参議院議員団
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参議院議員団(さんぎいんぎいんだん)は、政党参議院における国会活動を審議決定し執行する、政党内に置かれる組織。

それぞれの政党所属の参議院議員によって構成される。
概要

ある程度以上の規模を持つ政党の場合、党首党三役など執行部の主要な役員は通常衆議院議員が占めるため、参議院議員団は独自に政策部会国会対策委員会を持つ。

その政治的影響力は長年、大きくないものとされてきた。ただ第一与党単独過半数割れの定着や度々発生するねじれ国会や政党内での衆参議員の拮抗から、政治的影響力を増している役職もある。

政党によって議員団及び役員の名称が多少異なるが、ここでは一括して扱う。
自由民主党
参議院議員総会

2024年1月26日現在

役職会長副会長副会長幹事長政策審議会長国会対策委員長
氏名
関口昌一山本順三松山政司松山政司福岡資麿石井準一
所属派閥茂木派安倍派岸田派岸田派茂木派茂木派

自由民主党においては ⇒党則において参議院議員総会を置き、その執行機関として参議院議員総会長(参議院会長)、参議院幹事長、参議院政策審議会長、参議院国会対策委員長など必要な役員を置く旨の規定がある。参院会長は参議院議員の中から選挙で選ばれ、その他の役員は参議院議員会長によって指名され、総会の承認を受けて決定される。参議院会長は閣僚経験者が就任する慣例となっている(橋本聖子と関口昌一は例外)。これらの役員は参議院議員団内部の手続のみで選出されるため、自治組織の体を擁しているが、現実には派閥の領袖が事実上決定するようなことがままある。

内閣総理大臣になる可能性が政治慣例上では現実的にない参議院議員[注 1]にとって、以下の階梯が出世コースとして慣例化していた。
参議院枠国務大臣ないしは内閣官房副長官[注 2]

参議院幹事長

参議院会長

参議院議長

自民党においては、党総裁党三役をはじめとする党役員および閣僚の大半はいずれも衆議院議員で占められるということもあり、重宗雄三を除いて参議院議員団の影響力はあまり大きくなかった。しかし、組閣においては、参議院議員団の入閣要望者リストを尊重するのが慣例で、これが政権と議員団(特に参議院幹部)との関係を良好にする上で必須とされた。派閥の影響力が低下した2000年代にあっても、その意思は尊重された。また自民党総務会における党所属の参議院議員の公選による者の選出は、実質的には参議院執行部が選出している[1]

参議院議員団への閣僚割り当て枠は、参議院枠と呼ばれた。一時は1名のみ(第1次小泉内閣での片山虎之助)だったこともあるが、概ね2名が割り当てられた。また1974年以降、参議院議員団では入閣は一度であり、離任したら再入閣はないという不文律があった。但し例外もままある(森山真弓井上吉夫若林正俊中曽根弘文林芳正丸川珠代ら)。

しかし、小渕内閣の頃から、参議院において自民党が単独過半数割れしている状況で野党にパイプを持つ村上正邦参議院会長・青木幹雄参議院幹事長(青木は小渕第2次改造内閣から一時内閣官房長官を務めた)体制の下参議院幹部の発言力が強まり、小渕首相危篤に伴う後任の決定に村上と青木が五人組の一角として森喜朗の擁立に関与するまでになった。結果として参議院議員団では、大派閥を後ろ盾にした参議院会長を頂点とする強力なトップダウン体制が実現し、参議院会長は「天皇」と奉られた。

民主党政権下での野党時代の2010年に、無派閥・若手に支援される形で、派閥に属さない議員である中曽根弘文が参議院会長に選出され、参院幹部からいわゆる“ドン”が排除された。しかし、人事や政策審議会運営を見直した結果、議員団内の対立が深刻化し、ある程度の妥協を余儀なくされている。
自由民主党参議院議員会長

代氏名総裁在任期間所属派閥総裁派閥
1
松野鶴平鳩山一郎1955年 - 1956年旧自由党系旧民主党系
2野村吉三郎石橋湛山岸信介1956年 - 1957年(無派閥)石橋派岸派
3吉野信次岸信介1957年 - 1959年(無派閥)岸派
4重宗雄三岸信介、池田勇人1959年 - 1961年佐藤派岸派、池田派
5林屋亀次郎池田勇人、佐藤栄作1961年 - 1965年(無派閥)池田派、佐藤派
6青木一男佐藤栄作1965年 - 1966年石井派佐藤派
7平井太郎佐藤栄作1966年 - 1968年佐藤派佐藤派
8郡祐一佐藤栄作、田中角栄1968年 - 1973年佐藤派→田中派佐藤派、田中派
9安井謙田中角栄、三木武夫福田赳夫1973年 - 1977年石井派→無派閥田中派、三木派福田派
10徳永正利福田赳夫、大平正芳1977年 - 1980年田中派福田派、大平派
11町村金五鈴木善幸1980年 - 1982年福田派鈴木派
12木村睦男中曽根康弘1982年 - 1983年田中派中曽根派
13藤田正明中曽根康弘1983年 - 1985年鈴木派中曽根派
14土屋義彦中曽根康弘、竹下登1985年 - 1988年福田派→安倍派中曽根派、竹下派
15山内一郎竹下登、宇野宗佑1988年 - 1989年宮沢派竹下派
16長田裕二海部俊樹1989年 - 1991年竹下派中曽根派、河本派
17原文兵衛海部俊樹、宮沢喜一1991年 - 1992年三塚派河本派、宮沢派
18斎藤十朗宮沢喜一、河野洋平1992年 - 1995年小渕派宮沢派
19遠藤要河野洋平、橋本龍太郎1995年 - 1996年小渕派宮沢派、小渕派
20坂野重信橋本龍太郎1996年 - 1997年小渕派小渕派
21井上吉夫橋本龍太郎1997年 - 1998年小渕派小渕派
22井上裕小渕恵三1998年 - 1999年旧三塚派小渕派
23村上正邦小渕恵三、森喜朗1999年 - 2001年江藤・亀井派小渕派、森派
24竹山裕森喜朗、小泉純一郎2001年 - 2004年橋本派森派
25青木幹雄小泉純一郎、安倍晋三2004年 - 2007年旧橋本派→津島派森派、町村派
26尾辻秀久安倍晋三、福田康夫麻生太郎谷垣禎一2007年 - 2010年津島派町村派、麻生派古賀派
27中曽根弘文谷垣禎一、安倍晋三2010年 - 2013年伊吹派[注 3]古賀派、町村派
28溝手顕正安倍晋三2013年 - 2016年岸田派町村派
29橋本聖子安倍晋三2016年 - 2019年細田派細田派
30関口昌一安倍晋三、菅義偉岸田文雄2019年 -竹下派→茂木派細田派、無派閥、岸田派


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