厚別川
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この項目では、石狩振興局の厚別川について説明しています。日高振興局の厚別川については「厚別川 (日高町・新冠町)」をご覧ください。

厚別川
厚別川を渡る寝台特急「北斗星」
水系一級水系 石狩川
種別一級河川
延長41 km
平均流量-- m³/s
流域面積-- km²
水源 ⇒二等三角点「小滝沢」[1]
水源の標高630[1] m
河口・合流先旧豊平川(合流点)
流域石狩振興局


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.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}厚別川を挟んで、白石区側に彦星像(左)、厚別区側に織姫像(右)がある。1989年(平成元年)、厚別区が白石区から分区したときに作られたものであり、『雅楽戦隊ホワイトストーンズ』(HTB)の主題歌「ホワイトストーンズ 愛のテーマ」(作詞:鈴井貴之藤村忠寿)の歌詞にも登場する。

厚別川(あつべつがわ、あしりべつがわ)は、北海道札幌市および江別市を流れる石狩川水系豊平川の最大の支流で、一級河川である。札幌では2番目に長い川で、長さは41kmある。

河川法上の正式名は「アツベツ-がわ」だが、上流に当たる清田区では「アシリベツ-がわ」と呼ばれ、清田区の3つのシンボルのうちのひとつに指定されている[2][注釈 1]

かつては例年の氾濫で流域に被害を及ぼしていたが、昭和50年代に治水事業が行われ、現在は河川敷の緑化やサイクリングロード、自然公園などに利用されている。
アシリベツとアツベツ
川名の由来厚別(あつべつ)川に架かる厚別(あしりべつ)橋。

川の名はアイヌ語に由来する。流域の清田区や厚別区では語源として、アシリ・ペッ(新しい川)、ハシ・ペッ(雑木林・潅木を流れる川)、アッ・ペッ(オヒョウダモの木の川、または魚のとれる豊かな川)などの説を紹介している[注釈 2][注釈 3]
アシリベツ

厚別川の上流をなす現在の清田区一帯はかつて「アシリベツ」と呼ばれていた。これに「厚別」の漢字を当てた「厚別太」等の表記が古い史料に残されている。語源の諸説のうち、「オヒョウダモの木の川」によると、オヒョウダモはアイヌの服(アットゥシ)を織る繊維を採る木であり、アツシ(厚司)の木とも呼ばれていた[3]。そのため「厚」の字が当てられたとも言う。「厚別」の漢字が当てられた確実な最古の記録は、1879年(明治12年)に、源流に近い滝野に設置された厚別水車機械場(官営製材工場)とされているが、この機械場の詳細は伝わっていない。

アシリベツに道路が通じたのは1857年(安政4年)のことで、現在の銭函千歳を結ぶ道(札幌越新道(清田区内では現在の国道36号に相当))が拓かれた。この道は、箱館から、森から室蘭までは航路、そして室蘭から陸路で札幌に至る行程で、渡しを必要とする大きさの川としては、厚別川は豊平川の一つ手前の川だった。年代は不詳だが、遅くとも1870年(明治2年)には厚別川を渡るための駅逓が営まれていた[注釈 4][注釈 5]

はっきりと記録の残るものとしては、アシリベツへの最初の入植は1873年(明治6年)である。ツキサップ(月寒村)の長岡重治が、現在の清田小学校付近に定住し、「アシリベツ」という地名が用いられるようになった。入植が進むと、アシリベツに「本通」、「北通」、「南通」、「坂上」などの区域がうまれた。これらは地名としては「月寒村アシリベツ本通」のように用いられた。1944年(昭和19年)の字名の整理によって、それぞれ本通は「清田」、北通は「北野」、南通は「真栄」、坂上は「平岡」という瑞祥地名に改称された。1997年(平成9年)に、かつての「アシリベツ」一帯は札幌市豊平区から分区して清田区となった。現在も「アシリベツ」の読みは、川の名前のほか、「厚別(あしりべつ)神社」、「あしりべつ郷土館」などに残る[4][5]
アツベツ

厚別川の下流側では、1883年(明治16年)に初めて入植があった。入植地は官営幌内鉄道が厚別川を渡る付近の両岸(白石村番外地[6])で、入植者が信濃国の出身者[注釈 6]だったため、1886年(明治19年)には「信州開墾地」と命名された[7]。1893年(明治26年)には「信濃簡易教育所」(現在の信濃小学校)が設立されている。このように、当地でははじめはもっぱら「信州開墾地」や「信濃」の地名が用いられていた[8]

一方、1894年(明治27年)に、北海道炭礦鉄道(官営幌内鉄道の後身)が信州開墾地の厚別川付近に新駅を設置し、「厚別(あつべつ)駅」とした。これが「厚別」を「あつべつ」とした最古の例とされている[9][10][8]。これに続いて1896年(明治29年)には厚別(あつべつ)郵便局も開設された。[注釈 7]

1902年(明治35年)に白石村に二級町村制が施行されると、村内は15部に編成されて信濃開拓地は「厚別東部」「厚別西部」「厚別川下部」などに分割された。公式に「厚別」が地名となるのはこれが初めて[10]とされている[注釈 8]。1989年(平成元年)に、かつての「信州開墾地」一帯は札幌市白石区から分区して厚別区(あつべつく)となった。
流路と利用の歴史

川の両岸からは縄文時代の土器や石器が出土しており、古くから何らかの形で縄文人擦文人、さらにアイヌが川を利用していたと考えられている。しかし、これらの土器・石器や遺跡類は、開拓時代には開墾の妨げとして破壊され、遺物は道路の設営のため粉々にされて撒かれたりしたため、ほとんど調査もされておらず詳細は不明である。

国道36号との交差付近からは、左岸にサイクリングロードが整備されている。

樽前山恵庭岳の噴火でできた火山灰台地の間を縫って大きく蛇行し、かつては氾濫期の度に流路を変える暴れ川であった。現在は治水が進み上流部を除き流路も直線的に改良されている。

清田区内では火山灰台地を厚別川が削り、河岸段丘を形成している。段丘は、高い所では標高200?300メートルほどの高さがある。この谷地の底の平地部分が有明地区、真栄地区であり、左岸が清田地区や北野地区、右岸が平岡地区である。

入植によって河道の整備や排水の改良が進み、流域は昭和の初期には北海道を代表する水郷地帯へと変貌を遂げた。しかし融雪期の氾濫が完全に克服されるのは昭和40年代に入ってからである。その後、札幌の都市化が進み、1980年(昭和55年)頃には水田はほとんど姿を消し、大半の開拓農家が移転した。現在の下流域は白石区で住宅地が見られるものの、東区では市街化調整区域のため自動車工場や廃棄物の処分場などが散在する荒れ野となっている。豊平川へ合流する江別市域では畑作や酪農が行われている。
源流(南区)厚別川源流付近

北海道札幌市南区南部、空沼岳の頂から約5km東の中腹に源を発する。北東に向かい、南区滝野地区では畑作に利用されている。滝野すずらん丘陵公園アシリベツの滝を経て、鱒見の滝/鱒見の沢をあわせ、清田区に入る。


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