古ペルム文字
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古ペルム文字


類型:アルファベット
言語:コミ語ロシア語
時期:1372年?17世紀
親の文字体系:原カナン文字

フェニキア文字

ギリシア文字キリル文字

古ペルム文字



Unicode範囲:U+10350-U+1037F
ISO 15924 コード:.mw-parser-output .monospaced{font-family:monospace,monospace}Perm
注意: このページはUnicodeで書かれた国際音声記号 (IPA) を含む場合があります。
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古ペルム文字(コミ語: Важ Перым гиж?м、アブール Abur或いはアンブル Anburとも呼ばれる。)は中世のコミ語において用いられた独自に発展したキリル文字の一種である[1]
歴史

古ペルム文字はロシアの宣教師、聖ステファン・ペルムスキー(ロシア語:Стефан Пермский, Stefan Permskij)、本名ステパン・ハラップ(ロシア語:Степан Храп, Stepan Hrap)によって1372年に作られたものである。俗称の「アブール」は始めの2字の名称(An, Bur)からとったものである。このアルファベットはキリル文字ギリシャ文字、コミ族のタムガ(Tamga、騎馬民族が自分の一族の象徴として使うルーン文字のようなもの。古ペルム文字は通常筆記よりも刻印されることが多かった為。)から借用した。この文字体系は当時の話者に受け入れられることになった。このアルファベットは17世紀まで用いられ、キリル文字に取って代わった。古ペルム文字はロシア語の暗号文にも用いられた。聖ステファン・ペルムスキーの聖名祝日である4月29日は古ペルム文字の日として祝われている。
意義古ペルム文字の入ったウィキペディアのロゴ

古ペルム文字の碑文はウラル語族の中では最古のものである。ウラル語族においてこれよりも早く書かれた文章は、ロヴァーシュ文字1000年以降はラテン文字を用いて書かれたハンガリー語のみである。対照的に、フィンランド語においては、プロテスタントへの改宗後の1543年ミカエル・アグリコラ (Mikael Agricola) によって書き言葉が成立した。しかし、1957年に、独自の「樺の木皮碑文」(英語: Birch bark letter No.292)がノヴゴロドで発見された。これは13世紀頃に書かれたバルト・フィン諸語の文章である。
文字

Lyktinによる1952年の研究がこの文字体系について最も権威的な文献であるとされる[2] 。24の固有文字と10の追加文字からなる。また、ダイアクリティカルマーク付きの文字もある。
文字一覧

文字翻字名前音価備考
𐍐аan(ан)[a]
𐍑бbur(бур)[b]
𐍒гgai(гай)[?]
𐍓д
(1920年代には?)doi(дой)[d]
𐍔е,эe(э)[e]
𐍕жzhoi(жой)[?]
𐍖дж
(1920年代には?)dzhoi(??ой)[d?]
𐍗зzata(зата)[z]
𐍘дз
(1920年代には?)dzita(?'ита)[??]
𐍙?,и,й
(1920年代にはи,?)i(и)[i,j]
𐍚кkoke(кокэ)[k]
𐍛лlei(лэй)[l]
𐍜мmenoe(мэн?)[m]
𐍝нnenoe(нэн?)[n]
𐍞оvooi(во?й)[o]
𐍟пpeei(пэ?й)[p]
𐍠рrei(рэй)[r]
𐍡сsii(сий)[s]
𐍢тtai(тай)[t]
𐍣уu(у)[u]
𐍤чchery(чэры)[??]
𐍥шshooi(шо?й)[?]
𐍦тш
(1920年代にはщ)shchooi[t?]
𐍧ыyry(ыры)[?]
𐍨ыyeru[?]
𐍩оo(о,?)[o, ?]
𐍪оoo(о,?)[o, o?]
𐍫фef[f]外来語用。
Peeiにトレマを付けて
書かれたものも多い。
𐍬хha[x]外来語用。
Kokeにトレマを付けて
書かれたものも多い。
𐍭цtsiu(цю)[?]外来語用。
Dzitaと字形は似ているが、
これは下に長い。
𐍮вver(вэр)[v]外来語用。
𐍯ъyer[-]外来語用。
𐍰ьyeri[?]外来語用。
𐍱эyat(ять)[e]外来語用。
𐍲йэie(йэ)[ie]外来語用。
𐍳юyu(ю,йу)[ju]外来語用。
𐍴я(?)ya(я,йа)[ja]外来語用。
𐍵я (?)ia(йа)[ia]外来語用。

Unicode

古ペルム文字は2014年6月にUnicode(バージョン7.0)に追加された。範囲はU+10350–1037Fである。

Old Permic[1][2]
Official Unicode Consortium code chart (PDF)
 0123456789ABCDEF
U+1035x𐍐𐍑𐍒𐍓𐍔𐍕𐍖𐍗𐍘𐍙𐍚𐍛𐍜𐍝𐍞𐍟
U+1036x𐍠𐍡𐍢𐍣𐍤𐍥𐍦𐍧𐍨𐍩𐍪𐍫𐍬𐍭𐍮𐍯
U+1037x𐍰𐍱𐍲𐍳𐍴𐍵𐍶𐍷𐍸𐍹𐍺
Notes1..mw-parser-output .citation{word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}^As of Unicode version 8.02.^Grey areas indicate non-assigned code points

参考^ Bernard Comrie, 1996. "Adaptations of the Cyrillic Alphabet". In Daniels & Bright, The World's Writing Systems, p. 700.
^ Лыткин, В. И. 1952. Древнепермский язык: чтение текстов, грамматика, словарь. Москва

外部リンク

“ ⇒
Abur at Minority languages of Russia on the Net” (ロシア語). 2015年11月8日閲覧。

“ ⇒Unicode 登録申請文”. 2015年11月9日閲覧。

“ ⇒Abur”. Omniglot.com. 2015年11月8日閲覧。










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