台湾の地理(たいわんのちり)では台湾における地理を概説する。「台湾」の定義としては主に、台湾本島(台湾島)に限定する場合や、中華民国が実効支配する地域(台湾地区)の全域(台湾本島、澎湖諸島、金門群島、馬祖列島)を示す場合などがあるが、ここでは後者に関して説明する。
台湾本島台湾島地図
緯度及び経度は22°N - 25°N, 120°E - 122°E。相対位置はユーラシア大陸の東南沿海、太平洋西岸、フィリピンの北方、琉球諸島の西南に位置する。タイムゾーンはGMT+8:00 Taipei。
太平洋西部に位置し、東海岸はフィリピン海に面している。日本の与那国島から約107kmの距離である。西海岸は台湾海峡を隔てて中国大陸を臨み、その距離は約150kmである。南はバシー海峡を隔てフィリピンまで約300km、北海岸は東シナ海に接している。全島面積は35,915平方km、南北に長く東西が狭い形状となっている。地勢は東高西低であり、地形は山地、丘陵地、盆地、台地、平野により構成されるが、山地、丘陵地が全島面積の2/3を占めている山岳中心の地形である。
ユーラシアプレートとフィリピン海プレートが交差する地点に位置し、地層の隆起活動により山脈が形成され、南北に台湾島を縦断している中央山脈を中心に山脈が形成され、その東西両端に比較的平緩な丘陵地、台地、そして河川の沖積により形成された平野が分布している。平坦な地勢の大部分は西部地区に集中している。
地政学的には台湾はアジア島弧の中央に位置し、また台湾海峡が国際的に重要な航路であることより戦略的に重要な価値を有している。 ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界上にあり、複雑な地質構造を示す。台湾島の地殻上部は地質時代のいくつかの島弧が両プレートの衝突により合体したもので、フィリピン海プレートの下に潜ったユーラシアプレートが剥がれた結果、隆起したと推定されている。台湾の地震帯はこれら合体した地質構造の境界に対応しており、大きな地震を引き起こしてきた。1999年9月21日にはマグニチュード7.3の集集大地震(921大地震)が発生した。「台湾の地震一覧」も参照 台湾島は白亜紀から暁新世にかけて形成され、その中央部に5つの山脈を有しており、海岸山脈、雪山山脈、中央山脈、玉山山脈、阿里山山脈とそれぞれ称されている。台湾の山地は険峻であり、標高3,000mを越える高山も数多く存在している。その中で蘇澳より鵝鑾鼻を貫く中央山脈は台湾の背骨と称され、東西を流れる河川の分水嶺となっている。玉山山脈の玉山(日本統治時代の名称は新高山)は標高3,952mであり、台湾の最高峰となっている。 丘陵地は山地と平原の中間に位置し、桃竹苗及び恒春半島に多くが分布している。平野は西南海岸及び東部山脈谷地に位置し、これらの地形が占める割合は約30%となっている。西南部に位置する嘉南平野は台湾最大の平野であり、これ以外に彰化平原
地質
地形
台湾は環太平洋火山帯に位置し、一部火山も存在している。主要なものを挙げれば台湾北部の基隆の大屯火山群、東部の海岸山脈火山群(緑島、蘭嶼を含む)、離島地区の澎湖火山群が存在しているが、現在は目立った火山活動はない。
海抜:
最高地点:玉山 3,952m
玉山
太魯閣国家公園
玉山
河川・湖沼日月潭
台湾には大小あわせて129本の河川が存在し、100kmを越える河川も濁水渓、高屏渓、淡水河、大甲渓、曽文渓、大肚渓の6本が存在している。中部に位置する濁水渓は台湾最長の河川であり、南部の高屏渓は台湾最大の流域面積となっている。その他の主要河川に基隆河、鳳山渓、大安渓、八掌渓、秀姑巒渓、蘭陽渓などを挙げることができる。
台湾の平均年間降水量は2,500mmと豊かな降水量に恵まれた反面その降水は夏季に集中するため、夏季には河川は増水、冬季には河床が露出する情況であり河川の交通が発展しない原因となっている。例外として台北市周辺の淡水河、大漢渓、基隆河などは年間を通して水量が安定している河川では清朝統治時代の重要な輸送手段として使用されていた。
台湾の天然の湖沼は多くはない。最大なものには日月潭であるが、面積は僅か4平方kmである。これに対しダムなどの建設を通じて形成された人工湖は多く存在し、代表的なものとして虎頭?、曽文ダム、烏山頭ダム、石門ダムなどがある。
大漢渓
?濃溪