友愛
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ギリシア語の愛「φιλ?α (philia)」については「フィリア」を、組織名称の「Fraternity」については「フラタニティとソロリティ」を、鳩山由紀夫の財団法人については「友愛 (公益財団法人)」をご覧ください。
.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィクショナリーに関連の辞書項目があります。友愛

友愛(ゆうあい、: φιλ?α、: fraternitas、: fraternite、: fraternity)とは、兄弟兄弟姉妹)間の友人間の愛、友情などを意味する。倫理道徳の一つであり、哲学思想の主題となることがある。
日本語の友愛

日本語の「友愛」については日本の各辞典が主として「兄弟」「友人」「友情」「友誼」などに言及する。例えば、広辞苑第5版は、兄弟、友人、友情、友誼に言及する。大辞泉第1版は、兄弟、友人、友情、友誼。大辞林第3版は、兄弟、友人、友情。広辞林第6版は、兄弟、友人。言泉第1版は、兄弟、友人。講談社日本語大辞典第1版は、兄弟、友人。小学館日本国語大辞典第2版は、兄弟、友人。小学館国語大辞典新装版は、兄弟、友人。旺文社国語辞典第9版は、兄弟、友人。岩波国語辞典第6版は、友人。学研国語大辞典第2版は、友人。集英社国語辞典第1版は、友人の他、「人類」。三省堂国語辞典第6版は、「親友」「なかま」。

ここで、女性と友愛に関して、広辞苑第5版の「友愛」の項目では、「(1) 兄弟の間の情愛」という言及はあるが、女性である姉妹への言及はない。しかしまた、広辞苑第5版の「兄弟」の項目にて、兄弟は「男きょうだいの「兄(あに)弟(おとうと)」を音読した語だが、姉妹にもいう」と説明がある。広辞苑第5版「姉妹」の項目は、兄弟への言及はない。

近代以前に「友愛」が使用されている日本の文献としては、東福寺の僧侶?之慧鳳(こうしえほう)の著『竹居清事』(1455年頃)、中江藤樹著『翁問答』(1650年)、慈雲著『十善法語』(1775年)などがある[1]
西洋からの影響

日本語の「友愛」は近現代西洋からの影響を受け始めた。西洋における「友愛」とは、フランス革命(1789年)のスローガンであり、現在フランス共和国の標語である「自由、平等、友愛(じゆう、びょうどう、ゆうあい。フランス語: Liberte, Egalite, Fraternite)」に由来すると言われる[2]。このフランス語が日本で知られ始めたのは日本の開国の期間であったが、当時の日本では fraternite が博愛として解釈され「自由、平等、博愛」が使用された。現在も日本では「自由、平等、博愛」の訳が併用され続けている。
「友愛」「博愛」の2つの訳

英語の fraternity にあたるフランス語は fraternite (フラテルニテ)である。このフランス語が日本で知られ始めたのは日本の開国の期間でありフランス革命に関するフランス語「Liberte, Egalite, Fraternite」の翻訳は、「自由、平等、友愛」と、他によく知られる「自由、平等、博愛」がある。その言葉が日本にもたらされた時期は日本開国の頃であり、その時期フランスではブルジョワジーにより階級特権的にフィランソロピーが行われ、fraternite が博愛の意味を含んでいた[3]

21世紀現在、日本の各社が出版する仏和辞典の fraternite の項目にある説明は、友愛、兄弟愛、同胞愛、友愛団体などであり、博愛の文字はほとんどない。また、日本語自体の「友愛」と「博愛」は同義語ではない。例えば英語で「友愛」を fraternity 以外に翻訳した場合は brotherhood (ブラザーフッド)、friendship (フレンドシップ)などである。「博愛」を英語に翻訳するならば、philanthropy (フィランソロピー)、charity (チャリティー)などである。

1890年発布の教育ニ関スル勅語(教育勅語)の原文に「徳目」の解釈としての友愛はあるが、「友愛」の文字自体はない。「博愛」の文字は教育勅語原文にある。教育勅語は水戸学の影響という説もあり[4]、その博愛は人間だけでなく動植物への愛護に及ぶという説もある[5]。ユニテリアンは教育勅語の内容に賛同していた[6]

福澤諭吉はユニテリアンの思想を博愛として紹介した[7]。ユニテリアンを当初は強力に支援していた福澤であるが、1897年頃にはユニテリアンとの人間関係などに失望し、支援を止めた[6]。福澤一門が編纂した1900年発表の『修身要領』では、その第20条によると、博愛の情は人間へ向けるだけでなく動物虐待と無益な殺生をする人間を戒めるようにすべきものである。『修身要領』は、ユニテリアン主義的であるが、教育勅語に対抗するものである[6]。福澤は教育勅語に賛同していなかった[6]
ユニテリアン思想と友愛

歴史的にはユニテリアン信仰が原点である[何の?][2]。日本人で最初のユニテリアンは1851年アメリカ合衆国から帰国したジョン万次郎であるが[2]、ユニテリアン主義が日本で初めて紹介されたのは、1886年に『郵便報知新聞』紙上で矢野龍渓により連載された「周遊雑記」であり、翌1887年には、アメリカからユニテリアン宣教師アーサー・M・ナップ(Arthur May Knapp)が訪日した[8]。ユニテリアン主義は当初、日本で発展するかに見えたが、日本人のキリスト教への抵抗、ユニテリアン内部の人間関係などの理由で、期待していたようには発展しなかった[9]ウィクショナリーに関連の辞書項目があります。fraternity

言語としての「友愛」は、英語に翻訳すると fraternity (フラタニティ)等であるが、英語の fraternity 自体はユニテリアンに先んじて12世紀頃から使われていた。ユニテリアンの鈴木文治は、1912年明治天皇崩御後に友愛会を設立した[10]。鈴木は、英国で設立されていた「フレンドリー・ソサエティー(Friendly society)」に倣い、自ら立ち上げた労働組合の名称に「友愛」を冠している[11]。鈴木の友愛会はロシア語で Братство であり、英語で表現すると fraternity にあたる。20世紀半ばに、"fraternal organization" であるフリーメイソンの会員としても知られる鳩山一郎首相が英語の fraternity を「友愛」(y?ai)と翻訳して翻訳書『自由と人生』を1952年に出版した。友愛団体フリーメイソンの鳩山は友愛の思想とともに「友愛」という言葉自体の普及に努めた。

英語の sorority (ソロリティ)は女性の友愛であるが、主に女性の社交クラブ Sorority (ソロリティ)を指す用語である。Sorority のクラブと対になる Fraternity (フラタニティ)のクラブは、男性の場合と、女性・男性両方が含まれる場合とがある。

社会主義時代のユーゴスラビアの基本理念「兄弟愛と統一」(セルビア・クロアチア語: Bratstvo i jedinstvo)の「兄弟愛」にあたる bratstvo (キリル文字化: братство)は、英語の fraternity にあたる。


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