収塚古墳
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収塚古墳

所属百舌鳥古墳群
所在地大阪府堺市堺区百舌鳥夕雲町
位置.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯34度33分31.6秒 東経135度29分17.0秒 / 北緯34.558778度 東経135.488056度 / 34.558778; 135.488056
形状前方後円墳
規模墳丘長61m 
出土品円筒埴輪
築造時期5世紀中頃
史跡国の史跡
地図.mw-parser-output .locmap .od{position:absolute}.mw-parser-output .locmap .id{position:absolute;line-height:0}.mw-parser-output .locmap .l0{font-size:0;position:absolute}.mw-parser-output .locmap .pv{line-height:110%;position:absolute;text-align:center}.mw-parser-output .locmap .pl{line-height:110%;position:absolute;top:-0.75em;text-align:right}.mw-parser-output .locmap .pr{line-height:110%;position:absolute;top:-0.75em;text-align:left}.mw-parser-output .locmap .pv>div{display:inline;padding:1px}.mw-parser-output .locmap .pl>div{display:inline;padding:1px;float:right}.mw-parser-output .locmap .pr>div{display:inline;padding:1px;float:left}収塚古墳 大阪府内での位置堺市内での位置
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収塚古墳(おさめづかこふん)は、大阪府堺市堺区百舌鳥夕雲町2丁150?2にある前方部が短い帆立貝形前方後円墳(帆立貝形古墳)で、大仙陵古墳(仁徳天皇陵)の陪塚とされる。百舌鳥古墳群を構成する古墳の1つで、国の史跡に指定されている。
概要

大仙陵古墳(仁徳天皇陵)の前方部南東隅近くにあり、前方部を西に向け、墳丘主軸線を大仙陵古墳(仁徳天皇陵)の外濠に並行させるように造られた帆立貝形前方後円墳(帆立貝形古墳)である[1]。墳丘の位置と主軸線の方向から、陪塚の一つと考えられている[1][2]。前方部は削平され周濠も埋没し、現状は直径35メートル、高さ4メートル程の墳丘だけが残り円墳のように見えるが[3]、近年の発掘調査により、墳丘長60メートル前後、後円部直径が40メートル以上の帆立貝型古墳と判明した[4]。後円部は2段に築かれ、テラスには小形の円筒埴輪列が出土し[1]、他にも朝顔形・蓋型埴輪、須恵器高杯、器台などが出土している[2]。埋葬施設の構造や副葬品の詳細は不明だが、第二次世界大戦後に後円部墳丘に、鉄製短甲の破片が散乱していたとの記録がある[1][3]。墳丘の周囲には濠があるが、埋没保存されており、削られた前方部と埋まっている濠の輪郭を広場にカラー舗装で表示している。築造年代は、出土品などから5世紀中頃と推定されている。
形状・規模

昭和33年(1958年)に基底径約40m・高さ4.5mの円墳として国の史跡指定を受けていたが、平成元年(1989年)以降の立会調査や発掘調査により、前方部の短い帆立貝形前方後円墳であることが明らかになった[5]

平成20年度(2008年度)地中レーザー探査にもとづき、墳丘長57.7m ・前方部長さ26m・後円部径42m・高さ4.2mと推定された[6]

平成27年(2015年)の発掘調査により濠の外周が明らかになり、全長72.5m・墳丘長59m・後円部径42mの帆立貝形前方後円墳の復元図が作成された[7]
周濠の現状

現在、前方部と後円部の周濠の一部が歩道や広場にカラー舗装で復元表示されている。ただし、周濠の後円部の表示が二重になっているのは、歩道側が1997年、広場側は2015年調査結果にもとづいて復元されたためである。周濠の前方部は2015年の調査結果をもとにカラー舗装で全体の大きさが表現されている。
調査概要

2006年(平成18年)11月13日から12月1日 - 本古墳が、前方後円墳か円墳かの確定と、北側周濠の提と幅を確認するために調査が行われた
[8]

墳丘の左のくびれ部と推定される場所に、幅1.5メートル、長さ15メートルのトレンチが設けられた[8]

層序 - 表土、盛土、旧耕作地、床土、周濠内盛土2層、地山が確認された。旧耕作土は、削平されたり、土管・下水管などの埋設により撹乱を受けていた[8]

