしこの報告書では民間信仰を道教に区分したり、また仏教と道教双方に算入される場合も有り、その信徒数は重複しているものと考えられる。

中央研究院社会学研究所が2009年に実施した社会変遷基本調査によれば、42.8%の人が現在の宗教信仰の対象を「民間信仰」であると回答している[3]。人類学者の五十嵐真子によると、「ごく一般の人々の宗教認識の中心にあるのは決して道教や仏教といった体系だった宗教などではなく、現世利益的な発想を強くもった信仰パターン」が台湾の人々の宗教に対する感覚であるという[3]
信仰分布

台湾の宗教人口(内政統計年報2009年)宗教名信徒数宗教施設数聖職者数
道教792,6649,249-
基督新教(プロテスタント)384,5762,5394,362
天主教(カトリック)177,6417461,785
仏教168,3312,308-
一貫道17,634201-
イスラム教5,952521
バハイ教2,265212
天理教1,6592280
サイエントロジー1,000130
儒教79014-
軒轅教3148-
弥勒大道2672-
天徳教2425-
理教2126-
真光教10011
黄中391-
天帝教331-
その他957≧ 6≧ 15

道教道教の護符媽祖

道教漢民族の伝統宗教であり、西晋末から明代にかけて中国大陸全土に広まり南方の正一教(天師教)と北方の全真教の二大流派が形成された。台湾の道教は南方系の正一教であり、護符や呪文の宗教儀式を重視した内容となっている。
沿革

台湾の道教は清朝統治時代日本統治時代をへて現代に至る間に大きな発展を遂げている。正一道正一派、符?派が仏教と融合し世俗化した福建道教の閭山派が台湾における主要な道教信仰となっている。

1980年代以前、漢伝仏教が慈済、印順、聖厳などの仏師により発展を遂げる以前は、正一派・閭山派が台湾の主要な宗教であった。1980年代の仏教の隆盛と、相対的な道教の衰退が見られたが、多くの宗教儀式を行いタブーを決定するなど生活の中に影響を与え、行天宮に代表される廟も台湾内に数多く建立されている。

他の文化と同様に、中華人民共和国では廃れてしまった道教系の祭礼儀式が今なお数多く残存している。旧暦の3月23日に行なわれる媽祖の誕生祭(媽祖誕辰)や、1週間に渡って街を練り歩き、数千万円相当の木造船を焼却する5月10日の王船祭(焼王船、王爺を鎮める祭り)、旧暦7月15日の中元節や旧暦10月22日の青山王の誕生祭(青山王誕辰)などが毎年華やかに催される。特に、大甲鎮の ⇒鎮瀾宮新港郷の奉天宮とを往復する「大甲媽祖の巡行」は、台湾で最大規模の宗教活動である。また、占いや祈祷を行う「?姨」(アンイー、巫女)や「童?」(タンキーシャーマンの一種)も健在であり、媽祖の誕生祭を始めとする各種宗教儀礼に参加している。

葬儀や婚礼も大掛かりであり、特に葬儀では楽隊による行進が行われる場合もある。

仏教や儒教と習合しており、観音菩薩が観音廟に祀られたり、儒家の創始者である孔子像が、文昌帝君と並んで文昌廟で祀られることも少なくない。
キリスト教詳細は「台湾のキリスト教」を参照

カトリックは天主教、プロテスタントは基督教と漢語表記される。台湾にキリスト教が伝わったのは、17世紀初頭にスペインオランダが原住民に宣教したのが最初であり、以降は欧米の宣教師によって本省人や原住民の間で改宗が進み、なかでも長老派教会が最も多く信徒を獲得した。現在の最大の教派は台湾基督長老教会である。プロテスタントでは他に、台湾聖公会などがある。

17世紀のオランダ統治時代、1624年オランダ東インド会社が上陸するのに併せて、キリスト教の宣教が開始された。やがてイギリスの熱心な宣教活動によって、本省人や原住民の間ではプロテスタントへの改宗が多くなった。また、台湾の長老派教会は反中であるとともに台湾独立運動に熱心であり、台湾語の白話字(教会羅馬字、教会ローマ字)表記を成立させたり、1971年に発表した国是声明では、台湾の将来は台湾人が決めるとしている。

1626年スペインが台湾北部に上陸するとカトリックの宣教が開始されたものの、当時台湾南部を統治していたオランダがスペインを排除したため、カトリック布教は停止された。天津条約締結後、1859年ドミニコ会スペイン人宣教師がフィリピンから高雄に上陸したのが、台湾でのカトリック教会の始まりとされる。台湾ではプロテスタント、なかでも長老派教会の宣教活動が多くの信徒を獲得する中、カトリックは極めて少数派だったが、20世紀後半に入ると中華人民共和国での宗教弾圧を逃れた外省人のカトリック信徒が多く台湾に移住した。


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