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出典検索?: "古寺巡礼" 土門拳の写真集
『古寺巡礼』(こじじゅんれい)は、日本の写真家である土門拳が、1950年代から1970年代にかけて、日本各地の古い寺院や仏像などを撮影した写真をまとめた、全五冊からなる写真集である。1963年から1975年にかけて、美術出版社から限定出版され、後年には英文解説を加えた国際版(英語: A Pilgrimage to Ancient Temples)も出版された。今日『古寺巡礼』は、土門拳の代表作と位置付けられている。 土門拳は報道写真家として活動を開始したが、1958年の秋からは本格的に古寺の撮影を開始した。1959年、土門は毎日新聞社の月刊誌『カメラ毎日』に「古寺巡礼」と題した特集記事を1年間連載。土門はこの記事に若干加筆したのち単行本化する予定であったが、結局新たに全ての写真を撮り直し、1963年に『古寺巡礼』第一集が完成した。以後12年にわたって日本各地の古寺の撮影旅行を続け、第二集が1965年、第三集が1968年、第四集が1971年、そして第五集が1975年に出版され、全5冊にて完結した。 法隆寺から始まり、三十三間堂の撮影をもって終了した約15年間の撮影行で訪れた寺院は39か所を数え、写真集に使われた写真は原色版が462枚、単色版が325枚に及んだ。またテキストもすべて土門自身が書き下ろし、文章だけで1冊の本に匹敵するほどの充実した内容となっている。土門は『古寺巡礼』を自らのライフワークと位置付け、膨大な労力と出費を厭わず、1968年に2度目の脳溢血発症で車椅子生活となった後も、弟子たちの助力を得つつ精魂を傾けてこの撮影行を続けた。 土門は写真集の造本にもこだわり、題字の揮毫を5人の著名人に依頼したほか、レイアウトも自らが指示し、グラビアやテキスト用紙も吟味を重ね、印刷には8色の原色版印刷を採用した。カバー用紙には拓本を印刷し、保存性を高めるために、天金を施した本を焼印で題字が捺された桐箱に収め、さらにそれをカバーするために段ボール製の外箱を付けた。本の細部にまで土門のこだわりが徹底された結果、本は約43センチ×30センチの大判で豪華なものとなり、第一集の価格が2万3千円と、大卒者の初任給が4万円程度であった当時、大変高価なものとなった。『古寺巡礼』全5集はそれぞれ2千部限定で出版されたが、刊行は予定日よりも大幅に遅れるのが常であり、土門は本のまえがきにお詫びの文章を載せることもあった。1978年からは国際版として巻頭に英文解説を加えて出版されたが、原色版印刷の職人が絶えたのを理由に、1995年版を最後に絶版となった。現在では文庫や単行本などの編集版が出版されている。 巻ごとに表装、撮影された地所、解説文タイトル、収録写真数、撮影助手名、出版記録の順に記載。
概要
本の内容
第一集
表装
題字:古寺巡礼 (揮毫:梅原龍三郎)
カバー:薬師寺金堂薬師如来坐像台座西面白虎拓本
扉口絵:法隆寺金堂四天王像腕釧残欠
撮影された地所
法隆寺 中宮寺 法起寺 石塔寺 世尊寺 深大寺 薬師寺 山城国分寺址 頭塔
解説文タイトル
五重塔の邪鬼
聖徳太子は生きている
薬師寺東塔察銘について
乙丑四月八日
収録写真数
原色版88図、単色版66図
撮影助手
牛尾喜道 野村正博 土門真魚 中村春雄 中島敬雄 山西達也 西川孟宏 藤森武