周濠内 - 濠上層には、灰黄色粘質土で、下層は暗灰黄色粘質土が堆積し、地山は黄色粘質土に砂粒をやや含んでいた。周濠低部は、ほぼ平坦に成形されており、濠底部幅は10.5メートル、濠上面幅は18.5メートルであった。また、底部には中世の遺構が2箇所あった[9]

墳丘 - 地山の上層は床土で、墳丘基盤面なのか削平された平坦面かは不明で、墳丘裾部から周濠低部への傾斜角度は約12度であった。墳丘裾部葺石は、転落したと思われる葺石は、川原石や割石で、原位置を保つものは無かった。裾部から1メートル程度離れた場所にも葺石があり、底部に葺石と円筒埴輪片、須恵器器片が散乱していた[9]

堤 - 層位は、上層から盛土、耕作土、床土、灰黄色粘質土、地山であり、地山は、ほぼ平坦に成形されていたが墳丘側の地山面よりも14センチメートル程低かった。地山の上層の粘質土は堤の整地度だが、古墳築造当初も物ではなく円筒埴輪片、12 - 13世紀代の中国の龍泉窯系青磁器が含有しているため、12 - 13世紀代に耕地化された、もしくは15世紀以降に堤を再構築し、周濠を再整備したと考えられた。提周濠内側の傾斜面に葺石はなかったが、提上に円筒埴輪があったと考えられ、傾斜角度は25 - 30度であった[9]

遺物[9]

円筒埴輪 - 大半が、周濠最下層と墳丘裾部から出土し、後縁部の形態が、水平に外反、少し外販、直立の3タイプがあった。

須恵器特殊器台 - 周濠最下層の墳丘側からから出土し、台部と垂直部の接合部付近に、接合の粘土痕やや指圧痕が残っていた。

備前擂鉢 - 周濠最下層から出土し、堺環濠都市遺跡(外部リンク参照)や備前焼編年の中世5基a[10]の擂鉢に酷似し15世紀ごろの物と考えられる。


中国龍泉窯系青磁碗 - 外提内の灰黄色粘質土から出土。釉調、胎土から15世紀代と考えられる。




2007年(平成19年) - 国庫補助事業発掘調査。墳丘の西側の周濠の状況と前方部の規模や形状の確認のために調査が行われた[11]

前方部前面と前方部西側隅と推定される2箇所に調査区が設けられた[11]

層序 - 現状において、本古墳周囲は大仙公園関連整備予定地区内にあり、臨時駐車場としても使われることから、今回の調査区はアスファルトに覆われている。アスファルト下には砕石と造成に伴う厚い盛土が施工されていた。その盛土下に、造成前の旧耕作土と耕盤が水平に堆積し、濠埋土も確認された[12]

1区 - おおよそ墳丘主軸に沿った場所に配置された[13]

濠外肩が確認され、濠の斜面は2段になって深くなるが、上段部分では、瓦器を含むため、後世の耕作による削平と判断された。その為、本来の濠外端は、下段部分の斜面延長上に近いと考えられた。当調査区では、墳丘側の濠内端は確認できず、濠幅は不明であった。


2区 - 2006年の調査区よりも北西7メートル付近に設置された[13]

濠の内外両端を確認できた。濠外端の斜面は緩やかであるが、3段になって深くなるが、1区同様、上部2段分は中世以降の耕地造成のための削平と考えられた。調査区南端において、前方部北隅に相当する墳端を確認した。前方部北面斜面で、転落と考えられる葺石と埴輪片が出土した。


遺物 - 今回の調査で、埴輪、須恵器、瓦器などが出土した[14]



2008年(平成20年) - 発掘調査を前提とした、地中レーダ探査による非破壊調査が行われた[15]

本古墳群の東側、南側、西側の周濠は、調査により部分的に確認されているが、北側においては未調査であり、また墳丘(後円部)においても未調査で、埋葬施設などの遺構有無など未確認であるため、北側の周濠と墳丘で調査が行われた[15]

北側 - 地中レーダの反射面の落ち込みが確認されたが、既往の調査結果・周濠分布形状から分析すると、周濠外縁部と考えられた。また周濠と考えられた範囲の北側において、レーダ反射面の高まりが確認されたが、2006年の調査で確認されている中世に構築されたと考えられる堤の可能性が高かった[16]


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